Quadrops flexuosa

0

以前には、Philonyx philonyx(RICHTER&RICHTER1952)と呼ばれていましたが、現在ではQuadrops flexuosaと呼ばれています。モロッコのデボン紀の代表的な棘棘三葉虫で、その中でも異彩を放っており、4つに分れた謎の吻、平安装束の冠のような大きなヘラ状の棘(この種類は、それ程大きくないので、新種かもしれません)、肋や尾板から曲線を描いた棘、縦に3列の体節の棘など数えきれないほどの特徴的な棘で武装しています。左後の側葉部は、生前に欠損したのか一部棘が残されていません。従来から見かけるモロッコの代表的な棘々種でしたが、近年は原石が枯渇していて、現代の技術で剖出した標本は本当に貴重です。

Default
  • File

    三葉虫とエトセトラ

    2024/04/06 - 編集済み

    初めて自分が三葉虫の多様性を知る事になったクアドロだ!ワリセロプスとサハロプス、アカンソピゲを合体させたかの様なキメラっぷりはいつ見ても奇怪の一言。自分も同種を持っていますが、ここ一年くらいヤフオクに出品されているのを見た事がないので、仰る通り本当に尽きてしまったのでしょうか...?

    返信する
    • File

      Trilobites

      2024/04/07

      モロッコ産では、色々な奇抜な姿をした種がいますが、本種の棘に特化した容姿は、初期のカンブリア紀の三葉虫などと対比的でありますね。一般の非コレクターがみたら、気持ち悪いと思う方も多いのでないかと思います。

      本種は、Philonix philonixと呼ばれていた1990年代から市場に出てはいましたが、派手な種類ということもあり、既に鉱脈は掘り尽くされているに近い状況なので、新鉱脈が発見されれば別ですが、今から良い個体を入手するのは困難な種となっています。

      返信する