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今や性別に関わらず毎日必ず穿くトラウザーズは、毎日使うがゆえに逆に細かい箇所に目が行き届かない服の典型なのかもしれません。この連載では服飾ジャーナリストの飯野高広さんが、様式美的なところまで含めて、焦点をしっかりあてて紹介します。この企画が自分の体型や用途により合致したトラウザーズを見つけたり、それを注文されたりする際の手助けとなっていただければ幸いです。

トラウザーズ解体新書
トラウザーズ解体新書 第一回:ベルトループを考える_image

トラウザーズ解体新書 第一回:ベルトループを考える

今日のトラウザーズにはメンズの既製品であればほぼ必ず備わっているのがベルトループ、すなわちベルトを通す穴である。身体にベルトとトラウザーズをしっかり固定するのを通じ、中に着るシャツが出て来ないようにするこれこそ、普段無意識に使っているディテールの代表選手だろう。今回はこのベルトループの数だけでなく位置まで探ってみたい。

トラウザーズ解体新書 第二回:ブレーシスとサイドアジャスターを考える_image

トラウザーズ解体新書 第二回:ブレーシスとサイドアジャスターを考える

前回の記事ではベルトループの本数について、あれこれと書いてみた。トラウザーズを腹部に固定するためのディテールとしては今日最もお馴染みの、いや当たり前過ぎるものなので、その本数ひとつ取っても様々な背景や用途を踏まえたものであることがご理解いただけたのではないか。

そこでも記したが、実は軍用ではなく民間用のトラウザーズをベルトで固定するのが一般化したのは、地域によって若干の違いがあるものの、概ね第二次大戦前後のこと。今回はそれより前に主流であった固定方式と、それの周辺にまつわる話をしたい。

トラウザーズ解体新書 第三回:プリーツを考える_image

トラウザーズ解体新書 第三回:プリーツを考える

ここ数年のトラウザーズのトレンドで最も変化したのがプリーツ、和製英語で言うところの「タック」が前身頃に入ったものが大復活を遂げたことではないか?

ほんの少し前まで「ノータックにあらねばパンツ(とここでは敢えて表現する)にあらず」と豪語していたファッション業界関係者のあれよあれよの宗旨替えは見ていて情けなくなる限りで、彼らが企画するものに対しての思いやポリシーの浅さ・軽薄さが露呈してしまったようなもの。消費者の側から見れば裏切られた感が沸き上がるのも当然で、そりゃー注文服にますます需要が流れてゆく……。

でも、いざ流行ではなく本質的な意味としての「前身頃のプリーツとは?」と問われると、誰もが答えに窮してしまうのも事実ではないか? という事で今回はその辺りを深く、探ってみたい。

トラウザーズ解体新書 第四回:ポケットを考える_image

トラウザーズ解体新書 第四回:ポケットを考える

いわゆるボトムズでメンズとレディスとの決定的な違いは、恐らくポケットの有無ではないだろうか。

シルエットの美しさを最大限に重視する後者では、得てしてその数を最小限に留めたり、あくまでデザイン上のアクセントとしてフェイク、つまり見せ掛けだけで全く使えないものを備えたりしがちだ。一方で前者では実用性を加味した上で、結構さまざまなものを付ける傾向にある。

ここではメンズのドレストラウザーズには当たり前に付きがちなものを、前身頃・後身頃の別で細かく観察してみたい。

トラウザーズ解体新書 第五回:股上を考える_image

トラウザーズ解体新書 第五回:股上を考える

今回からディテールと言うよりも、トラウザーズの寸法により直接的に影響を及ぼす意匠についてお話ししたい。まずは股下関連、ではなくその上、つまり股上に関連するところから。

股下に比べると股上は、意識する人とそうでない人との差が著しいエリアと値だ。自らの体型や世間の流行を何も考えることなくトラウザーズを、正に与えられるがまま穿いてしまう人は「股上」など全く気にしないはず。一方で、それらに敏感な方は自分なりのベストアンサーを必ず持っているか、トラウザーズの種類次第で的確に変化させている。その意味で股上への関心の有無は、トラウザーズのみならず装いそのものへの関心の有無に直結すると言い切れる。

トラウザーズ解体新書 第六回:股下を考える_image

トラウザーズ解体新書 第六回:股下を考える

トラウザーズに関しては性別や世代に関わらず、どうしても気になってしまうのが股下の長さ。お直しの際にバッサリ切られてしまうことにコンプレックスを抱える人もいれば、長過ぎて既製品では対応し切れないと真逆の悩みを抱える人もいる。しかも何気に流行にも左右され易い。今回はそんな股下について、それらと関連する事柄も含めて色々と考えてみたい。