本日はビートルズ・レコード対談、よろしくお願いします。
まず最初に、お二人のご紹介を軽くさせてください。ディスクユニオン新宿店ロックレコードストア・店長の藤村さま。本日はよろしくお願いします。
もう一人は、ミューゼオでビートルズ・レコードをたくさん登録してくださっているショーン黒田さん。ビートルズ・レコード、今では何枚ほどお持ちですか?
どうですかね。LPで250枚ぐらいですね。あとは、シングルが200枚ぐらいですね。
なるほど。今日はこのお二人で、ビートルズ・レコードを集める楽しさ、魅力。お二人の目から、いろいろな角度で見ていただいて、ビートルズ・レコードの魅力を再発見したいと思ってます。本日はよろしくお願いします。
ビートルズに初めて出会った、思い出の1枚。
まず最初に、藤村さん。ビートルズとの最初の出会いは、いつ頃になりますか?
そうですね。私はちょうど中学生の時に、ビートルズの「アンソロジー」というシリーズが出たときが、一番意識的に聴くようになったきっかけではありますね。
いや、当時はCDですね。もう、私の時代はだいたいCDですね。
なるほど。ショーン黒田さん、最初のビートルズとの出会いは?
そうですね。やはり中学生ぐらいです。私のときは小学校から中学校に上がる時に、ちょうどビートルズが解散という時期だったんですよ。
小学校の時は、あまりビートルズを意識せずに、ラジオでちょうど「レット・イット・ビー」とか、「ゲット・バック」といった、最後期ぐらいの曲をよく聴いてたんですね。それで耳には残っていたのですが、それがビートルズと知ったのが中学生ぐらいで。
はい。ちょうど解散したぐらいのタイミングですね。それから興味を持ちだして、聴きだした。やっぱり私の場合はレコードです。
ビートルズ・レコードを集める楽しさ。それは、違いを知る楽しさでもある。
ビートルズの魅力だけでも、たぶん1時間、2時間以上の話ができると思うのですが、今日はビートルズのレコード、あえてレコードに特化して、いろいろな話をしたいと思ってます。
ビートルズのレコードは、時代によっても、国によっても、レーベルによっても、色々と違うと思います。ビートルズ・レコードを集める楽しさっていうのはどういう点にあるんでしょうか?藤村さんの場合は?
そうですね。ビートルズの場合は、もちろん本国イギリスでリリースされたオリジナルアルバムが、今はCDとして一般的に出回っているんですけども、この日本においてもそうですし、アメリカ、カナダ、オセアニア、ヨーロッパ各国によって、その独自のジャケットであったり、独自の編集でリリースしたようなアルバムも多くあるので、そういったところのバリエーションの豊富さが、コレクターの皆さんは、けっこうはまっていかれるポイントになるかなという点ですよね。
(ショーンさんは)実際にコレクターとして、数多くレコードを集めていると思うのですが、どういうポイントに楽しさを見いだして、今、集められていますか?
やっぱり、基本はジャケットの美しさが最初にありまして、CDってやっぱり画面が小さいと言いますか、、、なので、(ジャケットの)大きい絵の魅力が一番。あと、元々、音楽が好きで、ビートルズの影響でバンドをずっとやっていて、それで音の違いみたいなのが分かってきた。
今、藤村店長がおっしゃったように、けっこう国によって違う。日本で、僕らが当たり前と思って聴いてたLPが、実はすごい特徴的な曲選で、日本独自のものだったりした。そんなのことを後で知って、そこに興味が湧いてきた。じゃあ、オリジナルをもう一回聴き直さないと駄目だな、みたいなことで段々とはまっていった、という感じですかね。
お気に入りのビートルズ・レコード、見せてください!
なるほど。
お二人には対談の前に、お気に入りのビートルズ・レコードを数点持ってきてくださいとお願いをしました。今日、持ってきたものから、数点ご紹介をいただいてもよろしいでしょうか?
まずは藤村さん、今日は何を持ってきましたか?
