父から娘へ。タグチ・アートコレクションのこれまでとこれから

取材日: 2018年11月6日

モデレーター/深野一朗
文・写真/塚田史香

父から娘へ。タグチ・アートコレクションのこれまでとこれから_image

タグチ・アートコレクションの名で知られる、ミスミグループ創業者の田口弘さんの現代アート・コレクション。

現在、蒐集や管理は長女の田口美和さんに引き継がれ、さらなる広がりをみせている。2018年11月時点で、作品数は約470点。

これほどのビッグ・コレクターならば、「いつかはプライベート・ミュージアムを」という思いがあってもおかしくない。

しかし弘さんも、美和さんも、特定の箱(スペース)をもつことは考えていないという。

かといって、コレクションを自分たちだけの楽しみにすることもない。コレクションの質の高さから、美術館などから出品依頼の声がかかることも多く、むしろ積極的に公開をしている。

過去には、タグチ・コレクションの名を冠した展覧会もたびたび開催され、来年も北海道内の美術館を巡回する予定だ。

父から娘に引き継がれるコレクション。インタビューで、弘さんは、しばしば実業家としての顔をみせながらアート購入時のアドバイスや、現代アートが持つ力を語った。美和さんからは、ギャラリー巡りを始めたころの意外なエピソードが明かされた。

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タグチ・アートコレクションは、アメリカン・ポップアートから

——弘さんは、ミスミ時代からコレクションをされていたそうですね。

田口弘さん(以下、弘さん):1991年に、キース・へリング(Keith Haring)などを購入したのが最初ですね。ミスミの社長をしていた頃です。

田口弘さん。1937年岐阜県生まれ。  FA部品や金型部品の専門商社ミスミ創業後、「マーケットアウト」  「購買代理店」「持たざる経営」「オープンポリシー」「プラットフォーム  カンパニー」など、独自の経営理念や新規事業を次々に打ち出し、ミスミを年商550億円、東証1部上場企業へ育てあげた。

田口弘さん。1937年岐阜県生まれ。 FA部品や金型部品の専門商社ミスミ創業後、「マーケットアウト」 「購買代理店」「持たざる経営」「オープンポリシー」「プラットフォーム カンパニー」など、独自の経営理念や新規事業を次々に打ち出し、ミスミを年商550億円、東証1部上場企業へ育てあげた。

弘さん:美術と言えばルネサンス美術や印象派のイメージでした。しかし、ある時とあるブティックでキース・へリングのポスターを偶然にみかけ、「なんだこれは!」と衝撃を受けました。

ミスミが東陽町に新社屋を建てた時期だったこともあり、皆にみてもらいたい。買って飾ろう。「美術館の中で仕事してる感じにしてやろう!」と思ったんです。

——そのミスミ・コレクションが、タグチ・アート・コレクションに移管したのでしょうか?

弘さん:当時のコレクションは、すべて会社においていきました。個人名義ではじめて購入したのは、1996年です。アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)のフラワーシリーズが、現在のコレクションの最初の1点になると思います。

——ミスミのコレクションは、アメリカン・ポップアートが中心だった印象があるのですが、現在のタグチ・アートコレクションの内訳を教えてください。

田口美和さん(以下、美和さん):数は470点ほどです。作家出身地別、人数ベースでいうと、約26%が日本、20%がアメリカ、メキシコ以南の南米が10%、イギリス・ドイツがそれぞれ8%です。点数ベースでいうと日本人が少し増えます。

メディア別ですと、映像が45作品、写真と立体がそれぞれ65作品ほど。残りはペインティングかワークス・オン・ペーパー、その他(布・板など)の平面作品です。

田口美和さん。ソーシャルワーカー、大学などで講師として勤務した後、2013年頃よりタグチ・アートコレクションの運営に従事。近年は精力的に国内外のアートフェア、展覧会、ギャラリーを訪問し、父が始めたコレクションの充実と公開に努めている。

田口美和さん。ソーシャルワーカー、大学などで講師として勤務した後、2013年頃よりタグチ・アートコレクションの運営に従事。近年は精力的に国内外のアートフェア、展覧会、ギャラリーを訪問し、父が始めたコレクションの充実と公開に努めている。

弘さん:アメリカン・ポップアートだけでなく、もっと色々なものを観てもらいたいと思い、コレクションの幅もだいぶ広がりましたね。

——ところで弘さんは、コレクターになる前から、美術はお好きだったのでしょうか?

