ピール&コーとは?

ピール&コー(Peal & Co.)は、1791年にイギリス・ロンドンに創業したビスポークブーツメーカー。
既製靴だけでなくオーダーメイドにおいても、ウェリントン卿(Arthur Wellesley, 1st Duke of Wellington)やマウントバッテン卿(Louis Mountbatten, 1st Earl Mountbatten of Burma)、ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)、俳優フレッド・アステア(Fred Astaire)といった多くの著名人から注文を受けるなど、その品質は大きな信頼を得ていた。また、皇太子時代の昭和天皇も外遊された際に靴を作られており、これらの記録はロンドン市公文書館(London Metropolitan Archive)に所蔵されている。
1965年、商品の質を維持するだけの高度な技術を持った職人が見つからないという理由により廃業を決めた。

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20世紀に作られたヴィンテージシューズに隠された、職人のこだわりと時代の繋がり_image

20世紀に作られたヴィンテージシューズに隠された、職人のこだわりと時代の繋がり

世の中には、「ヴィンテージ」という形容詞を付与されたモノがたくさんある。家具、ワイン、楽器、ジュエリーなどは聞いたことがあると思うが、革靴はどうだろうか?

19世紀後半から20世紀後半に作れられ革靴を「ヴィンテージシューズ」と呼ぶことが多く、英国を中心にコレクションを楽しんでいる人がいる。

今回紹介するコレクション・ダイバーは、ヴィンテージシューズを集めている25歳の渡邉耕希さん。現在、25足以上のヴィンテージシューズを所有しており、その数は今も増え続けている。
しかし、なぜ20代の青年が、50年以上も昔の革靴を集めているのか?

その謎を知りたくて、渡邉さんを尋ねてみた。

古びた靴に新たな未来を。ロンドンの靴職人たちが魅せる美しき技_image

古びた靴に新たな未来を。ロンドンの靴職人たちが魅せる美しき技

イギリスのヴィンテージ事情をレポートしていただく本連載。今回はロンドンに根を張る日本人靴職人に、ヴィンテージシューズの修理を依頼した様子を紹介していただきます。週末ともなればアンティークマーケットが日常的に開かれているロンドン。しかし、意外なことにヴィンテージの洋服を安心して預けられる職人は少ないようです。

名高きブーツメーカーPeal & Co。その知られざる歴史を紐解く_image

名高きブーツメーカーPeal & Co。その知られざる歴史を紐解く

英国のヴィンテージを掘り下げていく本連載。今回は1791年に創業して以降、174年に渡って世界各国の著名人に靴を作ってきたブーツメーカー「Peal & Co.(ピール&コー)」の歴史を掘り下げます。

当時どのような体制で靴を製造していたのか。なぜBrooks Brothers(ブルックスブラザーズ)との既成靴が生まれたのか。創業者サミュエル・ピール氏直系の子孫にあたる方へお話を伺いました。

共通項は実用性。Instagramで話題のヴィンテージコレクター「Lee Morrison」インタビュー_image

共通項は実用性。Instagramで話題のヴィンテージコレクター「Lee Morrison」インタビュー

英国には数多くのヴィンテージコレクターがいます。その中でも一際異彩を放つのがLee Morrison(リー・モリソン)さんです。

リーさんはノッティンガムで理髪店を営む傍ら、ヴィンテージのスーツやジャケット、靴の収集を行なっています。彼の理髪店はヴィンテージシューズが飾られてあり、レコードから流れる音楽を聴きながらゆったりとヘアカットが楽しめるようになっています。

100足以上のヴィンテージシューズを所有する彼は、自分で靴の修理もしてしまう稀有な存在。そんなリーさんに、「なぜヴィンテージシューズを収集するのか」お話を伺いました。

「伝説」と称されるシューメーカー、Nikolaus Tuczek(ニコラス・トゥーシェク)。_image

「伝説」と称されるシューメーカー、Nikolaus Tuczek(ニコラス・トゥーシェク)。

John Lobb(ジョンロブ)、George Cleverley(ジョージクレバリー)、Henry Maxwell(ヘンリーマックスウェル)、Peal & Co.(ピール&コー)など、名だたるビスポークシューメーカーを輩出してきた英国。

