カジュアルな服が増える春夏こそ「革靴」を取り入れたくなる
写真左から、倉野路凡さん、飯野高広さん、成松 淳
(成松)今回の鼎談では「春夏のクラシッククロージング」をテーマにお話ししています。前編では服や着こなしをメインにしましたが、後編は革靴にフォーカスしていきたいと思います。
夏にかけてTシャツ、スニーカー、短パンとどんどんカジュアルな服が多くなりますが、そこにあえて革靴を合わせるのはなかなか楽しいと思っています。
(飯野さん)全てがリラックス系ではなく、どこかにきちんとしたものを入れたいですよね。
まずは飯野さんの春コーディネートに合わせた黒の革靴から、もう一度見てみましょうか。こちらは、なぜ春に選んだのですか?
「春は颯爽と、夏は遊んじゃえ!」飯野高広さんの春夏に履く革靴
左から Enzo Bonafé(エンツォ ボナフェ)の外羽根式Vフロントプレーントウ。真っ黒ではなく僅かに緑みを帯びた色合いや、3穴とやや少なめの鳩目が、春らしい軽快さを演出している。Polo Ralph Lauren(ポロ ラルフローレン)のグルカサンダル。今日では極めて希少な「アニリン染め」のアッパーは、抜群の透明感を誇る。アーガイル柄の靴下を合わせてよく履いている。(全て飯野さんの私物)
こちらはEnzo Bonafé(エンツォ ボナフェ)ですね。春は「颯爽としたい」という気持ちになるんですよね。(
前編で春のコーディネートとして持ってきた)スーツがオリーブグリーンなので何色の靴でも合うのですが、茶色だと少しもたついてしまう感覚があるので、だったら黒かなと。
軽さというよりは「加速度」を付けたい感覚です。どっしり重いというよりは駆け抜けたい、としたらシンプルなデザインの方がいいかなと思ってVフロントにしました。いつもならチェットウィンド(
チャーチの
ウィングチップ)を持ってきたと思いますが。私がイタリア靴を持ってくるのは珍しいですよね(笑)。
(倉野さん)飯野さんのイタリア靴は、初めて見ました。
飯野さんが持ってきたとは思えないような靴ですよね。
思い切りトラッドで来るかと思ったら、そうではないということですかね(笑)。でもこの靴、近年の一部の英国靴より表情がずっと保守本流だと思うのですが。ボナフェの靴は以前からそうなのですが、ラテンと言うよりアングロサクソン的な装いの方が好相性なモデルが結構多いですね。
色々な靴で良いと思うのですが、こういう楽しみ方、つまりブランド名だけに釣られて購入するのではなく、実際の商品そのものの構造や雰囲気をしっかり見極めて選択するのを通じて、装いを多層的に盛り上げていくのも、これからますます大切になるのかなと。
(
前編で)合わせたスーツと同じスタンス、つまり仕様こそ英米系トラッド、いや私の中での「ダメリカントラッド」のお約束通りだけど、生地は色味と機能性を考えイタリアの
カチョッポリのポリ・綿混、と言うのと変わりません。
楽しみ方って本当に色々あって、答えは1つだけではないですし。それに何度も言いますがこのボナフェ、顔は本当にイギリスに向いていますから。
どれかだけが良いということはないですよね。
もう一足は夏のコーディネートに合わせられていたグルカサンダルですね。
グルカサンダルは、Polo Ralph Lauren(ポロ ラルフローレン)ですね。
