- 0318 Museum
- 65F 緑川洋一 「古時計百種百話」-1、-2 バイブルでした。
- 「古典屋」 赤羽 勲・木村 邦雄さん 追憶 #1 新橋 地下鉄・プロムナード
「古典屋」 赤羽 勲・木村 邦雄さん 追憶 #1 新橋 地下鉄・プロムナード
その昔、地下鉄銀座線新橋駅の改札口近く、地下鉄構内にあった「古典屋」は、「目も眩むばかりの世界」に 私を引きずり込んだ記念碑的な店でした。
店主の赤羽さんが六本木で質屋を営む傍ら、昭和20年、新橋・地下鉄ストアーに「生活骨董の店 古典屋」の看板を挙げたのが始まり。
得体の知れない諸々の宝物が、地下鉄への通路に面してうず高く積み上げられている。
戦後の焼け跡の雰囲気を色濃く残し、余人を寄せ付けぬ砦のごとき趣であった。
この宝島を発見した時は、
なぜか、熱い血潮が体の隅々までドックン・ドックンと流れるのを感じました。
さて、赤羽さんはと言えば、掃溜めに鶴といった風情の旦那様で、
駆け出しの若者の無知で無礼な問いかけにも丁寧に応え、
モノにまつわる知識や、こだわりを色々と教えて頂きました。
フランス枕と愛称される古時計に最初に出逢ったのがこの店
真鍮のフレームに、面取りガラスの端正な置時計。
裏面の扉を開き、カリッ・カリッと鍵を巻く。
上から覗くと脱進機がリズミカルに回りだす。
機密性が高く音が静か、枕元においても気にならない。
枕時計と呼ばれるゆえんだ。
まさしく「美しい機械」との出逢いであった。
さて、その赤羽さんは'77年70歳で亡くなられ、
口ひげが特徴的な番頭の木村さんが跡を継がれた。
お店には、もう一人、紺色の事務服を着た甲高い声のおばさんが、店番をしていた。
この店で、北原照久さんや緑川洋一氏と何度となくすれ違ったことです。
1970年代前半、新橋地下の大規模開発(WING 新橋)に伴い、古典屋は八重洲の梅田ビルに移転。
梅田晴夫さんのオフォスのあったビルで、
「紳士のライセンス」など、男の嗜みやこだわり・薀蓄の著作を多く著す。
一方「GEM の会」を主宰し、コレクター同士の交流会などが催されていた。
やがて、その梅田ビルも再開発と言うことで、渋谷区東へ移転した。
そうです、ここを訊ねたときにも、忘れられない物語が有りました。
それはまた後程・・・