弘さん:好きでしたね。小さい時も絵の成績だけは良く、他は全然だめでしたが(笑)。岐阜県郡上八幡の生まれなのですが、小学生の頃には、県が主催する火の用心のポスターのコンテストで優勝したり。

美和さん:本当!?知らなかった。でも昔一回だけ、自宅の棚にスケッチブックがあり、母に聞いたら、お父さんのだって言われたことがありました。風景画だったかな。あのスケッチブック、どこにいったかな?

弘さん:わからないね。今はもう描きませんが、若い時はよく描きました。山に行くときは必ずスケッチブックをもって。

美和さん:行ってたの?

弘さん:うん。

美和さん:そうなんだ!(一同、笑)

コレクションは、父から娘へ

——現在、コレクションの管理は美和さんが中心になられているそうですね。役割分担はありますか?

美和さん:全体の方向性や予算的なことは父が握り、実務はほぼすべて、私が行っています。

——作品点数など、とても正確に管理されていますね。美和さんはそもそもアートがお好きだったのでしょうか?

美和さん:管理をしているのは、美術館などに貸し出す機会が多いからです。もともとは、私自身はアートよりも音楽に関心を持っていました。

代官山のこの家に引っ越してきて、家に作品が掛けられるようになり、現代アートを目にする機会は増えたものの、父のコレクションに興味をもつきっかけになったのは、2011年に開催した展覧会(編集部注:『GLOBAL NEW ART この世界を生きるアート』、東郷青児損保ジャパン日本興亜美術館)です。

「これだけのコレクションを、父以外の家族が把握していないのはまずいんじゃないのかな」という、問題意識が出てきたのです。

2013年、青山のスパイラルガーデンで展覧会『絵画は踊る』を自主開催し、その事務局を手伝った際、キュレーションをしてくださったラディウム-レントゲンヴェルケの池内務さんに、展示のこだわりを学び、展覧会場の照明の中では、作品がまるで違う見え方になることに感動しました。

"Die Tanzende Bilder – The Essence of Taguchi Art Collection"  SPIRAL garden,Tokyo,2013, Photo:Kei Okano, Courtesy of Taguchi Art Collection  展示風景"絵画は踊るータグチ・アートコレクションのエッセンス" スパイラルガーデン2013,写真撮影:岡野圭

"Die Tanzende Bilder – The Essence of Taguchi Art Collection" SPIRAL garden,Tokyo,2013, Photo:Kei Okano, Courtesy of Taguchi Art Collection  展示風景"絵画は踊るータグチ・アートコレクションのエッセンス" スパイラルガーデン2013,写真撮影:岡野圭

美和さん:やはり作品は、広く見せていかなければいけないと感じると同時に、この体験が楽しかったんです。コレクションの実務を引き受けるきっかけになったと思っています。

弘さん:ここ1、2年は作品選定も、購入も任せています。「なんだこの作品は」と思う作品もありますが、もう慣れました(笑)。現代アートをみるセンスは、私よりも彼女(娘)の方があるだろうと。今では私は、事後報告を受けるだけ(笑)。

美和さん:事前相談をすることもありますよ!?

弘さん:金額が大きい時にね。

一同:(笑)

美和さん:国内のギャラリーからは直接購入していますが、海外のギャラリーで購入することも多く、その際にはアドバイザーさんに間に入っていただいたりしています。

——アドバイザーさんは、どのような手助けをしてくれるのでしょうか?