はい。お店でいま扱っているものなんですけども。まず一つ目は、有名なアメリカの「イエスタデー・アンド・トゥデイ」という編集盤ですね。
アメリカの「イエスタデー・アンド・トゥデイ」。別名「ブッチャーカバー」と呼ばれる1枚
これは、いわゆるブッチャーカバーと言われているものになりまして、実は、オリジナルジャケットの上に一枚ペーストしてあって、このジャケットをはがすと、そのブッチャーカバーというのが入っているんです。当時、いわゆる赤ちゃんの人形と生肉とビートルズという、ちょっと過激なジャケットで、このアルバムをリリースしようとしたんですけども、リリース前に、やはりジャケットが問題があるということで回収されて。その回収されたジャケットの上に、通常で発売された「イエスタデー・アンド・トゥデイ」のトランクカバーというものが貼られているものです。ちょうどこの(レコードジャケット右下の)白い部分を見ていただくと、ここにリンゴ・スターが。ブッチャーカバーのVネックを着て、黒い、、、。
あと、この辺りを見ていただくと、元のカバーに貼ってあるので、下地が見えていますね。
へえ、面白い。これ、剥がしたい人は剥がせるのですか?
なかなか難しくて、かなりしっかり貼られているので。アメリカとかですと、これを剥がす専門の職人がいたりして。
そうですね。この
ステレオ盤に関しては、お値段はけっこうしてますね。だいたい店舗価格で35万円ぐらいですね。
値段に関して言うと、時期的なもので変動っていうのはあるんですか?去年より来年が高いとか?
基本的には年々上がっていってる印象ですね。やはりどんどん年代がかさんでいって、数が少なくなっていくので、状態の良いものに関しては、値段がどんどん上がっていってる印象はありますね。
欲しいものが見つかったら、できれば早めに買っておいた方がいいってことですね。
はい。2つ目は、いわゆる日本の一番最初に出た時の「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」の、これは半掛け帯って言われているものなんですけども、日本盤の市場においては、この当時、題字を兼ねて帯の価値が非常に高くて。特に、半掛け帯という初期の帯に関しては、残している方が本当に少ない。当時、買われた方は、だいたい捨てていらっしゃるということがあるので、これがきちんと残っている状態のものは、やはりすごく価値が高い。あと、ジャケットも日本独自のジャケットで、このライブシーンの写真を使った「ハード・デイズ・ナイト」こちらはすごく人気のある品物になっていますね。
日本版「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」
なるほど。ありがとうございます。では、3枚目もお願いします。
3点目は逆に、イギリスのオリジナル盤の「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」なんですけども、これは今年の7月にイギリスへ仕入れに行ったときに出会った品物です。リリースからもう50年が経っているんですけども、状態がすごく綺麗なものになっていまして、50年前のものとは思えないぐらいの美しいジャケット。いわゆるワイド・スパインと言われるタイプのものになってまして、通常のジャケットよりも背幅が少し広いタイプのものになっていて、コレクターの人気が高い品物です。コンディションが、やはりこれだけ綺麗な状態で、特にコーティングされたジャケットが、イギリス盤の一番の魅力だと思うのですが、それが綺麗な状態で残っているという、非常に貴重なものだと思います。
イギリスのオリジナル盤の「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」
なるほど。イギリスのほうに買い付けに行かれたって話だったのですけども、やはりビートルズに関していうと、イギリスが一番、品としては揃っているものなのですか?
