倉俣史朗とは?

倉俣 史朗(くらまた しろう・1934年11月29日ー1991年2月1日・東京出身)は、空間デザイン、家具デザインの分野で1960年代初めから1990年代にかけて世界的に活躍した日本のインテリアデザイナー。1956年に桑沢デザイン研究所を卒業後、「ドムス」誌においてイタリアデザインに出会い、この本に認めてもらうようなデザインをしようと決意する。1965年にクラマタデザイン事務所設立。1969年「ドムス」誌を訪問し、自ら持ち込んだ作品が掲載された。日本国固有の文化や美意識を感じる独自のデザインによって1990年にはフランス文化省芸術文化勲章(L'Ordre des Arts et des Lettres)を受章するなど国際的に評価を受けている。あまりの独創性ゆえに「クラマタ・ショック」という言葉まで生まれた。死後もその独創性と希有な存在から、様々なデザイナーに影響を与え続けている。

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ギャラリーはなくなる?Take Ninagawaが思索する、これからのギャラリストの仕事_image

ギャラリーはなくなる?Take Ninagawaが思索する、これからのギャラリストの仕事

名だたるアート・フェアで存在感を発揮する、Take Ninagawa。そのオーナーの蜷川敦子さんは、ギャラリー立ち上げの経緯を「社会的な問題意識や時代背景を共有できる作家と、アートのフレームの中で自分にできることをしたかった」と振り返る。

実際の蜷川さんは、同志ともいえる同世代の作家との横のラインだけでなく、歴史という「縦のライン」も意識し、ギャラリストとしての役割を模索する。

アートの歴史を読み解きながら、作品一つひとつの文脈をすくいとり、マーケットや社会の動きに反応しながら、作家一人ひとりのやり方に寄り添う。そんな蜷川さんに、現代アートコレクターの田口美和さんがお話を聞いた。

椅子の神様と呼ばれる家具モデラー、一脚入魂の仕事_image

椅子の神様と呼ばれる家具モデラー、一脚入魂の仕事

「椅子の神様」と呼ばれる職人が東京にいる。

照明デザイナー遠藤道明さん「太古から存在するオレンジ色の光が人を癒すんです」 連載:あかりと暮らす#01_image

照明デザイナー遠藤道明さん「太古から存在するオレンジ色の光が人を癒すんです」 連載:あかりと暮らす#01

時にはドラマチックに、時にはロマンチックに。椅子と同じくらい、もしくはそれ以上に照明は空間を変える可能性を秘めています。

照明をメインとしたデザインカンパニー「ディクラッセ」代表の遠藤道明さんは、光の色や光の陰影を大切にして照明などをデザインしています。例えば、木漏れ日のモチーフに影をデザインした照明「Foresti」、シェードに反射した光が天井に向かって広がる「onda」。

家電量販店に電球や照明を買いに行った際、目がチカチカした経験はありませんか?遠藤さんが作る照明はまったくそんなことはなく、むしろ光に包まれるような感覚を覚えます。それはたくさんの照明が吊り下がっているディクラッセのショールームでも変わりません。なにが違うのでしょう。

照明との付き合い方を考えるべく、連載「あかりと暮らす」では遠藤さんがインスピレーションを受けたという欧米のあかりを取り上げます。

第一回はイントロダクションとして、遠藤さんが照明をなりわいにしようと思った最初の一灯、日本の照明文化などについてお話を伺いました。癒しの光はワット数を下げれば作れる、というわけではなさそうです。

腕の見せ所は木取りと接着。銘木コースターLegnaが作られるまで_image

腕の見せ所は木取りと接着。銘木コースターLegnaが作られるまで

日本初の家具モデラーとして、隈 研吾氏、川上 元美氏、倉俣 史朗氏、ザハ・ハディド氏といった時代を代表するデザイナーと協業、先駆的な椅子を製作し「椅子の神様」と呼ばれている宮本茂紀氏。並行して迎賓館や白州次郎氏の椅子など歴史的価値のある椅子の修復も手がけ、2007年には黄綬褒章を受賞しました。

