現代には安価で便利な家具は溢れども、時代が変わっても古びることなく残し続けたい家具がある。
ヨーロッパでは子供とともに家具のメンテナンスをする「家具育」というものがあり、家具を丁寧に扱うことで2世代、3世代先へと引き継いでいくそう。
このシリーズでは、後世に受け継いでいきたいアンティーク家具とメンテナンスに焦点をあてた記事をご紹介します。
家具修理の専門家から学ぶ「リペア論2.0」。原状回復の先にある醍醐味
祖父母のところへ遊びに行くと、たいていどこの家にも一つは古いタンスがあって、「これは代々我が家に伝える桐タンスで〜」なんてウンチクが飛び出すこともしばしば……。
そんな時代をはるか昔に感じるほど世の中が進歩し、今では修理を重ねて愛用してきた和家具よりも、DIY気分で組み立てる北欧ブランドの家具の方が身近になった。
「家具は、洋服や革靴と同じように生活を豊かにする道具」。
そう考えれば、安価にオシャレな家具を手にいれて壊れたら売るというライフスタイルも自然なのかもしれない。
ところが、家具の楽しみ方にはまだまだその先があるらしい。品質の良いものを手にいれて修理を重ねて長く愛用するというのも一つの楽しみ方ではあるが、どうやらさらにその先の醍醐味があるようだ。
「家具は、もっと楽しむことができる」。
その想いを世に伝えるべく、自身の知識と経験をフル活用した家具のリペアサービスをスタートした西原弘貴さんは、家具の修理・修繕やワークショップを通じて、持ち主と家具の新たな関係性を提案し続けている。
そんな西原さんだからこそ、家具の楽しみ方を二倍にも三倍にも膨らませる術を持っている。言うなれば、「リペア論2.0」。今回は、私たちが想像する家具リペアの一歩先を行く楽しみ方を教えてもらった。
世界に一つだけの一脚にカスタム! 椅子の生地張り替えのススメ
洋服の裾丈を直したり、革靴のソールを替える話はよく聞くが、椅子のシート生地をカスタムしたという話はなかなか聞かない。
ところが、意外にもカスタムのハードルはそこまで高くないのだという。
しかも、世界中の面白い生地や、自分で持ち込んだ生地まで使うことができるなんて……。これはモノ好き諸兄にとってたまらないはずだ!
そんな素敵なサービスを提供しているのは、リペアやワークショップを通じて家具の楽しさを発信する「Fizz Repair Works」。
代表の西原弘貴さんに、カスタムの魅力を教えていただきました。
知っているようで意外と知らない。家具メンテナンスのいろは
ダイニングテーブルや椅子、キャビネットなど、自宅にある家具には木を加工して作られているものや、そこに布地やレザーなどの異素材を組み合わせてあるものが多い。
天然素材である以上、素材の味わいを楽しめることと経年劣化をしてしまうことは表裏一体。
そして、家具はあくまで生活を豊かにするための道具なので、愛用すればするほど、汚れたり傷が付いたりしてしまうのは仕方のないことだ。
だからこそ、洋服や革靴と同じように日頃のちょっとしたメンテナンスが大切。適度なケアで良い状態をキープすれば、気持ち良く長く使い続けることができる。
そこで、今回は家具リペアの達人であるFizz Repair Worksの代表・西原弘貴さんにお願いし、家庭でできる簡単なメンテナンスと揃えておきたいケア用品を教えていただいた。
失われゆくモノを未来へ託す。「NO NAME PARISH」が、レストアで伝える家具との関わり方。
「平成」から「令和」へ元号が変わった。
新たな時代の幕開けに心を躍らせる一方で、少し不安を感じてしまう。転換を経た先に、何が残り何が消えていくのか、もはや誰にも予測がつかないからだろう。
ある人は、「本当に素晴らしいものは残り続ける」と言うが、果たしてそうだろうか。
価値観の多様化は止まることなく進んでいく。どんな「良いもの」も時代の流れに任せきりでは消えていってしまう……というのは杞憂に過ぎないのか。
ただ一つだけ確かなことは、これからの時代「後世に受け継ぐべきモノ」を伝える語り部の存在が重要になってくるということだ。
伝統を継承する英国アンティーク家具の魅力
気品漂う大人の家具。そんな言葉が英国のアンティーク家具にはよく似合う。英国の職人技が成したデザインと、歴史を刻んだ装飾美など、一言では言い表せない魅力が詰まってる。インテリアに取り入れたいと思っている人も多いのでは?
そこで、自社工房にて丁寧に修復を施した英国のアンティーク家具を中心に、照明・食器・雑貨など幅広く扱う東京・目黒のアンティークショップ「ジェオグラフィカ」の岡田明美さんに、英国アンティークの歴史と魅力について話を伺った。
Specialized Furniture Vol.1 カクテルキャビネット
設計者と職人の協業により造作される家具。その時代ならではの材や手技、意匠があり、中には希少性の高いものや驚きのギミックが隠されたものなどが存在する。そこにはクラフトの真の美しさが漂い、時をともに刻んでいきたくなるものも。それは日本はもちろん、世界中にあり、私たちの生活に寄り添ってくれる。
この連載ではそういったこだわりの家具をピックアップ。第一回は英国アンティーク家具から「カクテルキャビネット」を取り上げる。
自室を英国のムードで満たすライティングビューローの魅力 ~アンティーク家具世界への招待状~
コロナ禍でおうち時間が増える中、居住空間を充実させる方も多いと思います。
普段より素敵なカップで紅茶をいただいてみたり、部屋のあかりを変えてみたり、椅子を座りやすいものに新調したり。いつもと違うことをすると気分転換にもなりますよね。
自室の雰囲気を替える為にミューゼオスクエアが提案するのはアンティーク家具です。
歴史ある家具は「ちょっと敷居が高いなあ……」と思われるかもしれませんが、そういう方にもおすすめのアンティーク家具があります。その名も「ライティングビューロー」
アンティーク家具専門店「ジェオグラフィカ」の岡田明美さんにビューローの歴史や魅力を教えていただきました!
多種多様で魅力的なアンティーク家具の世界へご招待します。