そうですね。絶対量で言うと、アメリカもやはりプレスしてる数が多いので、色々とバリエーションあるんですけども。やはり本国イギリスの盤が人気が高いというものがありますので、そのあたりではイギリスのほうが多いという状況ですね。
なるほど、ありがとうございます。次は、ショーン黒田さん。今日は、いっぱい持ってきて頂きました。お薦めのレコードを、、、
そうですね(笑)。本当は、全て聞きたいんですけども、ちょっと対談時間の関係で、、、。
はい、3枚ぐらいに絞っていただいて。どういう観点で選んだのかを教えて下さい。
たぶん、中学生ぐらいだったと思います。当時、ラジオで何曲か知ってる曲があって、曲名もなんとなく分かっていたという感じでした。今みたいにインターネットがないので、情報がほとんどなかった。で、レコード店に行って、自分の知っている曲名がいっぱい入っているやつをとりあえず探しに行ったというのがこれでした。だから、(ビートルズの歴史の)前半のヒット曲を集めたベストアルバムみたいなものなんです。「シー・ラブズ・ユー」から始まって「抱きしめたい」まで、わりと有名な曲がいっぱい入っています。ただ、ジャケットにビートルズの絵がないじゃないですか。
ないんですよね。裏には、ビートルズと書いてあるんですけど。これが、初めて買う人間にとっては、ちょっと分からない。情報がなくて、、。これが、本物のビートルズのものなのか、すごい不安だったんです(笑)。
本当に、そんな時代ですから。これを買って、とりあえず恐る恐るレコードを聴いたときにビートルズだったんで、「ああ、良かった」という記憶があります。これはもう何十回、何百回って聴いたので、実はこれ、たぶん3枚目ぐらいになります。
すり減っちゃって。人にあげたり、買い直したり。そういう"思い出の品"ということで、これが僕のスタートになりましたという1枚ですね。
もう1枚は、いわゆる英国オリジナル版で、これは「ハード・デイズ・ナイト」の一番最初の
モノラルなんです。当時、イギリスのオリジナル盤はモノラルとステレオが、両方ありました。ちょうどステレオに変わる過渡期のタイミングでしたので、「ハード・デイズ・ナイト」も(モノラル、ステレオの両方で)発売されていたんです。私は主にステレオをずっと聴いていたので、モノラルでの「ハード・デイズ・ナイト」は日本でも当時発売されていなかったので、けっこう新鮮でした。
それと、初期のアルバムは、わりと音が
ラウドカットされて(大きな音でプレスされて)いて、非常に新鮮で、あらためて、歳を取ってからこれを聴いたのですが、そこにまさしくジョン・レノンがいるかのような、そんな錯覚に陥るぐらい、非常にクリアな音でした。日本盤と違う良さを知って、ここから、ちょっとはまっていくような感じになりました。いろいろなオリジナル盤だとか、アメリカの古い盤とかを集め始めるきっかけになった1枚が、この「ハード・デイズ・ナイト」で、一番最初の
パーロフォン(PARLOPHONE)盤ですね。(正確には)イエロー・パーロフォンです。
3枚目は、「ラバー・ソウル」インド盤です。さきほど藤村さんがおっしゃったように、日本もそうなんですけど、各国盤で独自に選曲したりとか、独自にミックスを出来たりした良い時代だったわけですね。今ですと、もう全国、全世界、まったく同じ音源でCDは発売されるのですが、当時は各国にそれぞれカッティング技術者がいて、勝手にミックスとかしていた。
この「ラバー・ソウル」っていうのはビートルズがちょうど、特にジョージ・ハリスンがインド音楽に傾注(けいちゅう)する時代に作られたアルバムで、いわゆるコンセプトアルバムのきっかけになったような、非常にまとまりのある音楽なんです。今まで彼らがエレキギター、エレキベースといった、西洋の楽器ばかりだったところに、インドの
シタールのような、東洋の音源を入れた。「ラバー・ソウル」の中に「ノーウェジアン・ウッド(Norwegian Wood)(和訳:ノルウェーの森)」という曲があるのですが、そこで使われているシタールの音がアメリカ、イギリス、日本のアルバムと比べても、やたらシタールの音が大きい特殊なカッティングがされているというのが噂になっていて、どうしても聴きたくて、買ったんですね。実際、聴いてみると、わずかなんですけども、シタールの音が、左側のほうのスピーカーから、ちょっと大きめに鳴っていて。何度か聴き直したのですが、やっぱりイギリス本国オリジナルは、右のギターの方がわりとメインになっていて、それを支える感じなのですが、インド盤は、インド人が勝手に、独自にカットしたんでしょうね(笑)。シタールのほうがかなり前面に出ていて、特殊な感じが、すごい面白い。そういうのも、ビートルズのレコードを探していく面白さかな?って。そういう意味で、これを今日お持ちしました。
アートジャケットから眺める、ビートルズの存在の大きさ。
ありがとうございます。今、お持ちいただいたレコードの説明をしていただいたのですが、今度はレコードの音というよりは、アートジャケットに関して色々話したいなと思ってます。レコードを集める方は、アートジャケットをきっかけに集める方もいると思うのですが、ビートルズ・レコードのアートジャケットの素晴らしさって、二人はどう考えていますか?
