クラシッククロージングを好きになったきっかけとは?
(飯野さん)おふたりの装いからクラシッククロージング好きだというのは一目瞭然だけど、そもそもこの世界観が好きになったきっかけって何だったのかな?
北郷さんが初めて購入した40年代のヴィンテージスーツ
(北郷さん)ヴィンテージスーツにのめり込んだのは、社会人になってからです。仕事を始めた頃に大人に相応しいファッションって何だろうと考えていて、日頃かっこいいと思う人を色々見ていたら、みんなスーツをバシッと着こなしていることに気がついたんです。大人の男のファッションのかっこいい究極はスーツかもしれない。少なくとも僕の中ではスーツだという結論が出ました。ただ、色んなスーツを模索していく中で、最近のスーツや既製品はあまりしっくりくるものが見つからなかったんですよね。そんな時に友人の(代々木上原の富士東洋理髪店・店主)阿部高大くんの家に遊びに行って、ラックにかかっているヴィンテージスーツを見せてもらった時に「コレだ!」と思いました。このかっこよさはすごいなと、コレしかないぞと思って、自分でも一着買ってみたんです。そしたら、それがまさに思い描いていた理想のスーツで。
僕は元々、体型が華奢で肩幅もなく寸胴で、メリハリのない体にコンプレックスがありました。それが最初に買ったアメリカ製の40年代のスーツを着たら、そのコンプレックスを見事にカバーしてくれたんですよ。その頃のスーツって、肩幅もくびれもしっかりあって逆三角形のシルエットなので、着るだけで思い描いていた理想のかっこいい体型を作ってくれるんです。それがたまらなく嬉しくて、そこから同年代のスーツを探し始めたというのがきっかけですね。
初めにそういう理想像があって、それときれいに焦点が合ったのが現代の服ではなくヴィンテージスーツだったということだね。
ここまで理想としてたものを体現してくれるものが、まさかあったとは! という感じで。それも70年、80年前のものだったという衝撃がありました。
(渡邉さん)僕はテーラーの紳士服となると、割と高校の時からずっと憧れていました。実際に着るようになったのは20歳過ぎてからで、古着になるとロンドン留学時代からですね。音楽留学だったんですけど、初めて演奏服を古着で探しました。日本にいる時も燕尾服を持っていて、大阪にある学生向けの演奏着を専門に扱っているお店で買ったものをずっと着ていたんですけど、なんだかかっこ悪くて……。マジシャンじゃないんだから、みたいなコメディチックなものを感じるシルエットだったんです。嘗て
フレッド・アステアが映画の中で着て歌って踊っていたような、本来の燕尾服の美しさを僕も体験してみたいと思ってロンドンの古着屋さんを巡っていました。そこで見つけたのがへンリー・プールで仕立てられた1933〜4年のスーツです。ポケットの内側を見たらラベルが付いていて、僕はラベルが付いていたらお名前をGoogleで調べてみるようにしているんですけど。
調べますよね。普段あまりヒットしないんですけど、その時はヒットして、ロンドン郊外のお屋敷を持っている結構裕福な方でした。
実際スーツをお屋敷に持っていったことがあるんですけど、その時は別の方が管理されていて博物館のようになっていました。そういうストーリー的なところにも魅力を感じましたし、何と言ってもフィット感が抜群でしたね。
日本でイメージする燕尾服はフォーマルで式典などで着るようなものですけど、当時のヨーロッパでいうと、例えばそれでダンスに興じるなど、びっくりするくらい運動性もいい。そこから徐々にカジュアルなもの、普段着るような服も古着で集めていくようになりました。だから、すごくフォーマルなところから降りてきたという感じですね。
燕尾服、そうだよね。今はいわゆる宮中晩餐会などでしか見なくなったものだけど、ちょっと前まではタキシードのちょっと上くらいだったわけだし。特に演奏家の人は、それを着て演奏しているんだもんね。
今の感覚で言うと、例えば冠婚葬祭用に一着黒のスーツを持っていようというのと同じですよね。言っちゃえばフォーマルな燕尾服なりモーニングなりを持っていなければ、誰かの式典や畏まったパーティーには行けなかった時代ですよね。
職種によっては、それこそモーニングが仕事着っていう時代もありましたからね。もっと前だと20年代くらいまで
