常時、1000点以上のビートルズ・レコードを揃えている驚き
ディスクユニオン新宿ロックレコードストアの店長、藤村一樹さん
2フロアを構える店内には、雑誌などでしか見たことのない、憧れの名作レコードが壁一面に並んでいる。在庫のレコードは、30,000点以上。定期的にヨーロッパ、アメリカを中心に仕入れを行い、海外オリジナル版などの珍しいレコードが常に店頭に並ぶようになっている。
「ディスクユニオン全体でも、レコードだけを扱っているのは、新宿ロックレコードストアだけです。そして、一番の特徴は、大々的にビートルズのコーナーを設置していること。常時、1000点以上を揃えています。これだけビートルズのレコードを置いてあるお店は、他のお店にはないはず。」
そう語るのは、新宿ロックレコードストアの店長である藤村一樹さん。60年代、70年代のロック音楽を愛する藤村さんは、10年以上もレコード店で働いてきた生粋の音楽好きである。
「やっぱり、売り場の魅力は、人と人が音楽を通じて触れ合える点だと思っています」
ディスクユニオン新宿ロックレコードストアには、さまざまな客層が訪れる。50代、60代の昔からのレコードファンから、ここ最近でレコードを集め始めた若い人まで。アナログレコードには、ダウンロード音楽とは異なり、実際にレコードジャケットを手にすることが出来る。オシャレなレコードジャケットを探して購入するように、”ファッション”の視点からレコードを集める女性客の来店も増えてきているようだ。
藤村さんに、これからレコードを集めたい初心者向けに、レコードの探し方、購入のポイントを聞いてみた。
「店内には、数百円で買えるレコードから、数万円、数十万円するレコードもあります。まずは直感で気になるレコードを手にとって、店内の試聴機で実際の”音”を聞いてみてください。試聴は無料なので。そして、スタッフにも気軽に相談をしてみてください。みんな知識が豊富なので、話しているうちに、欲しいレコードが見つかるかもしれません」
ちなみに、新宿ロックレコードストアでは、お昼の時間付近が比較的空いているとのことなので、ゆっくり試聴をしたり、スタッフと会話を楽しみたい方は、狙い目である。
最後に、新宿ロックレコードストアの今後の目標を聞いてみた。
「この新宿ロックレコードストアは、近くにあるディスクユニオン新宿から独立した店舗です。ディスクユニオン新宿は、40年以上もお客さまから愛され続けているお店です。この新宿ロックレコードストアも、20年、30年と愛されるお店にしたいです。そのためには、音楽を通じて、お客様同士、お客様とスタッフがコミュニケーションを取れる場所になれたらいい。やっぱり、売り場の魅力は、人と人が音楽を通じて触れ合える点だと思っています」
アナログレコードは不思議な物である。
時代が変わり、テクノロジーが発達した社会では便利なことが増えた。家にいながら、好きな音楽をインターネットで選んで、聴ける時代である。しかし一方で、ちょっと不便なアナログレコードの愛好家が少しづつ増えてきている。
100年後の世界がどんなに発達した文明になっても、きっと音楽好きな人はレコードに針を落としているのだろう。
ーおわりー
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不滅の楽曲にさまざまな角度からアプローチ
終わりに
数年前から、UKを中心にアナログレコードの売り上げが伸びて盛り上がっている話を聞きましたが、日本でも徐々にアナログレコードの人気が上がっていることを今回の取材で感じることが出来ました。藤村さんと話して驚いたのが、若い女性の方が"ファッション"としてアナログレコードを楽しんでいること。確かに、アナログレコードのジャケットって、家に飾るのが楽しくなりますよね。最近では、毎年4月に「レコード・ストア・デイ」などのイベントも開催されているので、次回はそちらも取材をしたいです!