ジャスパー・ジョーンズとは?

ジャスパー・ジョーンズ(Jasper Johns・1930年生まれ)アメリカ・ジョージア州出身の画家。
1954年ロバート・ラウシェンバーグ(Robert Rauschenberg)と出会い、彼を通じてジョン・ケージ(John Cage)やマース・カニングハム(Merce Cunningham)などの音楽家や舞踊家とも知り合う。同じ時期にエンコースティック(蜜ろう)を使って画面を塗り込める技法で、ありきたりの誰もが見慣れた記号やシンボル(旗、標的、数字、アルファベットを)を題材にした絵画の制作に取りかかる。
1958年にアメリカ・ニューヨークのレオ・キャステリギャラリー(Leo Castelli Galllery)で開催された初の個展は、ニューヨーク美術界に大きな衝撃を与え、ニューヨーク近代美術館(MoMA)が3点を買い上げたことも話題になった。
即物性と現実的な卑俗さを喚起する題材・素材の使用は、ダダ=デュシャン的な非芸術性を思わせるものだったため、ロバート・ラウシェンバーグとともにネオ・ダダの代表的な作家として美術史に位置づけられている。

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東京都写真美術館では、8月21日(日)まで「アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真」が開催されています。

近代日本写真史における前衛写真は、海外から伝わってきたシュルレアリスムや抽象美術の影響を受け、1930年代から1940年代までの間に全国各地のアマチュア団体を中心に勃興した写真の潮流です。活動期間が短く、またピクトリアリズム写真やリアリズム写真といった潮流の間に位置することでこれまではあまり顧みられていませんでした。しかし、ここ数年福岡や名古屋をはじめとする各地の美術館により研究が進み、海外の展覧会でも展示される機会も増えています。

今回はオルタナティブ・ロックバンド「羊文学」ボーカル・ギターの塩塚モエカさんをお招きし、東京都写真美術館学芸員の藤村里美さんと展示を観ながら言葉を交わしました。新しい表現を模索した作家の足跡を、前衛写真を塩塚さんはどのように観たのでしょうか。

※こちらはTOPMuseum Podcast「#01ゲスト・トーク|塩塚モエカ(ミュージシャン)×藤村里美(学芸員)【アヴァンガルド勃興】(前編)」のトークを編集した記事です。

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「みんなと同じでは、つまらない。違う道に進んでみたい」

程度の差こそあれ、誰もが抱いたことのある感情ではないだろうか。しかし多くの場合、なんとなく右へならえに甘んじてしまう。実際に、みんなと違う一歩を踏み出せる人は、意外と少ない。その道を30年歩みつづけられる人は、もっと少ない。

笹川直子さんは、「お気楽OLだった」と自身を振り返る1980年代のバブル期に、20歳で現代アートの道に足を踏みいれた。背中を押したのは、”へそ曲がり”な性格と好奇心。周りとは少し違うことがしたかったという。

それから約30年がすぎ、今、笹川さんは会社経営者として忙しい毎日を過ごしている。その生活を送る傍らでは、変わらずにギャラリー通いをつづけ、現代アートのコレクションを楽しんでいるという。へそ曲がりや好奇心だけでは続かなかったであろう、現代アートの魅力とは?笹川さんに話を聞いた。