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手入れをしながら少年時代に想いを馳せる、ナイフのある生活。_image
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手入れをしながら少年時代に想いを馳せる、ナイフのある生活。

バリスティクスの塚原さんは、「サバイバル」「冒険」「アドベンチャー」をテーマにしたこだわりの品々を集めている。本記事は、そんな彼のお宝を全4回のにわたって特別公開する連載で、3回目はナイフ。1、2回目のミリタリーファニチャーとテントは「目に留まるものを買っていくうちに自然に集まった」ものだが、このナイフだけは「意識的に集めようとしている」という。ここでは、手入れの行き届いたコレクションの一部をご紹介しよう。

取材日: 2015年10月28日

取材・文/石原たきび
写真/見城 了

錆びたりくすんでいたりするものを、本来の状態に蘇らせる作業が面白い

MuuseoSquareイメージ
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ミリタリーファニチャーにテントと、多様なコレクションを持つ塚原さんだが、自身は「コレクターではない」という。

「ただ気になるものを見つけたそばから次々に手に入れていくうちに、こうなっただけ。ストック癖はあるけど、収集癖はないんです」

しかし、今年から集め始めたナイフだけは、唯一意識的に収集しようとしている。塚原さんは現在『STREET BIKERS'』というバイク雑誌で自分の趣味をテーマにした連載を持っているが、そこでナイフを取り上げたことをきっかけに火がついたという。

「集めている物のほとんどはアメリカ製で、主に60年代から80年代に製造されたハンティングナイフやポケットナイフ。機能や造形美はもちろん、購入時に錆びたり動きの悪くなっているものを、自分の手で本来の状態に蘇らせる作業なども含めて楽しいんです。他のアイテムみたいに場所を取らないし常に眼の届く場所にあるのがいい。ミニカーみたいなものですね(笑)」

ミリタリーファニチャーやテントはサイズが大きいため、大半を倉庫にしまわなくてはならない。しかし、コンパクトなナイフは書斎の棚に収納し、時々取り出して触るのが楽しいのだという。一本一本のナイフには、職人技がギュッと込めらており、その細部を仔細に観察するのも醍醐味だ。

物によっては指紋がついたところから錆びてくるため、扱うときは極力手袋をはめる。手入れはカメラなどと同様セーム革で拭いた上で必要とあれば研磨したり防錆処理を施す。丁寧に磨き上げながら、ポケットに肥後守を入れて遊びに出かけていた少年時代に想いを馳せる。

「とはいえ、使うのがもったいなくて実用するのはわずかです。」と笑う塚原さん。また、集めているナイフは獲物の解体や調理など、あくまでも狩猟用やキャンプ用がほとんど。一部の名品を除き殺傷を目的とした戦闘用ナイフはあまり好みでないというのも、じつに彼らしい。

次章では、そのコレクションの一部を見せてもらった。

眺めている時が至福。涎垂のアメリカンビンテージナイフたち。

ビンテージナイフ(またはオールドナイフ)は、1960年代から90年代にかけてに世に送り出されたナイフたち。職人たちが磨き上げたクラフトマンシップを堪能することができる6本をピックアップ。

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ランボーナイフで一躍有名となったジミー・ライル氏がまだ名声を得る前の時代の作品。この中では唯一の”カスタムナイフ”(一人のナイフ職人が鋼材の加工から仕上げまでを一貫して行なう作品性の高いナイフ)。

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「CASE」というこのナイフだけは近年のものだが、形状はアメリカンクラシックを踏襲。ハンドル材は牛骨で、ヒルト(鍔)はくるりと回って収まる。

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ガンメーカーの「スミス&ウェッソン」のフォールディングナイフ「M6060」。カスタムナイフにも劣らない仕上げの美しさが特徴。又「ウェッソンウッド」と呼ばれるハンドル材は自社開発による「木の水分を真空状態で取り除いた上で樹脂を染み込ませる手法」で作られており拳銃のグリップと同じ材質だという。美しいミラーブレードと頑丈な作りが特徴。

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アメリカの二大メーカーのひとつ、GERBERガーバー)の「ファーストフォールディングハンター」。(もう一つのメーカーは「BUCK(バック)」)当時はマシーンメイドではなく職人によるハンドメイドだったため、同じ種類のものでも手がける職人によって一本一本に趣が違うところが面白いという。

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様々なメーカーに世界一コピーされたナイフとして”ギネスブック”にも載っている「フォールディングハンター110」。この中では一番古い60年代中半のもの。特徴は時代に左右されないシンプルなデザインと「とにかく頑丈」であるということ。以前のBUCK社のロゴマークが”ナイフに五寸釘を押し当てハンマーで叩いている”デザインだった事からも、当時いかに堅牢さをウリにしていたかがわかる。

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ナイフデザイン界のスーパースター、ブラッキー・コリンズ氏が始めたブランド「ベンチマーク」製。スライドさせながら刃が出るのが特徴。

自宅のコレクションスペースを少しだけ公開。

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サバイバル関連書籍と並ぶ収納スペース

等間隔に方向を揃えて並べられたナイフたち。塚原さんがいかに愛着をもって丁寧に扱っているかが容易に想像できる。ナイフ後方には児童書やサバイバル関連の書籍がこれまたシリーズ順に揃えられて……(現在、書籍を取り出す際は手前のナイフを一々どけなくてはならず、ディスプレイ方法を思案中だという。)次回は塚原さんお気に入りの児童書についてピックアップ。お楽しみに!

File

塚原さんが手がけるブランド”BALLISTICS(バリスティクス)”

ミリタリーとアウトドア、バイク等をテーマにバッグや小物を製作するメーカー。ブランドのコンセプトやデザインも塚原さん自身が手掛けており、軍で実際に使用されている本物のミリタリーファブリックを使用したアイテムが豊富に揃っている。
http://www.ballistics.jp/

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