フロックコートでしたし。ちょうどタイタニック沈没事故があって、その時代がフロックコートとモーニングの境目ですよね。事故後の諮問会議で年配の方たちはフロックコートを着ていて、若い人たちはモーニングを着ているみたいな。
服っていうものがその人の立場や境遇を表していたり、服の意味するものがすごく強かった時代ですよね。
立場で服が変わってしまう、だから余計にどういう服をどう着るかで、その人がどんな人かっていうのがわかる。かつてはある種、服の中で様式美みたいなものがすごくあって、そこにやっぱり憧れるところがあるんでしょうね。
今はIT系やトップの企業はどんどんスーツを廃止していますよね。そういう時代で、あえてかっちりしていきたいというか、なんだったらもっとタキシードなり燕尾服なりを着るような集まりが欲しいなって思いますね。
この頃ようやく時勢がマスクが取れる取れないの話になってきたけど、ちょうど今って色んなことが再起動し始めるタイミングになってきたんじゃないかな。再起動するにあたって今までの価値観通りにいけるものと、あえて逆転させて考えた方がいいものが出てくるのかもしれないと個人的に考えているんだよね。
それこそ服が汚れるような現場で働かれている方はカジュアルな仕事着で、逆に休日はスーツをバキバキに着るみたいな。好きな人だけがスーツを着るような領域になってきているんですかね。それだけを突き詰めていけるというか、純度を上げていける。
ここ1、2年、本当にそういう分野になってくるのかなという気配を感じる。それはそれで面白いんじゃないかなって。
服装に説得力を。着こなしのマイルールとは?
先ほど様式美の話が出たけど、おふたりは服を着るときに何かマイルールはある? 人に押し付けるのではなく、自分はこう着るとか、こういう着方はしないとか。
北郷さんのコーディネート
もちろんあります。見ての通りで、同年代のものでなるべくまとめるようにしています。というのも、物って作られる時に想定した使い方があると思うんです。服だったらその年代のものと合わせて着ることを前提で作られていると思うので、自然とまとまりがいい。今回着ているのは30年代のスーツですが、もしここに60年代のアイテムを1点でも足すと、とたんに違和感が出てしまう気がするんです。
あとは色味ですね。あまり要素を増やし過ぎないようにしています。この年代の服は特に一個一個の存在感というか、主張が強いじゃないですか。それをシュッとした印象に仕上げたいので、なるべく色味やアクセサリーは削るようにしています。ただ夏場は逆に色を入れてポップな印象にすることもあるんですけど。
色って実はすごく大事だと今お話を聞いて改めて思いました。今日、北郷さんが着ているのは上下黒だけど、黒って実はとても難しい色じゃない? すべてを吸収しちゃうような色だけど、鼎談の前に北郷さんと顔を合わせた時、暗い印象っていうのが全くなかったんだ。もちろんお人柄にもよると思うけど、やっぱり黒の中に明るいグレーのベストとか、ギラギラになり過ぎていないボルドーのタイとかが入っているから、沈んだ印象には見えないんだと思う。
嬉しいです。あまり自分だと気づかないというか、客観的に見ていただかないとわからない話ですね。
僕も色を意識するようにしています。それこそヴィンテージにハマり始めた頃は、本当に教科書通りに着ていて、時代性が合致しないと気持ち悪かったです。このスーツはこういう肩線だからシャツの襟はこんなで、ネクタイの幅は何cmでっていうところまで気を使っていました(笑)。でも最近はそれこそ色合いだったり、生地の質感だったり、あとはシルエットで相性を見ることが多いですね。
時代という様式美を一通り納めると、その次に例えば30年〜60年代の中で、違う時代だけど共通の何かがあるとか、逆に同じ時代なのに違いがあるとかが見えてくるようになるじゃない。そういう見識が出てくると、また深みにハマっていくんだよね。今日の渡邉さんの服装も本当に研究されているなと思うもんね。
渡邉さんのコーディネート
今日着てきたのは、コットンのジャケットにヘビーウェイトのリネンで作られたシャツ、ウールのトラウザーズです。
ヘビーウェイトのリネンシャツはどこで手に入れたの?