そうですね。やはり、ジャケットのデザイン、写真の魅力っていうのは、先ほど言ったとおり、国によって違うっていうのがありまして。例えば、イタリアのビートルズのレコードで、花壇の前で撮っているものがあったり、フランス盤だと、ちょうどお店にもあるんですけど、乗馬をしている4人の写真が載っているものとか。
そうですね。
あとは、先ほどショーンさんが言われていた「ハード・デイズ・ナイト」イタリアだとこういう赤い色で、(その他の国では)青色だったそのデザインが変わっていたりとか。あとは、独自に、その国で作ったデザインのもの。これもオリジナルデザインですね。
そうですね。いわゆる、その国によって色んなジャケットがあって、それを集める楽しさっていうのはやはり多いと思います。
そうですね。僕は、あそこにありますけど、「ウィズ・ザ・ビートルズ」。これはイギリスでは2枚目の「ウィズ・ザ・ビートルズ」のジャケットなんですが、こういうデザイン的な面白さみたいなのは、その後のロックミュージシャンのみならず、色んなアーティストに影響を与えたと思うんですよ。僕、このハーフシャドーのアルバムが一番好きなんです。
それと、その隣にある「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」。これも出た時に相当衝撃で、これだけの有名人の(掲載)許可をどうやって取ったのかとか。一部、ヒトラーとかガンジーを載せて、後でカットされたという噂もありますけども(笑)。とにかくいろいろ話題になった。芸術的というか、そのデザイン性の良さみたいのが好きなところです。
極めつけは、一番下の「アビー・ロード」。これは誰でも知ってるデザインで、イギリスに行ってアビー・ロードで写真を撮る人は今でも絶たない。私も一回行って、同じような写真を撮りましたよ(笑)。
そういう印象に残るデザインは、やっぱりビートルズの持ち味。
「ホワイトアルバム」が出て、初めてそれを見たとき、お二人はどう感じました?
そうですね。私が一番最初に見た「ホワイトアルバム」はCDで、フラットなイメージだったのですが、オリジナルの「ホワイトアルバム」は、ザ・ビートルズっていう文字が型押しになってるんですね。いわゆるエンボスになっていますので、そこの質感とコーティングされたジャケットの白い状態。それを見た時に”コンセプトのあるアート”っていうところの意味がようやくそのレコードで分かったということですね。
なるほど。CDでは分からなくて、レコードで初めて分かったということですね。
僕の時は、レコードで買ったのですが、ジャケットの右下に番号が打ってあるのですね。通し番号みたいなやつが。当時は、それがちょっと分からなかったのですが、たぶん若い番号のほうが古いから価値があるんじゃないか、と思いまして。(当時は)高校生だったのですけども、レコード店を5、6店探しまわって、一番(番号が)若いホワイトアルバムを買いに行きました(笑)。
で、後で調べると、日本盤のは「A」っていう記号がついていて、その後に番号が付いているのですが、イギリス本国のは「A」が付いてなかった。あとアメリカには番号なしのやつがあったりとか、もう色々(笑)。なにかしらの意味があるのか、ないのかも分からなくて。。。そういう(謎がある)ところが面白いなと思いますね。
これからビートルズ・レコードを集める人は、どこから始めたらいいの?
実際、ビートルズに関わらず、レコードを集め始めた人が、最近の2〜3年で増えていると思っています。僕の周りでも「レコード集め始めたよ!」って言う人が多いのですが、実際にレコードを売る立場の藤村さんから見て、ビートルズ・レコードをこれから集めるうえで、こういう点に注意したらいいとか、こういう点をもっと詳しく見たら楽しめるよ、みたいなポイントはありますか?
やはり一つ一つの、例えば同じイギリス盤でも、そのサウンド自体の音質は、(レコード)個体で本当にちょっとづつ違う部分があるので、できれば、実際に音を聴いて、よい品物を探してほしい。予算も色々と幅があるので、ご自身でまずチャレンジできる価格のものからスタートしてみるのもいい。
最初から高いものを買ってみてもいいのですが、手頃なものでも、すごく良い音が出るレコードは多いです。そういった点では、気軽にお店に来てもらい、実際にレコードを聴いて、スタッフに聞いていただいて、レコードを買っていただくのが一番良いかなと思います。
ありがとうございます。ショーンさんはもう250枚以上、自宅に並べられていると思うのですが、これからビートルズ・レコードを集める人に対して、何かお薦めの集め方はありますか?