美和さん:世界標準のコレクション作りを考えるならば、欠かせない存在だと考えています。実際に海外のコレクターの間では、アドバイザーをつけることは珍しくありません。

当コレクションでは、アート・オフィス・シオバラの塩原将志さんにお世話になっているのですが、世界中の現代アートのマーケットの動向を、本当によくご存知で、購入時に相談するのはもちろん、作品を手放すときにもまずアドバイスをいただきます。

海外のアートフェアで作品を購入する際の、手続きやシッピングの手配などもお任せできます。

また、コレクターの予算や好みを把握した上で、作品をお勧めしてくださる。これはギャラリーと違うところですね。

ギャラリーは、自分たちで扱っている作家さんを、それぞれにご紹介くださいますが、アドバイザーはギャラリーにとらわれず、ほしい作品、コレクターにあった作品を購入するための、最善のルートを教えてくださるところに意義があると感じています。

弘さん:作家を育て作品を売るギャラリーを販売代理店とするならば、アドバイザーは、お客さん側に立ちお客さんが欲しいと思うものを調達する、購買代理店なんです。私がビジネスでやっていたことと、同じ発想ですね。

オスカー・ムリーリョ(Oscar MURILLO)の作品。和室や玄関などにも購入した作品が飾られている。

オスカー・ムリーリョ(Oscar MURILLO)の作品。和室や玄関などにも購入した作品が飾られている。

——それにしても、美和さんはすぐにこのスケールのコレクションを引き継げたのでしょうか?

美和さん:私の場合、はじめはとにかく現場に足を運ぶことが大事だと思い、たくさんのギャラリーに足を運びました。

——なるほど。「あのタグチ・アートコレクションの!」となれば色々なお話がきけそうですね。

美和さん:父はギャラリーやコレクターさんの集まるところには、あまり顔を出しません。ですから、私ひとりでギャラリーを巡るところからはじめました。

「田口の娘です」とわざわざ明かすこともありませんので、「この扉、勝手に開けて入っていいのかな?」「チャイムを押した方がいいのかな?」と迷った末、入らずに帰ったこともあります(笑)。

入ったら入ったで「いらっしゃいませ」「こんにちは」も何もない。世の中的に「ギャラリーは敷居が高い」と言われるのも、すごくよくわかるんです。

でもその中で、お話をしていただけるギャラリーも増え、つながりも広がり、勉強にもなりました。すごく良い経験になりました。

アートを買う基準は成長性

——おふたりが、アートを購入される時の基準をお聞かせください。

弘さん:基本的には、価値の上がる絵です。

一同:(笑)

弘さん:コレクターが作品を売ることについて、彼女は問題だとよくいうのだけれど、私としては、コレクションを運営していくために、将来が有望な若い作家さんの作品を買い、10年、20年後に価値が上がったところで一部それを売り、また次の世代の若い作家の作品を購入するという形で、入れ替えをしたい。コレクションを末永く運営するためには、その方法がどうしても必要なんです。

そのような主旨に基づいて有望な作家、いいかもしれないと迷った作品で、買える値段のものならば、2、3点まとめて買いなさい、と言っています。

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——なるほど。いつか1点を手放しても、1点はコレクションに残るように。でも作家の成長性を見抜くのは、簡単なことではありませんよね?

弘さん:そのためにも海外のギャラリーやアートフェアに行き、現地のコレクターや作家に会い、情報を集め、目利き力をつけなさいと言っています。

美和さん:アートの千本ノック、今でも修行中です(笑)。2014年のマイアミから海外を見てくるようになりました。

毎年必ず行っているのは Art Basel(香港、バーゼル、マイアミ)、Frieze(ロンドン、NY)、Fiac(パリ)。

前後に絡めて時々行っているのは、ベルリンやチューリッヒ、ウィーン。芸術祭は、ヴェニス、ドクメンタ、ミュンスター彫刻プロジェクト、ベルリンビエンナーレ、リヨンビエンナーレ、プロスペクト・ニューオーリンズ、サンパウロビエンナーレ、シドニービエンナーレ、シンガポールビエンナーレ、光州ビエンナーレなど。

一度現地に入ったら、ブレックファーストから夜までひたすらギャラリーや美術館を巡り、作品をみます。

——現地に足を運ぶことは、大事ですか?

