宮本和子とは?

宮本和子(みやもと かずこ・1942年生まれ)は、東京出身のアーティスト。
ニューヨークへと拠点を移した後、1968年にスタジオを構え、同ビルに居住していたソル・ルウィット(Sol LeWitt)やエイドリアン・パイパー(Adrian Piper)らと交流を深める。のちに、ルウィットのアシスタントとして多くの作品のプロダクションに携わった。
20名の女性作家によって設立されたニューヨークの非営利スペース「A.I.R. Gallery」の活動にも早くから参加し、ナンシー・スペロー(Nancy Spero)やアナ・メンディエータ(Ana Mendieta)などといったアーティストと交流を深めてきた。ミニマリズムを日本人の視点から考察する作品は高く評価されている。
主な所蔵先は、京都国立近代美術館、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、メトロポリタン美術館(MET)など。

RECOMMEND

尖ったセンスを持つアート・コレクター。作品との向き合い方は「第一印象」重視?_image

尖ったセンスを持つアート・コレクター。作品との向き合い方は「第一印象」重視?

センスのあるなしを、語ることは難しい。数値化して比べることもできなければ、その有無を判定する基準もないからだ。しかし世間には「センスがあるね」と言われる人がたしかにいる。現代アート・コレクターの神田さんもその一人だ。

モデレーターの深野は、とあるギャラリーで神田さんを紹介された時、着ていた服のセンスの良さに驚いたという。国内のギャラリーや海外のアートフェアでも、しばしばその姿をみかけ、顔を合わすうちに、こんな興味を抑えられなくなった。

「誰もが知る有名ブランドに身を包めば、間違いはない。けれど神田さんは洋服を、人の基準や世間の評価では選ばない。神田さんはそのセンスで、どんなアートをコレクションしているのだろう」

実は"神田さん"とは、仮の名前だ。

神田さんは、極めて私的な行為として現代アートを蒐集し、ふだんは東京・神田で「普通に会社員をしている」という。今回は名前と顔写真の掲載を伏せることで、インタビューに応じてくれた。

取材の日も、セルリアンブルーのロングシャツに、ネイビーのパンツ。奇抜なところはないのに、ハッとさせられるセンスと品に溢れた装いで現れた。

「You are what you "collect".」現代アート・コレクター深野一朗のコレクション観_image

「You are what you "collect".」現代アート・コレクター深野一朗のコレクション観

現代アートは、時に読み解くことがむずかしい。現在進行形なだけに、美術史におけるはっきりとした評価が定まっていないことも多い。そんなアート作品を購入するコレクターさんは、何をみて、何を決め手にしているのだろう。

そこで現代アート・コレクターの深野一朗さんに、こんな質問をした。

‟身近な方がアート作品の購入を迷っていたら、どんなアドバイスをしますか?”

深野さんは「何もいえません」と笑った。

現代アートとの出会いから、作品購入時のチェックポイントまで、深野さんはなんでも具体的に答えてくれていたので、この反応は少し意外だった。しかし「何もいえない」の先にあったのは、あらゆるジャンルの純粋なコレクターほど、深く共感できるであろう、深野さんのコレクション観だった。

あなたなら、どんなアドバイスをしますか?あなたは、何を集めますか?

現代アートコレクション400点、すべてが宝物。宮津大輔さんのコレクターとしての矜持_image

現代アートコレクション400点、すべてが宝物。宮津大輔さんのコレクターとしての矜持

世の中には、さまざまなモノのコレクターがいる。しかし美術品、特に現代アートをコレクションするとなると、どことなく敷居の高さを感じてしまう人も多いようだ。それはひとえに「現代アートってよくわからない」からではないだろうか。

そもそも現代アートとは何だろうか。絵画や彫刻ならただの「アート」でよいのに、そこに敢えて「現代」と付くのは何故か。

そこで当連載企画では『What Is 現代アート!?』と題して、現代アートを取り巻くプレイヤーたちにお話を伺い、現代アートとは何か、それをコレクションするというのはどういうことか、について解き明かしていきたい。(モデレーター 深野一朗)

Brand in-depth 第3回 MISAKO & ROSENが理想とする「利益=成功に囚われないギャラリー」_image

Brand in-depth 第3回 MISAKO & ROSENが理想とする「利益=成功に囚われないギャラリー」

近年、誰それの作品がいくらで落札されたというニュースを耳にする機会が増えた。「予想落札価格を大幅に更新」、「史上最高の売上を達成」といった派手な見出しが躍り、今年5月にもアンディ・ウォーホルの代表作『ショット・セージブルー・マリリン』が約253億円で落札され、20世紀に制作されたアート作品では史上最高額となる落札価格だと話題を集めた。

アート市場が活況を呈しているのは事実だ。2021年の世界美術品市場の規模は約7兆9800億円とも言われ、新型コロナウイルス感染が拡大する以前の規模を上回っている。

そんななか、理想とするのは「利益=成功」という概念に囚われないギャラリーだ、と言うギャラリストがいる。夫婦で現代美術のギャラリー「MISAKO & ROSEN」を営むローゼン美沙子さんとジェフリー・ローゼンさんである。これまで「NADA Miami」や「Frieze Art Fair」、「Art Basel香港」などの海外アートフェアへ積極的に参加しながら国内外のアーティストを発信してきた。アーティストとマーケットの間に立つ彼らはどんな思いで活動しているのか? リチャード・オードリッチの作品に囲まれた空間で、ミューゼオ・スクエア編集長の成松が話を聞いた。