MUUSEO SQUARE
背もたれとひじ掛けがなく、座面と脚のみで構成されているスタイルが大きな特徴の一人がけの椅子。背もたれがないことからチェア(椅子)とは別物として考えられ、座面が丸い形をしているものが主流なことから「丸椅子」と称されることもある。折り畳みタイプのものや、脚が長くて座面が高いハイスツール、ハイスツールとは逆に座面が低いミニスツール、積み重ねて収納することができるスタッキングスツールのほか、台所で利用されているキッチンスツールなどが代表的。
無垢の木のオーダー家具ができるまで —アオゾラカグシキ會社—
家具についてインターネットで調べていると、「クラシックスタイル」といった言葉を多く目にする。どこの地域の「古典的な様式」の家具なのかそこからは読み取れず、ローカルから離れて均質化されきったことを感じさせるが、家具一つひとつには、これまで積み重なってきた歴史や作り手の考えが反映されていることは間違いない。そこを掘り下げると家具をもっと面白がれる軸ができる気がする。
木考Vol.2 チェリー材を知る
こんにちは、ミューゼオ・スクエア編集部の高橋です。引っ越ししたりと新しい生活をはじめた方に向けて、家具選びがちょっと楽しくなる「木材の特徴」を解説します。第二回はチェリー材について。チェリー材はオレンジがかった優しい茶色に穏やかな木目、そして滑らかな触り心地で、初回に紹介したウォルナット同様高い人気を誇る木材です。供給量が安定しているため、比較的手に入りやすいのもいいところです。この記事ではもう少し掘り下げて、チェリーが持つ風合いや、どのような形で生活に関わってきたのかを紹介します。
日本文化は杉とともに。針葉樹を家具に活かす
ウォルナット、マホガニー、チークと聞けば、家具を思い浮かべる人は多いはず。しかし杉と聞いた時はどうだろう。まず連想するのは、残念ながら花粉ではないだろうか。針葉樹は家具には向かない。花粉を飛散させる。どうもネガティブなイメージがつきまとう。太平洋戦争後の復興期に植えられた杉の木が、いま伐り頃を迎えている。当時、最優先課題だった住宅供給の需要に応えるべく国策として大量に植えた杉の木が、現在は上手く活用されず日本の森林管理を悩ませている。グループモノ・モノ編集の書籍『杉でつくる家具』では、肘掛け椅子、ベビーチェア、サイドテーブルなど、いずれも素朴な木肌と洗練されたデザインが融合する魅力的な家具が紹介されている。ページをめくるうちにひとつの疑問が湧いてきた。「本当に杉は家具に向かないのだろうか」東京都国立市の公団住宅の一角にある、シェア工房「クミタテ」を訪ね、同著のテキスト監修をつとめた家具デザイナーの笠原嘉人さんにお話を聞いた。
ほぞ
コンソール
化粧合板
カンナ
スツール
KAK
箔×照明。日本人のDNAが宿る灯り「月繭」の誕生まで
金とプラチナの箔は隆起し、静謐な影を落とします。簡潔で控えめな美しさは、すべての色が薄墨色にしずんでしまう秋の夕暮れ、水を用いず岩や砂などで山水を表現した枯山水に通じています。箔と照明、それぞれの陰影を自在に操るふたりの匠から生まれた灯り「月繭」。自然をモチーフに光が生み出す癒しの影をデザインする手法を得意とする照明デザイナー・遠藤道明さんと、伝統技術を昇華し箔のアートというジャンルを切り拓いた箔工芸作家・裕人礫翔さんが手がけた照明、「月繭」の完成までを記録します。
家具修理の専門家から学ぶ「リペア論2.0」。原状回復の先にある醍醐味
祖父母のところへ遊びに行くと、たいていどこの家にも一つは古いタンスがあって、「これは代々我が家に伝える桐タンスで〜」なんてウンチクが飛び出すこともしばしば……。 そんな時代をはるか昔に感じるほど世の中が進歩し、今では修理を重ねて愛用してきた和家具よりも、DIY気分で組み立てる北欧ブランドの家具の方が身近になった。 「家具は、洋服や革靴と同じように生活を豊かにする道具」。 そう考えれば、安価にオシャレな家具を手にいれて壊れたら売るというライフスタイルも自然なのかもしれない。 ところが、家具の楽しみ方にはまだまだその先があるらしい。品質の良いものを手にいれて修理を重ねて長く愛用するというのも一つの楽しみ方ではあるが、どうやらさらにその先の醍醐味があるようだ。 「家具は、もっと楽しむことができる」。 その想いを世に伝えるべく、自身の知識と経験をフル活用した家具のリペアサービスをスタートした西原弘貴さんは、家具の修理・修繕やワークショップを通じて、持ち主と家具の新たな関係性を提案し続けている。 そんな西原さんだからこそ、家具の楽しみ方を二倍にも三倍にも膨らませる術を持っている。言うなれば、「リペア論2.0」。今回は、私たちが想像する家具リペアの一歩先を行く楽しみ方を教えてもらった。
工房「ZORRO」 あなたと作る世界に一つだけのジュエリー
一生涯付き合っていける、自分だけのジュエリーが欲しい。親から子へ、子から孫へと世代を超えて、気持ちも一緒に受け継いでいけるジュエリーを作りたい。祖母からジュエリーをもらったけど、自分の好きなデザインに作り替えたい。どんな要望にも耳を傾けてくれる工房が、ZORROです。
日本の手製靴の技術を継承する「小笠原シューズ」。時代に媚びない靴作りを貫く
東京の著名な靴店に置かれる紳士靴のビスポークなど最高級品を手がけてきた「小笠原シューズ」。1955年の創業から継承してきた技術から生み出される美しい造形。そして、時代に媚びないディテールからは靴作りへの覚悟と潔さが感じられる。2012年に代表取締役に就任した根岸さんが大切にする靴作りのこだわり、見据える先について服飾ジャーナリストの飯野高広さんが伺った。