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美和さん:「見る」こと、体感することが大事だと思います。作品の持つ佇まいは、ウェブのイメージ写真では全く伝わりません。本物を見ること、現場に行くことは、作品との肌合わせのような感じでしょうか。

それはルーブル等にある名作についても同じで、その時の感動と印象をちゃんと体で覚える必要があると思います。そうでないと将来の名作は感じとれないと思っています。

ですから、ギャラリーやフェアだけではなく美術館に行くのもすごく大事です。

現代美術のすそ野を広げたい

——ちなみに美和さんが、作品を購入するときの基準は、お父さまと同じでしょうか?

美和さん:もちろん作家さんの将来性は、大事な要素です。あとはタグチ・アートコレクションとして展覧会を開催する機会が多いので、観にきてくださった方に「現代アートっておもしろい」と思っていただくきっかけになるような作品にも魅かれます。

——購入の時点で、一般公開を想定されているのですね。

美和さん:タグチ・アートコレクションとしてのミッションは、コンテンポラリー・アートのすそ野を広げることなんです。

玄関には名和晃平(Kohei Nawa)の作品が飾られている。

玄関には名和晃平(Kohei Nawa)の作品が飾られている。

——ゆくゆくは、プライベート・ミュージアムを開設させたいという思いも?

美和さん:まとまった形でコレクションを残したいという希望はありますが、プライベート・ミュージアムという感覚はありません。昔から父は、そこにはまったく興味がないようです。

弘さん:世の中は、流動していくものです。固定したものをもってはいけない。固定したものをもつだけ、不自由になっていく。これはビジネスをしていた頃の、マネジメントのセンスも影響しているかもしれませんね。

美和さん:展示するだけならば、日本にはいい箱がいくらでもあります。『THE ART SHOW – タグチ・アートコレクションにみるミレニアムの美術』(2017)を開催した群馬県立近代美術館は、磯崎新さんが手がけた場所でしたし、優秀な建築家さんの手がけた美術館は多くあります。

ですから私たちは、美術館を建てたり維持したりにお金をかけるより、コンテンツ(作品)を集めることに特化していきたいです。

Installation View, "THE ART SHOW – Art of the New Millennium in Taguchi Art Collection", The Museum of Modern Art Gunma, Japan, 2017, Photo : Shinya KIGURE, Courtesy of Taguchi Art Collection     展示風景”The Art Show-タグチ・アートコレクションに見るミレニアムの美術”群馬県立近代美術館2017, 写真撮影:木暮伸也

Installation View, "THE ART SHOW – Art of the New Millennium in Taguchi Art Collection", The Museum of Modern Art Gunma, Japan, 2017, Photo : Shinya KIGURE, Courtesy of Taguchi Art Collection 展示風景”The Art Show-タグチ・アートコレクションに見るミレニアムの美術”群馬県立近代美術館2017, 写真撮影:木暮伸也

田口弘さん自慢のコレクション「会田誠」

会田誠 灰色の山 2009-2011 キャンバス、アクリル絵具 300×700cm 制作協力:渡辺篤 撮影:宮島径 (c) AIDA Makoto Courtesy <a href="http://mizuma-art.co.jp/">Mizuma Art Gallery</a>

会田誠 灰色の山 2009-2011 キャンバス、アクリル絵具 300×700cm 制作協力:渡辺篤 撮影:宮島径 (c) AIDA Makoto Courtesy Mizuma Art Gallery

会田誠の代表作「灰色の山」。

「描かれたサラリーマンの残骸を見ると、高度経済成長期の実態が浮かび上がってくるんです」(弘さん)

「会田さんは普段、女の子をモチーフにされていますが、この絵には一人も女の子がいない。苦行だったようです(笑)」(美和さん)