上記のメーカー製のヴィンテージシューズはコレクターの興味の中心に常にあるものですが、Nikolaus Tuczek(ニコラス・トゥーシェク)製の靴は、その美しさ、作りの細かさ、希少さのため別格の扱いを受け、一生に一足は手に入れたいといわれるほど、コレクターの憧れの的になっています。

今回は伝説のシューメーカー、ニコラス・トゥーシェクの靴の魅力をご紹介します。

EDWARD GREEN(エドワードグリーン)、変わらないロジカルなものづくり_image

EDWARD GREEN(エドワードグリーン)、変わらないロジカルなものづくり

わが国でも三陽山長やRENDOなど、木型にしっかり美意識を込めた既製の紳士靴が近年多くなっています。が、その原点として位置付けられるメーカーはイギリスのEDWARD GREEN(エドワードグリーン)ではないでしょうか。

今回は服飾研究家の飯野高広さんと、そのオーセンティックな美しさに迫っていきます。話題は木型の変遷からペットネームの名付け方まで拡がりました。聞き手はミューゼオ・スクエア編集長の成松です。

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コート解体新書:第一回「ステンカラーコート」当たり前にも色々ある

元来私は寒がりなこともあって、夏よりも冬の方が正直苦手。でも、装いに関しては冬場の方が断然意欲が出てくる。

暑い時季には考えたくもない重ね着が愉しめるからで、中でも一番上に羽織ることになるコートについては、「今日は何を着ようか?」と一人でワクワクすることも多い(笑)。

ただし、地球温暖化による暖冬傾向や保温性の高い下着の進化もあってか、世間では以前に比べてコートへの関心が薄らいでいるような気がしてならない。

と同時に「???」と首をかしげたくなるような、トレンドのみを追っているような浅くて説得力に欠ける解説や情報も多く目にするようになっている。

今日一般的に身に着けている衣服の中では、コートほどその起源が形状や用いる生地にハッキリと残っているものはない。

なのにそれを無視してどうする…… と言いたくもなるのだが、現行の既製品のそれを見るにつけ、これは着る側ではなく作る側、つまりコートのブランドのデザイナーや企画者の知識がかつてほどはなくなっている点のほうにこそ問題の根幹があるのかな? とも感じる。

欧米諸国に比べコートが活躍できる季節が短いわが国では、特にメンズのものは1シーズンで処分されるものではなく、短くても10年長ければ次世代に引き継げるだけの使用に耐えうる堅牢さと普遍性の高さが求められるべきだ。

作る側がもはやその文法を理解できなくなっているとしたら、使う側が理論武装するしかそのようなコートを得られるチャンスは皆無になってしまうだろう。という事で、今回から数回に渡り代表的なコートについて
・起源
・大まかな形状とシルエット
・特徴的なディテール
・生地

などに焦点をあて解説することにしたい。まずは手始めに、日本では気候がら最もポピュラーなコットン系のコートについてお話ししよう!

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いまなぜ世界中で「アートや食」が人気なのか。その転換点を考える

クリエイティブ・コンサルティングファームLOWERCASE代表、梶原由景氏による連載「top drawer」。第一回は作家ダミアン・ハーストが開いたレストランの備品を例に、アートと食とファッションの融合について考察します。

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近代デザインのキーワード:アーツ・アンド・クラフツ運動

ココ・シャネルが1926年に発表したリトルブラックドレスが女性の立ち姿を変えたように、デザインが社会に影響を与えることもあればその逆もしかり。1940年代〜1960年代のアメリカでは、軍事技術として発展した積層合板やプラスチック、金属などを用いた家具が生みだされました。

デザインに関するキーワードを政治や素材開発の進歩といった出来事と並べてみると、なぜそのデザインが生まれたのかを知る手がかりとなります。

この連載ではアーツ・アンド・クラフツ運動からポストモダンまでの近代デザインにまつわるキーワードを、当時の社会の状況と合わせてまとめます。

第一回は「アーツ・アンド・クラフツ運動」を紹介します。

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物資不足から生まれたスカジャン刺繍

アメリカのデニムジャケットに施されたチェーンステッチ刺繍はハンドルミシンらしい力強さに満ち溢れていました。では日本の刺繍と言えば?やはりスカジャン(スーベニアジャケット)は外せないでしょう。スポーティな服と繊細な刺繍。ともすると喧嘩しそうな組み合わせはどのように生まれたのでしょうか。