#デザイナーの視点

ミューゼオ・スクエアに公開されている「デザイナーの視点」に関する記事一覧です。ミューゼオ・スクエアは「愛用品が見つかる」をテーマにしたWebマガジンです。衣服や家具などの日々の暮らしを豊かにするプロダクトから、時代を照らす現代アートまで、ジャンルの枠を取り払って紹介します。

照明デザイナー遠藤道明さん「太古から存在するオレンジ色の光が人を癒すんです」 連載:あかりと暮らす#01_image

照明デザイナー遠藤道明さん「太古から存在するオレンジ色の光が人を癒すんです」 連載:あかりと暮らす#01

時にはドラマチックに、時にはロマンチックに。椅子と同じくらい、もしくはそれ以上に照明は空間を変える可能性を秘めています。

照明をメインとしたデザインカンパニー「ディクラッセ」代表の遠藤道明さんは、光の色や光の陰影を大切にして照明などをデザインしています。例えば、木漏れ日のモチーフに影をデザインした照明「Foresti」、シェードに反射した光が天井に向かって広がる「onda」。

家電量販店に電球や照明を買いに行った際、目がチカチカした経験はありませんか?遠藤さんが作る照明はまったくそんなことはなく、むしろ光に包まれるような感覚を覚えます。それはたくさんの照明が吊り下がっているディクラッセのショールームでも変わりません。なにが違うのでしょう。

照明との付き合い方を考えるべく、連載「あかりと暮らす」では遠藤さんがインスピレーションを受けたという欧米のあかりを取り上げます。

第一回はイントロダクションとして、遠藤さんが照明をなりわいにしようと思った最初の一灯、日本の照明文化などについてお話を伺いました。癒しの光はワット数を下げれば作れる、というわけではなさそうです。

アメリカンクラシックを現代に蘇らせる「アジャスタブルコスチューム」。デザイナー・小高一樹氏が創り上げる唯一無二の世界観_image

アメリカンクラシックを現代に蘇らせる「アジャスタブルコスチューム」。デザイナー・小高一樹氏が創り上げる唯一無二の世界観

アーリーアメリカンの世界観を現代に落とし込んだブランド「アジャスタブルコスチューム」。ご存知ない方もいるかもしれないが、近年このブランドがクラシックファッション界に衝撃を与え続けている。20代の若者から目が肥えたファッション通、さらには海外のヴィンテージマニアたちをたちまち虜にしているのだ。

デザイン、生地、ディテール、彼が手掛けるその全てがクラシックファッション好きに刺さる。彼とは、「アジャスタブルコスチューム」のオーナーでありデザイナーの小高一樹さんだ。企画からデザイン、工場とのやり取りまで、全て一人で行っている。

1920〜1940年代(物によっては1800年代)の古着を、今のスタイルとサイジングに修正し、小高一樹というフィルターを通してリプロダクトしている。日本、海外、どこのブランドでも見たことのない服ばかりだ。

今回、小高さんに取材し(取材時間も含め、当日はなんと5時間も付き合ってくれた!)、ブランドのコンセプトや立ち上げストーリー、デザインのこだわりなどを聞きながら、「アジャスタブルコスチューム」の人気の秘訣に迫る。

木と家具 (第5回)
日本文化は杉とともに。針葉樹を家具に活かす_image

日本文化は杉とともに。針葉樹を家具に活かす

ウォルナット、マホガニー、チークと聞けば、家具を思い浮かべる人は多いはず。しかし杉と聞いた時はどうだろう。まず連想するのは、残念ながら花粉ではないだろうか。針葉樹は家具には向かない。花粉を飛散させる。どうもネガティブなイメージがつきまとう。

太平洋戦争後の復興期に植えられた杉の木が、いま伐り頃を迎えている。当時、最優先課題だった住宅供給の需要に応えるべく国策として大量に植えた杉の木が、現在は上手く活用されず日本の森林管理を悩ませている。

グループモノ・モノ編集の書籍『杉でつくる家具』では、肘掛け椅子、ベビーチェア、サイドテーブルなど、いずれも素朴な木肌と洗練されたデザインが融合する魅力的な家具が紹介されている。ページをめくるうちにひとつの疑問が湧いてきた。