そんな宮本さんが監修し誕生したプロダクトが「銘木コースターLegna」です。

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座談会「これだけは言わせて、日本の現代アート事情」

2008年春。活気あるビジネス街丸の内で、次世代を担う7つの若手ギャラリーによる展覧会が開催された。ニュートーキョーコンテンポラリーズと名付けられたそのイベントは好評を博し、同名のアソシエイションとして発足。東京のアートシーンの活性化を目指して活動した。

当時次世代として位置づけられたギャラリーもキャリアを積み重ね、現在はArt BaselやNADA Miamiなどの世界の名だたるアートフェアに出展し存在感を発揮している。1990年代に日本で現代アートの土壌を作ったギャラリストを第一世代とし、彼ら彼女らを第二世代とするならば、さらにその下の第三世代ともいえるギャラリストも出てきている。

今回、ニュートーキョーコンテンポラリーズで活動していた無人島プロダクションの藤城里香さん、青山|目黒の青山秀樹さん、MISAKO & ROSENのローゼン美沙子さん、ローゼン・ジェフリーさんによる座談会を企画。本連載「What is 現代アート!?」モデレーターの深野一朗とともに、日本の現代アート事情ついてざっくばらんにお話してもらった。

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尖ったセンスを持つアート・コレクター。作品との向き合い方は「第一印象」重視?

センスのあるなしを、語ることは難しい。数値化して比べることもできなければ、その有無を判定する基準もないからだ。しかし世間には「センスがあるね」と言われる人がたしかにいる。現代アート・コレクターの神田さんもその一人だ。

モデレーターの深野は、とあるギャラリーで神田さんを紹介された時、着ていた服のセンスの良さに驚いたという。国内のギャラリーや海外のアートフェアでも、しばしばその姿をみかけ、顔を合わすうちに、こんな興味を抑えられなくなった。

「誰もが知る有名ブランドに身を包めば、間違いはない。けれど神田さんは洋服を、人の基準や世間の評価では選ばない。神田さんはそのセンスで、どんなアートをコレクションしているのだろう」

実は"神田さん"とは、仮の名前だ。

神田さんは、極めて私的な行為として現代アートを蒐集し、ふだんは東京・神田で「普通に会社員をしている」という。今回は名前と顔写真の掲載を伏せることで、インタビューに応じてくれた。

取材の日も、セルリアンブルーのロングシャツに、ネイビーのパンツ。奇抜なところはないのに、ハッとさせられるセンスと品に溢れた装いで現れた。

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日本にもアートセンターを。石井孝之氏が語る、作家と鑑賞者をつなぐ「シームレス」な構想

現代アートを扱うギャラリーはまだ少なかった1994年。当時31歳の石井孝之氏が、「見よう見まね」で立ち上げたのがタカ・イシイギャラリーだった。写真界のレジェンドたちと、どのように繋がったのか。作家をどのように見出すのか。写真を中心に現代アートをコレクションしている小松隼也さんが話を聞く。

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変則、逸脱、説明不可能。次の時代をアーティストと創るギャラリーANOMALY

倉庫街だった東品川の天王洲エリアは再開発により、アートの発信地というイメージを定着させつつある。TERRADA Art Complexの4階に、2018年11月、現代アートのギャラリー「ANOMALY」が誕生した。共同代表は山本裕子、浦野むつみ、橋本かがりの3人だ。

興味深い点は、このギャラリーが山本現代、URANO、ハシモトアートオフィスの3ギャラリーの統合により生まれたこと。そしてグランドオープンの展覧会をおこなったのは、3つのギャラリーのいずれにも属していなかったChim↑Pomであったことだろう。

3つのギャラリーが集まって何をはじめるんだ?1992年の伝説の展覧会「ANOMALY」の再来か?

周囲の前のめりな関心をすりぬけ、「ANOMALY」はしなやかな形態で、新たなギャラリーの在り方を目指す。ANOMALYの山本裕子さんと浦野むつみさんに、夫婦で現代アートをコレクションする長谷川一英さんと惠美子さんが話を聞いた。