このリネンシャツは、 日比谷の
batak(バタク)というお店が一時期布を持っていたらしく、作ってもらいました。
色合い的には、いつもベースを3色くらいでまとめています。ヴィンテージ生地の一番の魅力は純粋な生地質もそうですけど、やっぱり色味じゃないですかね。現代では再現できず、どんなに探しても見つからないような色味であったり、色合わせであったり。考えてみても、こんな色は現代の服にはないよなっていう。
本当、各年代特有の色味が見えてくるとまた面白いんだよね。例えば30年代のスーツって、地の色(柄のベースの色)は暗いのに全く暗く見えない。逆に40年代って、地の色が明るめなのに結構沈んで見える。
どうしてかははっきりわからないけど、細かい糸の色のバランスなのかもしれない。30年代って、やっぱりそういう華美なものが求められていたのかな。だからひょっとしたら、北郷さんのスーツが黒でも沈んで見えないのはそういうことなのかも。
渡邉さんの服装も素材がコットン、リネン、ウールって全てバラバラだけど、色味がまとまっているから違和感がないんだよね。
普通は逆で、上がウールでまとめられていて下がコットン。しかも涼しげな印象になっているのがすごい!
これは多分トラウザーズによるところが大きいと思います。素材感とか生地の織りとか、仕上げの部分。これがもし
フランネルだったら……。
まるで違っていたよね。それにこのジャケットは軍モノですよね。だけど軍モノっぽく見えないんだな。こういう表現をするのは失礼かもしれないけど、一歩間違えるとこの類ってワイルドと言う以上に殺伐とした雰囲気が一気に前面に出てしまう。一方で、軍モノってカジュアルな雰囲気に振り過ぎちゃうことがあるじゃない。だけど渡邉さんの今日の服装は、ミリタリーのある種の血生臭さみたいなものが見えなくて上品にまとまっているよね。
「ミリタリーだけどミリタリーに見えないように」ということを意識しています。なるべく現代のカジュアル服みたいなニュアンスでコーディネートに落とし込んでいくような。
これはブッシュジャケットというイギリス陸軍が熱帯地域で活動するために開発されたものですけど、それをサファリジャケット感覚でクラヴァットを合わせてみました。これでネクタイを締めちゃうと本当に探索隊みたいな雰囲気になるし、下がコットンだと制服っぽくなってしまいますよね。
そもそものアイテム選びも、やっぱり軍モノは難しいですよね。
はい。任務外の時に着るように支給されているものとか、レディースでもなかなか興味深いものがあって、海軍の夫人用に作られているワンピースはすごく面白いんですよね。
おふたりに共通しているのは、服を通じてある種の知的探求にいっているんだよね。感覚でスタイリングしているわけでも、単純に誰々がかっこいいからというわけでもない。すごく知的に着られているなと思いました。
そもそも楽しいからというのもあります。色々見ていると繋がりがあって、知れば知るほど面白い。不思議と関係ないように思うところが、着こなしの中で活きてくることもありますよね。服装にも説得力が出てきますし。
一番新しいものが、一番素晴らしいとは限らない
おふたりの話を聞いていると、この服は昔のものだからいいっていう感覚とも違うし、一番新しいものが一番素晴らしいっていう価値観でもないよね。たまたまクラシッククロージングを見て探求していったら、自分と相性がいいのはこの時代のこの服だったんだみたいな。こういった感覚を持つ人たちはこれからも増えていきそうだよね。
まさしく仰る通りで、特に服に関しては今後そういう考えの人が増えてきそうな気がします。
