NOVELTY CLOCK  cc - 129 英仏合作  SILVER SERIES  古典屋 - 1

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SILVER  NOVELTY CLOCK    cc - 129

1902年 LONDON (ホールマークによる)  ボディは英国製、 

裏蓋を開くと、French Movement と刻印された綺麗なムーブメントが嵌め込まれている

初めて出会った形でしたので、聊か高かったが、迷わず購入した。 1976年4月と記録されています。

その昔、新橋駅の地下街にあった「古典屋」は、私を「目も眩むばかりのこの世界」に引きずり込んだ記念碑的な店。

店主の赤羽さんが 六本木 or 麻布(?)で質屋を営む傍ら、昭和20年、新橋の地下鉄ストアーに

「生活骨董の店古典屋」の看板を挙げたのが始まりとのこと。

得体の知れない諸々の宝物を、地下街の通路に面してうず高く積み上げ、戦後の焼け跡の雰囲気を色濃く残し、

余人を寄せ付けぬ砦のごとき趣であった。 

この宝島を発見した時は、熱い血潮が体の隅々までドックン・ドックンと流れるのを感じたものだ。

さて、赤羽さんはと言えば、掃溜めに鶴といった風情の旦那様で、

駆け出しの若者の無知で無礼な問いかけにも丁寧に応え、

モノにまつわる知識や、こだわりを色々と教えて呉れたものだ。 

新橋の地下鉄ストアーは、再開発で「シンチカ」に生まれ変わり、

古典屋は京橋 梅田ビル(やはり地下でした)に移転します。(写真)   

梅田ビルには、梅田晴夫さんのオフィスがあり、何かとアンティークにかかわりのあるビルでした。  

その梅田ビルも、周辺との一体的な再開発で跡形も有りません。

少しっ戻ります・・・赤羽さんは'77年70歳で亡くなられ、番頭の木村さんが跡を継がれた。 

お店には、もう一人、甲高い声のおばさんが紺色の事務服を着て店番をしていた。

この店で、北原照久さんや緑川洋一氏と何度となくすれ違った。

さて、私が最初にフランス枕と愛称される古時計に出逢ったのがこの古典屋でした。

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