「グルカ」という名前の由来を説明すると、イギリス軍の兵隊でネパール出身の人たちで構成されている連隊をグルカ兵といいます。ネパールは一時期イギリスの実質的な植民地だったので、そこから兵隊を派遣してもらっていました。いざ戦ってみると、普通のイギリス兵よりも勇敢だったことが評判になり、彼らがどのような服装をしていたかということが話題になりました。その時に履いていたサンダルが、このグルカサンダルではないかと言われています。そこからグルカサンダル、グルカショーツと呼ばれるようになったとされています。
グルカショーツの一番の特徴は、お腹を支えるような長さで、ベルトを使用しなくても履けるところですね。
靴の話に戻すと、このグルカサンダルは国産、つまりREGAL(リーガル)の80年代末期~90年代初めのライセンス生産品なのですが、当時の同社の入れ込みようが手に取るように解かる、幻の名品です。
まず革の透明感が今日のものと全く異なります。水ジミを起こし易い欠点も含めて(笑)、間違いなく今や絶滅危惧種の「アニリン染め」です。当時は国内のタンナーでもこんなクリアな革、そこまで苦も無く作れていたんです。
木型も当時の国産としては非常に「攻めて」いて、ガース(甲まわりとその寸法)の標記こそJISのEEですが、実際にはJISのDとEの中間くらいです。
そうなんです。だから細足の私でも難なく履ける、数少ないリーガルなんです。「310」という名前の木型で、当時企画された方が上層部から「どうして細くて誰も履けない木型で設計したんだ!」と大目玉を食らったみたいな話を伺った事があります。私に言わせせれば、「フィットを重視できる方に的を絞った」点で相当先見の明があったのですが。かかとも比較的小さいこの木型、日本人の足型が過去から大きく変化した今だからこそ評価してあげたいんです。復活させてあげたいなぁ(リーガルの方、読んでます?)。
当時はこの木型でリザードの
タッセルスリッポンなど、バブリーなものを結構出してましたよね。なんか覚えています。
「起毛素材とUチップを履きたくなる」倉野路凡さんの春夏に履く革靴
左から Ducal(デュカル)、Bruno Magli(ブルーノマリ)、A.P.C.(アー・ペー・セー)、The Asakusa Cobbler(浅草コブラー)。ブルーノマリのスリッポンは、美しいフォルムと黒スエードに惚れ込んで購入した1足。当たり前ですが、アメリカンローファーとは品がまったく違いますね(笑)。浅草コブラーのオリジナルは、以前オーナーの石郷岡 博さんに無理をいって、英国ブランド、旧チャーチのディプロマットに似せて作ってもらいました(笑)。アッパーがブラウンカラーなので秋冬にも活躍しています。(全て倉野さんの私物)
倉野さんは前編のトークで「夏はスエード靴」とおっしゃっていましたが、ベージュ、ブラウン、黒とバリエーションがありますね。
ベージュの2足は、Ducal(デュカル)とA.P.C.(アー・ペー・セー)です。デュカルの方は今は誰も履いていないロングノーズの
スクエアトウです。あえて今履いてみるのも面白いかなと(笑)。
2足ともナチュラルな色で、どこか一時期のBRUNELLO CUCINELLI(
ブルネロクチネリ=イタリアの高級ファッションブランド)のイメージと似ていませんか(笑)?ブルネロクチネリのヌードカラーの感覚が好きなんです。抜け感というか透明感というか。
アッパーだけでなく、コバの色をナチュラルにしたというのは当時はびっくりしましたね。彼らのスエードは白っぽいものが多いから、少しドキドキします。
デュカル、A.P.C.ともスニーカー感覚というかローファー感覚で履いています。
素足で履くのは好きではないので、ヌーディなスエードに合わせて明るい色のソックスを履いています。