ちょうど私の世代が典型的な平成バブル世代だから、「一番新しいものが一番良い」っていうのが当たり前だった最後の時代。ファッションの世界の人って未だにその呪縛に囚われてしまっている人もいるんだよね。だから大手はもちろん小さなところでも、多くのブランドでは「競合する他のブランドがどのようなものを出してくるか?」的な横並び感覚で商品を見るという非常に悪い癖があって、一番深く見比べなきゃいけないのは自分たちの過去の作品なんだよっていうのを忘れている節がある。それって違うんじゃない? と思うんだけど。
そう思ったきっかけは、実は初めてスーツをビスポークする時で、30歳の誕生日。たまたまお店にいたお客様と話が弾んで、その人がふと言った言葉がすごく心に刺さったんだよね。「服も突き詰めていくと、結局仕立てとヴィンテージなんだよね」と仰って。それを聞いた瞬間にパカッとひとつ大きな殻が外れて、視野が広がったと思ったね。あぁ、この考えで良かったんだと。
最先端から後ろ(古いもの)まで視野が広がったんですね。
物としては古いのかもしれないけど、自分の価値観から言ったら古いも新しいも関係ないよねっていう。
今は20代前半の若い方もビスポークをされることが増えているそうですよ。やっぱりそこには彼らなりの大量生産、大量消費の実態に対する忸怩たる思いがあるんじゃないのかなと思いますね。僕も20歳の時にスーツをオーダーしましたし。時計とかはいらないからって。
ビスポークスーツってそれなりにお金を使うけど、ステータスシンボルっていう事ではないんだろうなって思う。
いわゆる車離れとか、そういうのと一緒だと思います。それこそ車だったら、ステータス的な意味で欲しいというより、必要かどうか。服も色々探求した結果、ビスポークスーツである必要性を感じた若い方が、長く大切に着ていくつもりで仕立てているんでしょうね。僕の場合はヴィンテージが必要不可欠ですが、いつでも手に入るという訳ではないので、一つ一つを一生着ていこうというくらいの気持ちで買っています。大事にしながら一生持たせようという気概で。
古い服って、仕立ても生地もしっかりしているから体力(耐久性)があるんだよね。北郷さんの今日のスーツは、90年前のものとは思えない。デザインもタイムレスだ。
普遍的ですよね。流行の外にいるというか、違う枠組みというか。
すごく知性=インテリジェンスを感じるよね。どこにも属さないで超然としている。迎合するわけでもなく、反抗するわけでもなく。
確かに、Going My Wayって感じですね(笑)。
将来、どんな格好をしているおじいちゃんになりたい?
さて、そろそろ最後の質問ですが、おふたりは将来どんなおじいちゃんになりたい?
長いこと着ていても、まだまだ着こなせない、着られちゃっていると感じるスーツやコートがたくさんあるんですよね。まずそれが似合うような年のとり方をしたいと思っています。どうしても体型とか髪の色とか、背中が丸くなった方がかっこよく着られるんじゃないかなと思うことがあります。よく言われるものだと、ライトグレーのスーツは白髪が増えてきた方がかっこいい。
髪が黒いと若いなってなりますよね。年齢的にまだ着こなせないというのはありますが、先の楽しみとしてあるから着続けていこうみたいな指標というか目標にもなっています。
確かにわかります。ライトグレーは、例えばウェストコートだけこの色のものに替えて着るみたいなのは、全然抵抗がないんだよね。スーツの場合でもそれに近似のニュアンスを持つ色柄、例えば白黒のグレンチェックとか、そういうのは大丈夫なの。ところが、無地のライトグレーでってなると意外とハードルが高い。ちなみに生地の中でまだ手を出していないものってある?