そうですね。もしもレコードで聴くのであれば、僕は、赤盤、青盤がおすすめ。あと、「ビートルズ1」っていう、ヒットチャートで1位になった曲ばかりを集めたCDとDVDが昨年発売されて、それも非常に良い出来です。ビートルズを一から知るのであれば、その「ビートルズ1」をまず買うっていうのが、たぶん、王道だと思います。
レコードをもし聴くのであれば、僕は赤盤、青盤をお薦めしていています。1位になっていなくても、実は良い曲がビートルズの中にはたくさんあって。例えば、「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」とか、僕が大好きな曲なのですが、それが入ってるか入ってないかは、大きな違いになっています。その辺りを聴いて頂きたいなっていうのがあります。聴いてもらって、その中で好きな曲が1、2曲は当然出てくると思うので、そこから、その曲が入っている元々のアルバムのほうにいってもらうという形で、段々深みにはまっていただくと楽しいんじゃないかなと思いますね(笑)。
ヴァリエーションが豊富なことが、ビートルズ・レコードを集める楽しさのひとつ
ビートルズ・レコードの魅力を一言で表現するなら?
なるほど、ありがとうございます。
最後の質問になるのですが、ざっくりとした質問で申し訳ないのですが、お二人から見て、ビートルズ・レコードの魅力を一言で表すとしたら、どんな表現になるんだろうって、すごい興味がありまして。先にショーンさんからいいですか?
僕はまだ、集めてる途中だという認識があって、終わりがはっきりしてないところが面白いんですよね。自分の中で。コレクションって、例えば1から10まで番号が振ってあって、全部集めてしまったら終わりですって言うと、なんかつまらない。どこに終わりがあるかすらも分からない。
ビートルズならではの、色んな国に色んな音源がバラバラと存在し、ファンもたくさんいる。相当な枚数がプレスされてるので、終わりのない旅みたいな感じがあり、それを一つ一つ追求していく。そこが、僕の中で一番面白いので、そういうところにちょっと触れてもらうと、面白さが分かると思いますね。
なるほど、終わりのない旅ですか。ありがとうございます。では、藤村さんお願いします。
私が思うのは、やはりビートルズは、皆さん哲学を持って集められる。一人一人皆さん、コレクターの皆さんも、ご自身の視点で、ポイントに絞ったコレクションを集める。例えば、イギリス盤の早いプレスを買っていくとか、色んな国のレコードを買うとか。あとは、とにかく量を買うっていう方もいらっしゃいますし、色んな切り口で楽しめるっていうところがすごく魅力で、それだけバリエーションがあったり、枚数が出ていたり。あとは音の違いがあったり、色んなこだわり方で楽しめるものなので、そこが魅力かなと思っています。
なるほど。時間の関係でここで終わりにしたいのですが、本当ならもっと個別のビートルズ・レコードの細かい違いとかも話したかったです。時間があえば、第二回目の対談も引き続きよろしくお願いします。
本日は、ビートルズ・レコード対談、ありがとうございました。
対談内容を全編で観たい方は、こちらから
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これが4人のスタイル=服飾(スタイル)×流儀(スタイル)
ザ・ビートルズ・スタイルブック
ビートルズのメンバーの少年時代からデビュー、解散まで、ステージ衣装やプライベートのファッションを解説する読み物。関連の写真やイラストレーションを添えて図解する。ビートルズはその音楽と同様に、ファッションにおいても独自のセンスで新しいスタイルを生み出した。服装や髪形から靴、めがねなどの小物にいたるまで、グループのトレードマークとなり、若者たちへ大きな影響を与えた。ファッションもまた彼らの表現手段のひとつであり、時代を先導する大切な要素となっていた。ファッションのトレンドセッターとしてのビートルズに焦点を当て、そのファッションを真似したい人にも、60年代のスタイルに関心のある人にも役に立つ一冊。外見の流行(fashion)・変遷を追うことで、ビートルズの服飾(style)だけでなく流儀(style)が見えてくる。
終わりに
ビートルズって不思議なバンドですよね。誰もが知っているから、共通の会話のネタとして使うことができる。例えば「ビートルズの歌で何が一番好き?」と質問すれば、大概は何かしらの回答が返ってくる。こういうバンドって、ビートルズ以外に思いつかない。この先の未来、ビートルズのように世界中の人と話題にできるバンドって、登場するのかな?