1950s〜1970sに全盛期を迎えた刺繍芸術。チェーンステッチを紐解く

取材日: 2018年12月4日

文/成田亘
写真/ミューゼオ・スクエア編集部

1950s〜1970sに全盛期を迎えた刺繍芸術。チェーンステッチを紐解く_image

「チェーンステッチ」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。デニムの裾上げにこだわる人なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。

今回は、チェーンステッチを用いた刺繍のバリエーションを、ステッチ全盛期の古着をもとに紐解きます。

MuuseoSquareイメージ

チェーンステッチならではの躍動感

MuuseoSquareイメージ

そもそも、チェーンステッチとは、環縫い用ミシンで縫われたステッチを指します。

シングルステッチ(本縫い、表も裏も同じ縫い目の縫製仕様)とは異なり、鎖状に糸を縫い止める手法で、糸をすくい上げる針の高さや糸の調子の取り方でチェーンの輪の大きさを調整できます。見た目がチェーンで編んだかのように見えることから名付けられました。

特徴として、当時のものは職人さんが1枚1枚手で仕上げているため、刺繍それぞれに特徴があり、味わい深い雰囲気となっています。

ぐるぐると円を描くように縫ったもの。直線でジグザグと縫ったもの。今はデータを入力すると、自動で精度高く縫ってくれるミシンも存在しています。その均一に整った刺繍とはまた違う躍動感があるのです。

ループ状にぐるぐると縫われたステッチ

ループ状にぐるぐると縫われたステッチ

ループ状にぐるぐると縫われたステッチ

ループ状にぐるぐると縫われたステッチ

直線的にジグザグと縫われたステッチ

直線的にジグザグと縫われたステッチ

直線的にジグザグと縫われたステッチ

直線的にジグザグと縫われたステッチ

チェーンステッチ黄金期時代の古着たち

チェーンステッチの黄金期は1950s~1970s辺りではないでしょうか。この頃から色々なデザイン、刺繍のクオリティ-が高くなっていき、配色も職人の縫い方もア-ティスティックになって行きます。

たとえば、デニムジャケット。縫い方に職人の個性が出ています。

50sのデニムジャケット。ブランドはLee。

50sのデニムジャケット。ブランドはLee。

70sのデニムジャケット。ブランドはLee。

70sのデニムジャケット。ブランドはLee。

70sのデニムジャケット。ブランドはLee。

70sのデニムジャケット。ブランドはLee。

チェ-ンステッチ刺繍は、おそらく1920年頃くらいから刺繍糸を使い広がっていきました。使用されていたのは、SINGERミシンなどでしょう。

なお、黄金期時代の古着では、刺繍は凝ったものが多く残っているものの、1920年代〜1940年代までは気の利いたチェ-ンステッチはお目にかかったことがありません。その時代には、企業名が入ったシンプルな物。たとえば車関係、飲料関係等が主流だったのではないかと推察します。

MuuseoSquareイメージ

洋服にはさまざまなディテールがありますが、チェ-ンステッチの刺繍一つとっても、そこには時代が詰まっています。

ーおわりー

MuuseoSquareイメージ

終わりに

私が最初にチェ-ンステッチに出会ったものは60sのスイングトップ、スタジャン、ボ-リングシャツだったと思います。当時はインパクトが凄くて「これだ!」って思いました(笑)。刺繍にも種類があるので、お好きなものを選んで!

ファッションはインパクトですから、自分流に個性を生かして洋服を楽しんでください。

Read 0%

SCROLL