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Remopleurides elongatus
ロシアのレモプレウリデスのうち、従来一般的だった R. nanus に代って、近年市場でよく見かけるようになったもの。以前は Remopleurides nanus elongatus といって、亜種扱いだったが、産地も地層も違うので、別種として立てられたらしい。
私とレモプレウリデスの仲間とのつきあいは、チェコのアンフィトリオンから始まって、オクラホマのロベルギア、そしてロシアの本種と続いてきたが、けっきょくのところこれだけが手許に残ることになった。あとはイギリスほか、いくつか産地はあるけれども、ちゃんとしたものを手に入れるのは至難なので、とりあえずは本標本で満足しようと思う。
さて本標本だが、じゃっかん左右に捩れはあるものの、ほぼ完全に延びきっていて、背中のトゲもわりに危なげなく保存されている。これが防御姿勢をとっていたりすると、トゲが飛び出した格好になって、非常に危なっかしい。好みにもよるけれども、見ていてはらはらするような標本はなるべく避けるようにしている。そういうものからは「癒し」は得られないと思うので。
保護剤(?)のせいでややアーティフィシャルな趣はあるけれども、前にアルティオクルスでやったような、アセトンで剥がすといったことはまったく考えていない。この繊細な三葉虫に対して、それは暴挙というものだろう。
さて写真をとって拡大して眺めてみると、どことなく「タイノエ」とか「ウオノエ」とか呼ばれる寄生虫に似ているような気がしてきた。とにかく、一般的な三葉虫とはかけ離れたフォルムであることだけは確かのようだ。
サイズ:トゲを含んで16㎜