結果的にそれでバランスを取ろうとしているのでしょうね。靴下まで似たような色味にしてしまうと、ともすれば膨張しただけのぼやけた印象に映り兼ねないので。
今までブルネロクチネリ的な見せ方のものはなかったですよね。高級感とルックスは面白いと思いました。
ブルネロクチネリはイタリアのブランドで、帽子ブランドのBorsalino(
ボルサリーノ)と共通する部分がありますよね。ボルサリーノも自社で作られていて、高級感がある。色はナチュラル、アースカラーを上手く出すんですよね。
英国ブランド、Margaret Howell(マーガレット・ハウエル)のニュアンスとも似ているかもしれません。そこの透明感に清潔感を感じますね。Calvin Klein(カルバンクライン)の一時期の色の感じにも通ずるところがあるかな。
香水三兄弟(エタニティ、オブセッション、エスケープ)がいた頃ですよね。
香水で言うとCK-one(シーケーワン)の軽さみたいな。この2足には透明なコバインクを塗っています。
コバがナチュラルに抜けるので、それだけで独特になりますよね。
このコバがこげ茶色になると、雰囲気はガラッと変わりますよね。
そうですね。トラッドになりすぎると春夏はつらい(=重すぎる)なと思って。
どっしりしますよね。それならTricker's(トリッカーズ)で良いとなってしまう。
ソールの薄さでしょうか。倉野さんがトリッカーズを履くイメージはないですね。
トリッカーズも好きですけど、無骨すぎるから春夏は重いかなと。それに体型が無骨だから、革靴もそうなるとバランスが悪いなと思っています(笑)。感覚で言うと、ギチギチに目の詰まった重いツイードジャケットは着られなくなってきてますね。そういった服や靴とのバランスは調整しています。
淡い系のスエードは最近履いてる人も少ないので、面白いかなと。ヌバックやスエードは結構集めていますね。
最近スエードかヌバックか見分けがつかないものが多いですよね。スエードのような顔をしたヌバックとか、ヌバックのような顔をしたスエードというものがあって……。
飯野さんの解説「スエードとヌバック」
- 少し解説を入れておくと、革には表と裏があります。スエードは、肉が付いている方(裏側の皮)でガサガサしてる方を表にして、起毛感を綺麗にするとスエードになります。それに比べてヌバックは表側をバッフィング(毛羽立たせる)するので、スエードより細かくなります。ただ、加工次第で分からなくなってきます。
黒とブラウンの2足は春用でしょうか。あまり春と夏は区別していませんか?
秋冬にはもっとぴったりな靴があるから、倉野さんの中ではこれらのスエードは履かないということですね。特にルールがあるわけではなく、自分と素材次第ですよね。
ひょっとしたら何シーズンか経って、倉野さんの気分が変化したら秋冬にも履くかもしれないですね。
以前発売されていたSCOTCH GRAIN(スコッチグレイン)の個数限定モデル。フランスのタンナーの革を使用したカジュアル感の強いUチップ。(倉野さんの私物)
スエードの他に、夏場はUチップが好きですね。こちらはSCOTCH GRAIN(スコッチグレイン)の個数限定モデルです。僕の中ではUチップが自分の生き方に似てるのではないかと思っています(笑)。
この色もあるのですが、位置づけ的に中途半端なところですかね(笑)。スーツで履いている人もいるけど、見た目はカジュアルですよね。その曖昧なところが良いなと思います。
中途半端というよりは、軽やかさかもしれませんね。革はどこのものですか?