田口美和さん注目の若手作家「廣直高(Naotaka Hiro)」

Naotaka Hiro Untitled (Two Legs Horizontal) 2016 Canvas, Fabric Dye, Oil Pastel, Rope, Grommets 274.32 x 213.36 cm Photo: Fredrik Nilsen

Naotaka Hiro Untitled (Two Legs Horizontal) 2016 Canvas, Fabric Dye, Oil Pastel, Rope, Grommets 274.32 x 213.36 cm Photo: Fredrik Nilsen

ロサンゼルスのギャラリーTHE BOX(オーナーは、アメリカの美術家ポール・マッカーシーの娘)で購入した、廣直高(Naotaka Hiro)の作品。

支持体となる布に足を通す穴があり、作家自らが布に包まれたきんちゃく袋状態で、制作されたもの。身体性溢れる力強い作風に一目惚れしたという。

「彼はドローイングでも内臓や体の部分をテーマにしていて、身体性に強いこだわりがあるんです。物凄いインパクトを感じました。日本ではMisako&Rosenで取り扱いがあります」(美和さん)

——現代アートに興味をもつ、でもまだ購入はしたことがない方に、メッセージをお願いします。

美和さん:最初の1点という意味では、購入を考える前に、まずは行ける範囲であちこちに足を運び、自分の目でみる経験をしてほしいです。

インスピレーションで初めて購入した作品が、草間彌生だった!というエピソードを聞いたことはありますが、そんなラッキーは滅多にありません。

ギャラリーは敷居が高く感じられるとは思いますが、そこは頑張って。足を運び本物を見る経験をされてから、購入されるのがいいのではないでしょうか?

弘さん:若い方、ビジネスに関わる方に伝えたいのは、まず現代アートを観てほしいということです。

ビジネスの世界では新事業開発が活発です。全く新しいものを創らないといけない時代。

この「全く新しいものを創る」という点では、ビジネスの世界よりも、現代アートの世界の方が、ずっと先をいっています。現代アートをみる経験は、これからやる仕事に、繋がっていくと思います。

ーおわりー

Moderator Profile

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深野一朗

買い物だけをして生きてきた。服は小学2年生の時から自分で選んでいる。デザインはミッド・センチュリーを経てスペース・エイジへ。現代アートはスペース運営を経て今はピュア・コレクター。ファッション、デザイン、アートときて、いままたファッションへ。著書は『「クラシコ・イタリア」ショッピングガイド』(光文社)。買い物ダケガ人生ダ。

Writer Profile

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塚田 史香

東京在住。ライター。PRSJ認定PRプランナー。好きな場所は、自宅、劇場、美術館です。

終わりに

深野一朗_image

美和さんに取材のお願いをしたとき、「父と一緒に」と伺って内心狼狽えたことを正直に告白しよう。

かつて新人会計士としてミスミの会計処理を研究したこともある僕にとって、弘さんはコレクターよりもまず「あのミスミの」田口さんだった。

くだらない質問して、怒られたらどうしよう・・・勝手にそんな妄想を抱いていたが、いざ取材が始まったら、緊張はどこへやら、いつしか僕は弘さんのファンになっていた。この弘さんの気さくなご性格は、そのまま美和さんにも引き継がれている。

アドバイザーは購買代理店、作品は複数買え、固定資産である美術館は要らない、といった弘さんのお考えは実にプラクティカルだ。それに加えて美和さんの「千本ノック」。アドバイザーさんと一緒に世界中のフェアや国際展に行きまくり、最先端のアートを見まくっている美和さんの「眼」は、際限なく肥えてきているに違いない。お二人は間違いなく、日本の現代アート界最強の父娘コレクターである。

子どものころから絵が上手で、登山の時には必ずスケッチブックを持って行ったという、美和さんも知らなかった弘さんのエピソードを伺えた時は嬉しくなった。このお話が伺えただけでも取材した甲斐があったと思っている。

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