リネンに対してはすごく憧れがあります。淡いベージュとか、いわゆるヘビーなリネンで想像するような色味のものはまだ難しいなと思っています。だからブルーグレーとか、ブルー系の色味から入っていこうかなと思っていて。僕が今持っているスーツは、大体チャコールやネイビーです。どんなに明るくてもミディアムグレー。それより明るいとなると、もうちょっと待ちたいなと思っています。
あとスタイルでいくとダブルのスーツはまだ早いと感じますね。持ってはいて、よく着はするんですけど、多分あと10年、20年経ってからの方がしっくりくるんじゃないかなと思っています。だから新しく買う時はシングルにしています。チャールズ皇太子も今でこそダブルのイメージが強いですけど、若い時の写真を見るとシングルで、ある一定の時期からダブルになるんですよね。
ずっと共通しているのはノットが細いところ(笑)。北郷さんはどうですか?
冒頭でお話しした、大人に相応しいスタイルを模索した時に、これで一生いこうっていう気持ちになれたので、おそらくこのままヴィンテージスタイル、もしくはクラシックスタイルのスーツの装いを続けていきたいなと思っています。ただ、渡邉さんが仰ったように年齢を重ねることで出る味わいがあると思うので、各年代、各年齢の時にうまいこと自分のスタイルに取り入れて、年相応の装いというか雰囲気っていうのを大事にしていけたらいいなと思いますね。
どうやって年齢を重ねていくかですよね、マイナスにならないように。お腹も出てくるだろうし、髪の毛だって白くなる。あるいは髪の毛がなくなるっていうこともあるわけで。そういった中で、常に素の自分でいられるかがすごく大事だと思う。
20歳の時は、30歳の時は、40歳の時はこんな自分だった。着ているものは違うんだけど、醸し出てくる雰囲気は割と似ていて、そういう人って気がつくと年をとって見えないんだよな。
なりたいです。スーツを着ていって、着こなしの純度というか、練度みたいなところを上げていきたいなっていう気持ちもあります。あとは今、いわゆるドレッシーな装いが多いので、もう少しスポーティでカジュアルな路線も開拓していけたら楽しそうだなって思いますね。
僕は『オーシャンズ11』がすごく好きでよく観るんですけど、ジョージ・クルーニーのタキシードの着こなしがめちゃめちゃかっこいいんですよね。あのジョージ・クルーニーになりたいです(笑)。ジョージ・クルーニーはまだおじいちゃんっていう年齢ではないけど、理想の年のとり方。ああいう年相応でありながらもセクシーで色気が出ているような人。年をとってもかっこよくありたいなと思います。
僕は笠智衆さんみたいなおじいちゃんになりたいです。有名な役だったのは『男はつらいよ』の御前様、小津監督の『父ありき』などです。確か『東京物語』の時は40代だったんですけど、年齢を感じさせずにしっかりおじいちゃんになっているっていう。スーツを着ている時もあれば、着物を着ている時もあって、でもやっぱりずっと笠智衆さんなんですよね。一本筋が通っていて。そんな人になりたいですね。
どちらもかっこいい人ですよね。おふたりとも今日はありがとうございました。
クラシッククロージングを一層楽しむために。編集部おすすめの書籍
紳士服を嗜む 身体と心に合う一着を選ぶ
服飾ジャーナリスト・飯野高広氏の著書、第二弾。飯野氏が6年もの歳月をかけて完成させたという本作は、スーツスタイルをはじめとしたフォーマルな装いについて、基本編から応用編に至るまで飯野氏の膨大な知識がギュギュギュっと凝縮された読み応えのある一冊。まずは自分の体(骨格)を知るところに始まり、スーツを更生するパーツ名称、素材、出来上がるまでの製法、スーツの歴史やお手入れの方法まで。文化的な内容から実用的な内容まで幅広く網羅しながらも、どのページも飯野氏による深い知識と見解が感じられる濃度の濃い仕上がり。紳士の装いを極めたいならば是非持っておきたい一冊だ。