スコッチグレインのインペリアルシリーズですね。個数限定モデルということもあり、アッパーはフランスのタンナーの革を使用しています。
これは普通のデリケートクリームで磨いているからですね。少し加工してあるのか、あまり色は入らないです。割とジャケパンなどに合わせています。
「春はコンビ、夏はスリッポン」成松 淳の春夏に履く革靴
左から Edward Green(エドワードグリーン)のセンターエラスティック。アンティーク仕上げの上質なブロンズカーフ×ツイル生地を使った「ウィグモア(ラスト202)」。同じくEdward Green(エドワードグリーン)の内羽根ウィングチップは、ダークブラウンカーフ×ホワイトスエードの「ファルカーク(ラスト202)」。WALK-OVER(ウォークオーバー)はダーティバックス×シュリンクレザーで、レンガソールのツートーンサドルシューズ。(全て成松の私物)
成松さんは、春夏は大きくシフトしていったようですね。
僕の中で春はコンビ(異素材)、夏はスリッポンに惹かれますね。春にかけて重い革の靴やブーツではないものを履きたくなる時にコンビを合わせます。
スニーカーも春はコンビ!NEW BALANCE(ニューバランス)のレーシングシューズ「RC205BY」 BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS(ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ) 別注
春から夏にかけて段々と気楽になっていくのかもしれないですね。冬場はチャッカブーツや
サイドゴアブーツなどの丈が長いものを履きたくなるというか、寒いからそれしか履けないというのがありますよね。その冬の呪縛が解けて、もう少し色々なものを履きたいという思いが出てきた時に、異素材使いなどがふっと目に留まるのかもしれませんね。
「ふっと目に留まる」というのは正しいと思います。春になると重厚感が嫌なのでしょうね。今回、
ウィスキーコードバンなどの薄い色も持ってこようかなと思いましたが、秋には履くけど春にはあまり履かないですね。
左から Church’s(チャーチ)のマスタークラス「Napliz(ラスト35)」。John Lobb Paris(ジョンロブ パリ)の「デラーノ(ラスト ダービー)」。Edward Green(エドワードグリーン)の「ロチェスター(ラスト2423)」。(全て成松の私物)
はい、夏はスリッポンを履きたくなります。デザインのバリエーションが豊富なところにも惹かれますね。
この中にはタッセルローファーがないですね。履かないのですか?
そうですね。タッセルローファーはなぜか持っていないのです。でも今の一言でこれからは目を向けてみないといけないなと思いました。
(飯野注)2732ポロタッセル:リーガルのもの。70年代後半から80年代にかけて製造されたモデルで、初期のポロ バイ ラルフローレン向けのライセンス生産品から主要なディテールを流用したためその名が付いた。フィッティングも含め全体的にかなり=大きめな=足入れの良い設計で、インパクト絶大なビッグタッセルとブックバインダー系のアッパー、 高めのヒールなどが特徴。
私はスリッポンの中でもモカシン縫いが施されていて、甲にサドルがかかっているものをローファーという言い方をしています。
この2足はローファーの“類い”ですね。モカシン縫いがないので、ローファーなのかスリッポンなのかという感じです。
左がEMORI(エモリ)のオーダー、他2足がPaul Bond(ポールボンド)のオーダー。アッパーの革は、真ん中がテジュ・リザード、右がクロコダイルを使用。(全て成松の私物)
こちらはサイドエラスティックですね。どちらのものですか?
8年くらい前にEMORI(エモリ)でオーダーしました。
この2足はちょっと悪ふざけして、昔のアメリカのウェスタンブーツをイメージして、素材はエキゾチックレザーを選択し、思い切りロングノーズに。ヒールはテーパードにしてもらいました。
昔からウェスタンとコロニアルになぜか憧れます。完全にそれで固めることはないのですが、テイストとしてちょっと取り込みたいなと。
合わせる時はアースカラーとコロニアルなテイストで合わせるスタイルがなぜか好きです。ウェスタンとコロニアルはなんとなく相性が良い気がします。そして春夏との相性も。
歴史的な事実がそうさせているのかもしれないですね。
僕はDanner(ダナー)や Paraboot(
パラブーツ)、Clarks(クラークス)などややカジュアルというかアウトドアテイストから革靴に興味を持ちはじめたので、なんとなくそこに惹かれます。
自分がどういうところで靴や服を知ったかというのは重要ですよね。
過去の定番は知っていて楽しいけど、それに縛られる必要はない
鼎談全体を通してキーワードは「素材」だったのではないでしょうか。
昔は素材の組み合わせや季節ごとに定番、正解のようなものがありましたが、今はもうなんでも大丈夫だなと思っています。
過去の定番は知って楽しいし損はないけれど、それに雁字搦めになりすぎる必要もないですよね。
3人が選んできたものは歴史も全然違いますよね。それでも共通しているのは、「素材が楽しい!」ということですよね。
あとはモダンなものもトラディショナルなものも楽しい!
