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- 奥の細道シリーズ 倶利伽羅 わせの春
奥の細道シリーズ 倶利伽羅 わせの春
奥の細道シリーズ切手
第8集
倶利伽羅
わせの春
わせの香や分入右は有磯海
芭蕉は酒田を立ってから、残暑の酷しい北陸道を西南に歩き、やがて季節は秋に入りました。越中(富山県)の国はもう早稲が実っていました。北陸道は新湊あたりから海岸を離れ、高岡を経て倶利伽羅峠にかかります。越中と加賀(石川県)との国境です。倶利伽羅峠からは右手に越中の歌枕有磯海の海岸がよく見えます。早稲田が実っている間を分け入るように歩みを進め、はるかに有磯海を望み見た時の心の弾みがこの句のどこかにあります。もう一息で加賀百万石の城下町金沢です。