六種の薫物とは?

平安時代には、粉末にした香料を調合し、蜂蜜や梅の果肉などを使って練り合わせた薫物(たきもの)と呼ばれる練香がお香の主流だった。基本となる調合方法をもとに、香料を微調整しながらオリジナルの薫物を創作することは、平安貴族にとって教養や財力、センスの良さを表現するものでもあった。このように創作されてきた薫物の中から優れたものは後世に引き継がれ、洗練されていき、その代表格が「六種の薫物(むくさのたきもの)」と呼ばれる。
六種の薫物は、「梅花(ばいか)」「荷葉(かよう)」「侍従(じじゅう)」「菊花(きっか)」「落葉(らくよう)」「黒方(くろぼう)」の六種類の香り。その調香処方は、平安朝の薫物記述の古文献『薫集類抄』に詳細記載され現代に伝わる。後伏見天皇、後小松天皇の各『宸翰書』も、『薫集類抄』に基づいている。
鎌倉時代末期に記されたとされる香道の起源・香趣を説いた伝書である『後伏見院宸翰薫物方(ごふしみいんしんかんたきものほう)』などでは、それらを春夏秋冬になぞらえている。

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感覚を磨き、知識を学ぶ。香りの本物を識る近道とは?

地球上にある匂い物質は約40万種類あると言われています。人、モノ、空間にはそれぞれ香りがあり、どこへ行っても誰とあっても常に私たちの周りに存在しています。いい香り、嫌な匂い、懐かしい香り、おいしそうな匂い……様々な香りに囲まれている生活に、「質のいい香りを選択する」ということを意識したらより素敵なライフスタイルを楽しめるかもしれません。

当連載では『匂いの風景論』の著者であり、世界トップクラスの香料会社「フィルメニッヒ」や日本を代表する化粧品メーカー「資生堂」で人と香りの関係を研究し、現在は香水・ルームフレグランスなどの香り製品の開発、コンサルティングを手掛ける香り風景デザイナーの小泉祐貴子さんが、「本物の香りを見極めるために」をテーマに香りにまつわるあれこれを解説していきます。

本物の香りを見極めるための感性の磨き方をはじめ、香りの分類や特徴、嗅覚のメカニズムなどの基礎、時代を動かしてきた権力者たちと香りの関係、近現代の名香、アートとなった香水瓶などの歴史、さらに自分らしい香りを取り入れるための選び方・着け方まで、全8回に分けてご紹介。番外編では、和の香りやフレグランスのトレンドについての対談も予定しているのでお楽しみに!

さて初回は、「本物の香り」とはいったいどんな香りなのか?本物を見極めるためにはどんなことを意識したらいいのか?などの基本を教えてもらいました。質の良い香りを識るための準備運動をはじめていきましょう。

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今回は、そんなウッディ系フレグランスをとりまく背景をはじめ、ウッディノートの解説、メンズフレグランスにおけるウッディの歴史から現在の使われ方などを実例をお見せしながらお話しいただきました。トーク後半では、渡辺さんがいま気になるオススメの最新ウッディアイテムもご紹介しています。

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