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戦争の犬たち(上)/フレデリック・フォーサイス
角川文庫
フレデリック・フォーサイス(Frederick Forsyth、1938年8月25日 - )は、イギリス・ケント州アシュフォード出身の作家。1970年、パリにいた際にフランスのシャルル・ド・ゴール大統領番として見聞きした大統領警護隊員のエピソードをヒントに、大統領暗殺未遂事件を書いた処女作『ジャッカルの日』は映画化され、各国でヒットしフォーサイスの名を一躍有名にしました。逸話として、『ジャッカルの日』の印税により、ナイジェリアでの内戦に敗れ祖国を失ったビアフラ人のために傭兵部隊を雇い、赤道ギニア共和国に対しクーデターによる政権転覆を1972年に企てたというものがありますが、作戦会議を取材させてもらっただけで、傭兵達が自分を首謀者だと思い込んだのだと、計画への関与を否定しています。
『戦争の犬たち』(The Dogs of War)は、1974年に出版された軍事・経済小説。プラチナ鉱山の利権を狙ってアフリカの小国にクーデターをしかける資産家と傭兵たちの陰謀を描いています。タイトルの「戦争の犬たち」はシェイクスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』の第三幕第二場に出てくる「戦争の犬を解き放て(let slip the dogs of war)」という台詞を引用したものです。日本語の語感からくる「金のために資産家の犬として働く戦争屋」のようなニュアンスはなく、むしろ作品中において傭兵は「依頼を受けるかどうかを自ら判断し、雇い主に対して最善を尽くすプロの戦士」として好意的に描かれています。