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Carboniferous period

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり‥。 石炭紀には、温暖な気候を受けて、陸ではリンボクやロボクの大森林が発達し、一方、海に流れ出た森林の土壌からの豊かな栄養のお陰で、海ではウミユリの大森林が発達しました。そのように大きく躍進を遂げる生物がいれば、衰退する生物もまたいます。一度はあれ程の大繁栄を謳歌した三葉虫も、この時代には目に見えて衰退します。まさに盛者必衰の理の通りであります。前の時代である、デヴォン紀のような派手な種は姿を消し、プロエトゥス類と呼ばれるシンプルな形状を持つ三葉虫のみが、何とか生き残ります。おそらくですが、尖った特徴を持つ種は特定の環境にしか適応出来ず、シンプルな種だけが、変わりゆく環境の変化に『そこそこ』適応出来た為ではないかと想像します。派手ではありませんが、味わい深い石炭紀の三葉虫を紹介します。

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    Gittara gitarriformis

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    Archegonus aprathensis

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    Gittara gitarriformis

    こちらはギタラ・ギタリフォルミス (Gittara gitarriformis) 、英国のプロエトゥス目 (Proetida) に属する石炭紀の三葉虫です。写真の3個体のうち、1個体のみ (写真2番目) のみ、Ventral (三葉虫の腹側から見た化石) です。

    似たような形かつシンプルなフォルムの、石炭紀の三葉虫の特徴を挙げる事は少々難しいです。ただ、どちらかというと長細い楕円形の石炭紀三葉虫が多い中で、この種は長細くはなく、幾分広い横幅を持ち丸っこい事が特徴と言えるかもしれません。他に、この種は、複数個体が固まって産出する事が多い為、集団で生活をしていた可能性があります。

    石炭紀の三葉虫は市場どうこう以前に、そもそも生きていた当時の個体数が少ないので、当然化石の産出量も少なく、どの種も希少であります。この種も入手の機会は限られており、本標本のような、ほぼ完全体の標本は貴重であります。

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    • 登録日:2020/6/6

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    Archegonus aprathensis

    ドイツの石炭紀三葉虫のアルケゴナスの一種です。 アルケゴナス・アプラテンシス (Archegonus aprathensis)と思われます。

    この三葉虫を産出するアプラートは、19世紀の古くから知られた産地で、この種の他にもA.nehdenesis、A.laevicaudaなどが採れます。A.aprathensis、A.nehdenesis、A.laevicaudaの3種はこの地の代表的な種であり、しばしばミネラルショーにも顔を出すなどと物の本には記載されていますが、実際の所、そうそう市場では見かけるものではありません。

    他の標本を見る限り、多くの標本では本種はもう少し幅広の体型をしております。本標本はそれらと比べ細長い印象です。地層の変形の影響で縦に伸びているだけかもしれませんが、A.nehdenesis、A.laevicaudaなど他種である可能性もあります。石炭紀の三葉虫はどれも似通っており、素人には学名の同定が厳しいものがあります。その為、こちらの学名の同定は入手元に準拠しております。

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    • 登録日:2021/7/15

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