Agraulos ceticephalus

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三葉虫には名前と現物とが釣り合わないものがある。
本種などもその一例で、名前だけきけばどんな三葉虫かと膝を乗り出すが、現物を見ると少なからずがっかりする。
小さくてあまり特徴もないので、よほど手広く集めている人か、あるいはチェコ産を集中して集めている人でなければ手に入れようとは思わないだろう。

本種は自在頬を欠いた標本がほとんどだが、本来は小さいトゲつきの自在頬があるので、それのついている標本はけっこう貴重だ。

全長:15mm

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    trilobite.person (orm)

    2024/03/09 - 編集済み

    属名はギリシャ神話由来ですか。
    この手の三葉虫は、中々マニアも話題にしないので、その地域の種が好きな方が取り上げるこういう機会こそが、その種を認識出来る貴重な場であったりしますね。これまでも、何処で見た事があるはずですが、お陰様で今回ちゃんと本種を識る事が出来ました。

    私も派手でない種も、積極的に掲載していこうと思います。

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      ktr

      2024/03/09

      すみません、名前を間違えておりました。
      正しくは Agraulos です(Aglaurosではなく)。

      ギリシャ神話にちなんだ名前はけっこうあるようですね。
      ダイフォンなんかもそのひとつです。
      かつてブログにその由来を書いたのを思い出しました。
      本種はアグラウロス科の代表種で、ボヘミアでは多産しますが、ご覧のとおり地味なので、あまり売れないせいか、市場的には稀少といってもいいかもしれませんね。
      地味なものでも見どころはあるので、ぜひアップしてください。

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    Trilobites

    2024/03/09 - 編集済み

    小さく地味な種類なのに昔から完全な個体が見当たらない種類でした。Ellipsocephalus hoffiなどは結構有名種なのに本種は陰に隠れてしまっていますね。

    ギリシャ神話由来とは初めて知りましたが、Barrandeは粋な事をしますね。

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      ktr

      2024/03/09

      小さくて地味なのは確かですが、BPMの図鑑に載っているBonino氏のものなど、ほれぼれするほどすばらしいと思います(pp. 203, 251)。
      十九世紀の自然科学研究者はけっこう人文的な教養もあったようですね。
      いまでは属名が変ってしまってますが、アウラコプレウラやプリオメラなども、かつては神話由来の Arethusa や Amphion という名前でした。

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