天賞堂とは?

天賞堂(てんしょうどう)は、1879年銀座紀尾井町に印房店として開店した後、貴金属の販売を中心に行う高級貴金属店として発展した。現在は主に高級時計、宝飾品、鉄道模型を取り扱っている。
伊藤博文(いとう ひろぶみ)、尾崎紅葉(おざき こうよう)など、明治期より各界の著名人が顧客で、夏目漱石(なつめ そうせき)の小説や、永井荷風(ながい かふう)の随筆にもその名は登場するなど、当時から高級品店の代名詞として知られていた。
1949年より鉄道模型の製造販売が開始され、天賞堂製の鉄道模型は最高級鉄道模型として現在も世界中のファンの憧れとなっている。ちなみに鉄道模型の販売を開始したのは、当時の社長が鉄道模型好きだったからだという。

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Brand in-depth 第4回(前編)ファクトリエ・山田敏夫の「放っておけない」性格が工場と顧客をつなぐ

取材当日、山田敏夫さんはトレードマークの白シャツ姿で現れた。身に纏っているのは、もちろん自身のファッションブランド『ファクトリエ』の製品だ。

ファクトリエの立ち上げは2012年。きっかけは20歳の頃、グッチのパリ店で勤務していたときにフランス人の同僚から言われた一言だった。「なぜ、日本には本物のブランドがないんだ?」。とっさにブランド名を挙げて反論したが、こう返された。「それって日本製なの?」

その問いに答えるかのように、山田さんは挑戦を続けている。世界に通用するメイド・イン・ジャパンのファッションブランドを作る。そう決意し、29歳で起業してからこれまでに訪ねた工場は700を超えた。現在は優れた技術とこだわりを持つ55の工場と一緒に“語りたくなる服”を作っている。商品のタグには生産する工場の名前を入れ、販売価格は工場が決めるというユニークな仕組みも取り入れた。丈夫で長く着られるうえに、職人のこだわりを随所に感じる服は、多くの顧客に支持されている。

創業から10年が経ち、ファクトリエの未来をどう描いているのか、というのが今回の対談の趣旨なのだが、山田さんってどんな人物なの? という話からスタートする。単なる思い出話のように見えて、実はそこにはファクトリエの根幹があると気づくはずだ。

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