磯崎新とは?

磯崎新(いそざき あらた・1931年7月23日生まれ)は、大分県出身の日本を代表する建築家。
1954年東京大学卒業後、1961年東京大学数物系大学院建築学博士課程修了。1963年に「磯崎新アトリエ」を設立。
技術より も「空間」を表現する建築を選択し、ポストモダン建築の騎手として建築界をリードする。1982年アメリカ・シャーロッツビルで開催された建築家による国際会議「P3会議」に、当時無名の安藤忠雄(あんどう ただお)と伊東豊雄(いとう とよお)を連れて行き、ピーター・アイゼンマン(Peter Eisenman)などに紹介したり、福岡地所の集合住宅プロジェクト「ネクサスワールド」では最高責任者としてレム・コールハース(Rem Koolhaas)やスティーヴン・ホール(Steven Holl)を起用。彼らにとってはこれがほぼ初めて実現した大きな建築となった。
また、「建築界のノーベル賞」と呼ばれるプリツカー賞の審査員を1979年の設立当初から、10年近く務め、2019年には自身がプリツカー賞を受賞。
このように、建築のみならず評論や設計競技の審査を通じて、世界の急進的な建築家たちの発想を実現に導くうえでのはかり知れない支援を行ってきた。
代表作には、大分県医師会館 、群馬県立近代美術館、つくばセンタービル、ロサンゼルス近代美術館(MOCA)など。

READ MORE

父から娘へ。タグチアートコレクションのこれまでとこれから_image

父から娘へ。タグチアートコレクションのこれまでとこれから

タグチアートコレクションの名で知られる、ミスミグループ創業者の田口弘さんの現代アート・コレクション。

現在、蒐集や管理は長女の田口美和さんに引き継がれ、さらなる広がりをみせている。2018年11月時点で、作品数は約470点。

これほどのビッグ・コレクターならば、「いつかはプライベート・ミュージアムを」という思いがあってもおかしくない。

しかし弘さんも、美和さんも、特定の箱(スペース)をもつことは考えていないという。

かといって、コレクションを自分たちだけの楽しみにすることもない。コレクションの質の高さから、美術館などから出品依頼の声がかかることも多く、むしろ積極的に公開をしている。

過去には、タグチコレクションの名を冠した展覧会もたびたび開催され、来年も北海道内の美術館を巡回する予定だ。

父から娘に引き継がれるコレクション。インタビューで、弘さんは、しばしば実業家としての顔をみせながらアート購入時のアドバイスや、現代アートが持つ力を語った。美和さんからは、ギャラリー巡りを始めたころの意外なエピソードが明かされた。

日本にもアートセンターを。石井孝之氏が語る、作家と鑑賞者をつなぐ「シームレス」な構想_image

日本にもアートセンターを。石井孝之氏が語る、作家と鑑賞者をつなぐ「シームレス」な構想

現代アートを扱うギャラリーはまだ少なかった1994年。当時31歳の石井孝之氏が、「見よう見まね」で立ち上げたのがタカ・イシイギャラリーだった。写真界のレジェンドたちと、どのように繋がったのか。作家をどのように見出すのか。写真を中心に現代アートをコレクションしている小松隼也さんが話を聞く。

RECOMMEND

スター作家を生むギャラリスト。小山登美夫さんの世界の見方、ローカルでの振る舞い方_image

スター作家を生むギャラリスト。小山登美夫さんの世界の見方、ローカルでの振る舞い方

アートに関心のない方でも、一度はその作品をみたことがあるに違いない。そんなスター作家を世に送り出してきた、小山登美夫ギャラリー代表の小山登美夫さん。プライベートでは、頭で理解できないような主題のアートが好きだという。

「言葉で説明できるものなら、絵にしなくていい。言葉で言ってくれればいいと思ってしまうんです」

しかしアート・マーケットの話題になると、マクロとミクロの視点を切り替えながら、世界の動向を明解に言語化して聞かせてくれる。

欧米が主導権を握り、中国が活気づくアート市場で、日本がすべきこととは?ギャラリーが果たすべき役割とは?現代アート・コレクターの笹川直子さんが、話を聞いた。

羊文学・塩塚モエカと観る近代日本の前衛写真(前編)_image

羊文学・塩塚モエカと観る近代日本の前衛写真(前編)

東京都写真美術館では、8月21日(日)まで「アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真」が開催されています。

近代日本写真史における前衛写真は、海外から伝わってきたシュルレアリスムや抽象美術の影響を受け、1930年代から1940年代までの間に全国各地のアマチュア団体を中心に勃興した写真の潮流です。活動期間が短く、またピクトリアリズム写真やリアリズム写真といった潮流の間に位置することでこれまではあまり顧みられていませんでした。しかし、ここ数年福岡や名古屋をはじめとする各地の美術館により研究が進み、海外の展覧会でも展示される機会も増えています。

今回はオルタナティブ・ロックバンド「羊文学」ボーカル・ギターの塩塚モエカさんをお招きし、東京都写真美術館学芸員の藤村里美さんと展示を観ながら言葉を交わしました。新しい表現を模索した作家の足跡を、前衛写真を塩塚さんはどのように観たのでしょうか。

※こちらはTOPMuseum Podcast「#01ゲスト・トーク|塩塚モエカ(ミュージシャン)×藤村里美(学芸員)【アヴァンガルド勃興】(前編)」のトークを編集した記事です。

羊文学・塩塚モエカと観る近代日本の前衛写真(後編)_image

羊文学・塩塚モエカと観る近代日本の前衛写真(後編)

東京都写真美術館では、8月21日(日)まで「アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真」が開催されています。

今回はオルタナティブ・ロックバンド「羊文学」のボーカル・ギターの塩塚モエカさんをお招きし、東京都写真美術館学芸員の藤村里美さんと展示を観ながら言葉を交わしました。

日本の前衛写真は関西から広がったと言っても過言ではないのですが、その中心はアマチュア写真家が活動していたグループでした。アマチュアと言っても、単なる趣味を超えて海外の情報をいち早く取り入れて、新しく自由な表現を追求していた写真家たちの熱量が感じられたのではないでしょうか。

後編では名古屋、福岡、東京の前衛写真を見て回ります。

※こちらはTOPMuseum Podcast「#02ゲスト・トーク|塩塚モエカ(ミュージシャン)×藤村里美(学芸員)【アヴァンガルド勃興】(後編)」のトークを編集した記事です。

変則、逸脱、説明不可能。次の時代をアーティストと創るギャラリーANOMALY_image

変則、逸脱、説明不可能。次の時代をアーティストと創るギャラリーANOMALY

倉庫街だった東品川の天王洲エリアは再開発により、アートの発信地というイメージを定着させつつある。TERRADA Art Complexの4階に、2018年11月、現代アートのギャラリー「ANOMALY」が誕生した。共同代表は山本裕子、浦野むつみ、橋本かがりの3人だ。

興味深い点は、このギャラリーが山本現代、URANO、ハシモトアートオフィスの3ギャラリーの統合により生まれたこと。そしてグランドオープンの展覧会をおこなったのは、3つのギャラリーのいずれにも属していなかったChim↑Pomであったことだろう。

3つのギャラリーが集まって何をはじめるんだ?1992年の伝説の展覧会「ANOMALY」の再来か?

周囲の前のめりな関心をすりぬけ、「ANOMALY」はしなやかな形態で、新たなギャラリーの在り方を目指す。ANOMALYの山本裕子さんと浦野むつみさんに、夫婦で現代アートをコレクションする長谷川一英さんと惠美子さんが話を聞いた。