一世紀前の日本  ヒトラー時代のドイツを他人ごととしては決して語れない。

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戦火を越えた時計たち

「国民的熱狂を作るな」とは、’21年1月に逝去した半藤一利さんが唱えた昭和史の教えだ。

満州事変の勃発から今年で90年。柳条湖事件を皮切りに、関東軍や朝鮮駐屯軍の独断で、都市の占領など既成事実が次々に積み重ねられていった。

国際的に孤立を深めた日本は10年後、もっと大きな戦争へと突き進んでいく。 

12月は真珠湾攻撃から80年の節目でもある。 
忘れてならないのは、一連の軍の行動を、当時の人々は熱狂的に支持したことだ。( 日経/春秋欄 ‘21.09.26 )

半藤一利 / 太平洋戦争(大東亜戦争)に関する著作多数。 
当時の日本軍部、及び靖国神社におけるA級戦犯の合祀には極めて批判的である。

昭和天皇については、当時の軍部による暴走を押し留めようとしたことを肯定的に評価しているが、昭和天皇の戦争責任についても否定していない。


妻の半藤末利子は、松岡譲(作家)・筆子(夏目漱石の長女)夫妻の四女で、漱石周辺に関する随筆を多く執筆している。

この2月24日から始まったロシアのウクライナ侵攻。
西側自由主義諸国は厳しい経済制裁で対処してきたのだが・・・・  繰り返す、愚行。

ロシアの戦費は 2兆円/1日とか、 ウクライナの経済は損失73兆円、さらに拡大しかねない(’22.4/24 日経)

ウクライナ侵攻から約3か月、ロシアから頭脳流出がやまないと聞く。
正しいことを言えない国、噓を強いる国、自由を抑圧する国で真理を探究する科学者は生きていけない。

プロパガンダで覆い隠せると思うのは大きな間違いだ。
虚偽によって国が強くなった例はない。真逆の結果が待ち構えている。
歴史の教訓である。(’22.5/26 日経/春秋欄 )

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