垂揺球儀(すいようきゅうぎ)  考

0

垂揺球儀(すいようきゅうぎ)とは、江戸時代に作られた和時計。

振り子時計の一種であり、振り子の振動回数を表示し、そこから時刻を求めることができる。

また、振り子の振動を維持するための動力源や伝達機構が備わっている。

江戸時代に天体観測や改暦などの用途で使用されたほか、

伊能忠敬の全国測量の際にも携行された。

(詳しく知りたい方は WIKIPEDIA へ) 

16世紀後半にガリレオ・ガリレイによって「振り子の等時性」の法則が発見された。

オランダの物理学者クリスティアーン・ホイヘンスはこの法則を利用して、

1656年に振り子時計を発明した。

その後もヨーロッパでは振り子時計の改良が続いた。

一方、当時の日本では西洋の技術は伝わりにくかった。

そのため、天体観測で時刻を知る必要があるときは、振り子時計ではなく、

百刻環と呼ばれる日時計や、漏刻(水時計)などを使っていた。

1720年(享保5年)には洋書の輸入が一部解禁されたが、振り子時計の技術がすぐに伝わることはなかった。

日本に振り子時計を伝えたのは、1748年(寛政元年)に持ち込まれた書物『霊台儀象志』である。

この書はベルギー出身で清在住の南懐仁(フェルディナント・フェルビースト)が1674年に漢文で書いたものである。

同書には「垂線球儀」という項があり、ここに、振り子を使って時間をはかる方法が簡単に記されている。

さらに、「新製霊台儀象志図付録儀象志図」の中に、振り子を使った時計の図が描かれている。

Default