フリーダ・カーロ

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フリーダ・カーロ(1907~1954)
メキシコの現代絵画を代表する画家であり、民族芸術の第一人者。

生涯にわたって200点を越える作品を世に残しており、その大半が自画像であった。

1926年に描いた『ビロードの服の自画像』は、イタリア・ルネッサンス絵画に対する関心が表れており、フリーダが絵画に真剣に向き合った初めての作品とされている。

同年に描かれた『事故』は自身の事故の体験に基づいて描かれた鉛筆画で、
レタブロの手法で表現されており、自身の事故をテーマに扱った唯一の作品。

このようにフリーダは自分の身の上に起きたことや自分自身をひたすらに描くことを身上とし、様々な作品を生み出した。

1945年に発表された『モーゼ、あるいは、創造の核』はジークムント・フロイトの著作『モーゼと一神教』に強く影響を受けた作品で、
国立芸術宮殿年次芸術展の絵画賞を受賞した。

自画像を描くということについてフリーダは、美術評論家アントニオ・ロドリゲスに「私はほとんどの時間を一人で過ごすし、
自分のことは自分がいちばん知っているから、自分を描くのです」と語っている。
こうした自画像の特徴として、孤独を反映するような荒涼とした空間モチーフを好んで使用する。

夫との関係、事故後の自身の健康状態、子供が産めない身体であることなど、作品はその時フリーダに起こった出来事を象徴的な意味を込めて描くことが多く、フリーダの心情が表現されている。

こうした表現は女性の身体や性に対するタブーを打ち砕いたとして評価されており、
夫であり、画家でもあったディエゴ・リベラは「彼女は女性特有の、あるいは女性に普遍的なテーマを、仮借のない率直さと冷徹な厳しさをもって描いた、
美術史上最初の女性である」と評している。

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