ザ・ビーチ・ボーイズでサーファーに大流行!
PENDLETON(ペンドルトン)のウールシャツは、60年代にザ・ビーチ・ボーイズがレコードのジャケット撮影で着て、当時のカリフォルニアサーファーのあいだで大流行したんだよ。それを受けて、60年代後半から70年代の日本のサーファーも血眼で探して着ていた。
でも、今の40代以下で日本人のサーファーが着ていたことを知っている人はほとんどいないと思う。実際僕が知ったのも先輩サーファーに教わってからだから。
その時ザ・ビーチ・ボーイズが着ていたのは、裾が切りっぱなしのストレートカットで、ポケットはラウンドカット、かつフラップがついているボードシャツというのもの。
ボードシャツと同じディテールを持っているシャツはライダーシャツもあるんだけど、厳密な違いはほとんどない。着丈や身幅が少し違うくらい。
同じシャツでも、古着屋によってボードシャツと呼ぶ人もいるし、ライダーシャツと呼ぶ人もいる。ウールなのでコットンよりもサイズが変わりやすくて、洗うと違いはわからない。
昔のガイドシャツやウエスタンシャツは、タックインするためにデザインされているので古着で見つけたとしてもすごく丈が長い。本当に長い。
今どきシャツをパンツにいれて着る人はほぼいないので、タックアウトで着るシャツを買うとしたらボードシャツもしくはライダーシャツの2種類しかない。
なので、いくら色が良くても、状態が良くてもライダーシャツかボードシャツ以外はウチ(ストーンフリー)には置いてない。ただもちろんいろんな着方があって、アウター用として仕入れる古着屋さんもいると思う。
カリフォルニアでは、レストランにも羽織っていける
色は抜群にクラシック。他のブランドのチェックシャツでこんな絶妙なトーンのチェックを出す会社は、まあないね。
あとは肌触りと保温性が抜群にいい。ちょっと厚手のフリースよりあたたかい。本当に信じられないくらいあたたかい。それに軽い。俺がサーフトリップに必ず持って行くのはそういう理由。
カリフォルニアって昼と夜の温度差がすごいのね。サーフィンしたあと、昼にはTシャツジーパンで街をウロウロするんだけど、夕方にご飯を食べにいくとき服装を色々考えるのがめんどくさい。だから、ウールシャツをサッと羽織る。
カリフォルニアならば、ちょっといいレストランに行くときも着ていける。
コットンのネルシャツとかだと、「ちょっとカジュアル過ぎるんじゃないか」となるんだけど、ウールのペンドルトンのシャツは、ジャケット相応とはいかないまでも失礼にならない。
実際、カリフォルニアの友達は着てくるからね。「夜にちょっといいレストランいこう」って時に。スーツでいくようなところはもちろんだめだけど。
デニムと合わせて着こなすのがサーファースタイル
ザ・ビーチ・ボーイズをお手本とすると、昼間はTシャツで遊んで、夜遊ぶ時にシャツを羽織ると。着心地が抜群にサラサラで、本当に(半袖)Tシャツの上に着ても全く気にならない。
ペンドルトンという会社は創業時はウールの生地屋だったのね。アメリカのオレゴン州の牧場にいる羊の毛で生地を作ってて。ウールなんだけど、チクチクがほとんどない。冬になるとその上にもう一枚ジャケットを着るのが基本のサーファーファッション。
ウールなんでデニムと相性が抜群にいい。逆に、ウールのスラックスとか履くとどうしようもなくおじいちゃんになっちゃう。
アメリカって基本はジーンズでしょ。リーバイス501に合わせると抜群に相性が良くて。春秋だったらTシャツの上に着ていけばOK。ワンサイズ大きいのを買えば、コットンシャツの上にアウターとして羽織るのもすごくかっこよくなる。
それこそ丈の長いやつなんかは、ネイティブ柄のチマヨジャケット的に着るのはアリだね。
70年代後半とか80年代、だいたい40年前のシャツがきれいに残ってる。ロマンあるでしょ。
古くても実用的には現行品と多分そこまで変わらない。現行品でも2万円くらいなんだけど、(2万円を)出してもいいくらい、くたらないし保温性が抜群にいい。古着でマイサイズを見つけたら絶対買うべきシャツだよ。
ーおわりー
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STONE FREE
茅ヶ崎駅から茅09のバスに乗ること7分。茅ヶ崎のメインストリート、一中通りにある古着屋。ビーチまでは徒歩で数分という、サーファーにとっては絶好のロケーションにある。PENDLETONのシャツ、Levi'sのジーンズ、VANSやCONVERSEなど、カリフォルニアの雰囲気が漂うセレクトが光る。メンズに加えレディースの洋服も数多く揃う。お店のオーナーTAKA夫妻は現役のサーファーとして波に乗る生活を送っており、古着だけでなくサーフボードやサーフィン関連グッズも取り揃えている。古着の買取も行なっているので、不要な洋服を持っていき、売ったお金で新しい洋服を楽しめるのも特徴。