実は普段、例えばエアマックスなどのスニーカーも履くのですが、今回のテーマには合わないと思って持ってきませんでした。ここまで話してきたカジュアル服×革靴とは逆に、ジャケットスタイルにエアマックスを合わることもあります。
前編の冒頭で飯野さんがおっしゃっていたように、在宅ワークが増えたことによりオンとオフの服が変わったのでしょうね。
「仕事」と「住」が接近した結果、「遊」がむしろオンになったような。
気軽に外出できないから、「遊ぶ」ということがきちんとしたイベントになりましたからね。
でも、今はスーツを着てどこに行ったらいいのかわからないですね。
あまり良いことではないかもしれないけれど、スーツはこれから「教養」になってしまうのかもしれないですね。和服とか万年筆とかと同じ領域に達したんだろうなと。
趣味の世界ですよね。休みの日に和服を着ている人を見ますもんね。
好きな人はとことんこだわる。どうせこだわるなら自分の思いを全部表現できる「オーダー」になっていくのでしょうね。若い世代を見ると顕著に表れています。オーダーは値段もそれなりにする高いゾーンですが、ひょっとしたら最先端なのかもしれませんよ。
確かにオーダーは、一時期「ダサくて時代遅れ」とみなされ、取り残された感があったのも事実です。でも、SNS等でこれだけ個人レベルで装いの情報発信が行えるようになると、オーダーの方が「流行」ではなく「個性」に単一指向的にフォーカスできるので着る側としては遥かに満足度が高く、しかも身体・心理双方に無理なくフィットした「自分のペースに見合った買い方・着方」ができますよね。そして何より、資源的にも無駄な消費をせずに済みます 。
常に「先頭」にいる事が求められ足元の集団的なトレンドばかりに急きたてられていた既製品のアパレルブランドが、コロナ禍と言う強烈な向かい風でダメ押し的に体力を削がれているにも関わらず見えないゴールに向かって未だにグルグル走り続けざるを得ない状態とは、明らかに対照的なのです。その意味では、厳密に申せばオーダーは「周回遅れでも余裕で最先端」なのかなと!
見方を変えると面白い時代になってきたのかもしれませんね!
皆さん、ありがとうございました。
3人のトークはなかなか尽きず、3時間以上ノンストップで語り合いました(取材後も紅茶を飲みながら話しが止まらなかった!)。前後編に入りきらなかったトークがまだまだあるので、番外編としてお届けします。お楽しみに!
ーおわりー
クラシッククロージングや革靴を一層楽しむために。編集部おすすめの書籍
紳士靴を嗜む はじめの一歩から極めるまで
革靴特集でも監修を担当した、服飾ジャーナリスト・飯野高広氏の著書。足や靴の構造、靴の形、サイズや購入のポイント、トラブル時のケアなどなど、革靴を嗜むために必要な項目を広範囲にカバー。初心者はこの書籍で革靴の基礎を知り、上級者はより永く愛用するための心得を知ることができる。飯野氏自身の靴研究の成果と革靴愛が凝縮された一冊。
紳士服を嗜む 身体と心に合う一着を選ぶ
服飾ジャーナリスト・飯野高広氏の著書、第二弾。飯野氏が6年もの歳月をかけて完成させたという本作は、スーツスタイルをはじめとしたフォーマルな装いについて、基本編から応用編に至るまで飯野氏の膨大な知識がギュギュギュっと凝縮された読み応えのある一冊。まずは自分の体(骨格)を知るところに始まり、スーツを更生するパーツ名称、素材、出来上がるまでの製法、スーツの歴史やお手入れの方法まで。文化的な内容から実用的な内容まで幅広く網羅しながらも、どのページも飯野氏による深い知識と見解が感じられる濃度の濃い仕上がり。紳士の装いを極めたいならば是非持っておきたい一冊だ。