「本当に杉は家具に向かないのだろうか」

東京都国立市の公団住宅の一角にある、シェア工房「クミタテ」を訪ね、同著のテキスト監修をつとめた家具デザイナーの笠原嘉人さんにお話を聞いた。

慣れ親しんだ鉛筆をアップデート!世界で愛用される「木軸シャープ消しゴム付2.0」_image

慣れ親しんだ鉛筆をアップデート!世界で愛用される「木軸シャープ消しゴム付2.0」

素敵だ!と思うものを手にすると、つい匂いを確かめたくなる。「木軸シャープ消しゴム付2.0」からは黒鉛と木の、正しい鉛筆の匂いがした。

木製の六角形の軸。消しゴムの部分をノックすると、シャープペンシルと同じように芯がくり出される。芯の太さは鉛筆と同じ2.0mm。鉛筆でも馴染みのあるレトロなカラー展開で、鉛筆らしくあることにこだわりを感じさせるプロダクトだ。

しかし全体の長さは136.5mm、軸径は11mm。鉛筆より少し短くひと回り太い。JISは鉛筆の長さを172mm以上、最大径8.0mm以下と規定している。

鉛筆らしさにこだわりながら、なぜイレギュラーな寸法にしたのだろうか。オート株式会社を訪ね、企画からデザインまでを手がけた企画課の宗吉幸子(そうよし・さちこ)さんに、このプロダクトの魅力と開発の経緯を伺った。

一筆箋から紐解く、クリエイティブユニット「yuruliku」のプロダクトデザイン_image

一筆箋から紐解く、クリエイティブユニット「yuruliku」のプロダクトデザイン

付箋でもいい。郵送で受け取った仕事の資料やサンプル品に、手書きで一言「よろしくお願いします」「ありがとうございました」の言葉があると、一瞬でも送り手の顔が思い浮かぶ。一言もないと、意識はすぐにモノに向く。

その一言が付箋ではなく、一筆箋に書かれていたらどうだろう。

一筆箋というと、タテ書きに花のイラスト等があしらわれたもの想像される方が多いかもしれないが、ここで紹介したい一筆箋は少し違う。

抜け感のあるデザインで、紙質はノートのようなカジュアルさ。どこかでみたことがあると思ったら、ツバメノートと同じデザイン。女性っぽくも男性っぽくもないのでビジネスの場でも使いやすく、活版印刷で入った罫線には味がある。便箋よりも軽やか。付箋よりも印象的。

そんなプロダクト『NOTEPAD 活版印刷一筆箋』をデザインしたのは、池上幸志さんとオオネダキヌエさんによるクリエイティブユニット「yuruliku(ユルリク)」だ。ふたりのアトリエを訪ね、『NOTEPAD 活版印刷一筆箋』を作った理由ツバメノートに製造を依頼した経緯、さらにyurulikuのモノ作りへの思いを伺った。

「THE SCISSORS」米津雄介と鈴木啓太が語る、はさみの難しさ、道具の美しさ_image

「THE SCISSORS」米津雄介と鈴木啓太が語る、はさみの難しさ、道具の美しさ

2017年12月に、8800円の事務用はさみが発売された。「THE SCISSORS」という名前で、全長176㎜。厚さ最大6㎜。持ち手の部分は左右非対称。刀身は緩やかなカーブを描き、ふちは丸みを帯びている。

不思議なのはオール・ステンレス製でありながら、決して無機質ではないところ。柔らかそうにさえみえて、つい触れてみたくなる。

THE SCISSORSを開発したのは、2012年に設立されたブランド「THE」。世の中の定番を新たに生み出し、これからの“THE”をつくることをコンセプトに掲げるブランドだ。

はさみなら、とっくに完成形があるように思われる。

なぜ今、THE SCISSORSをつくったのか。プロダクトデザイナーの鈴木啓太さんと、プロダクトマネジメントに携わる米津雄介さんにお話を聞いた。

定番メモ「ロルバーンポケット付メモ」。シンプルな見た目に秘められた緻密なデザイン戦略_image

定番メモ「ロルバーンポケット付メモ」。シンプルな見た目に秘められた緻密なデザイン戦略

鮮やかな色調の表紙に、ツインリングとネイビーのゴムバンド。ロルバーン ポケット付メモは、年齢もジェンダーも選ばず使えるデザインで2001年の発売以来安定した人気を誇っている。

まだ使ったことがない方でも、教室や会議室、あるいはカフェの隣のテーブルの上などで一度は目にしたことがあるのではないだろうか。

しかしこのリングメモが、日本で生まれ、国内の工場で手作業により作られていることは意外に知られていない。『ロルバーン』シリーズの企画・販売を手掛けるデルフォニックスのオフィスに伺い、開発時のエピソードやプロダクトの魅力を広報の田中さんに訊いた。