- ktr Museum
- 1F 化石部門
- Deanaspis senftenbergi
Deanaspis senftenbergi
これは一見価値なきジャンク品にみえるかもしれない。
しかし、私の基準では、けっこう高品位の準完全体に属する。
まずそのサイズ。
トゲを含まずに20㎜というのは、トリヌクレウス類としては十分な大きさだ。
それと、左側の頬棘が保存されていること。
これもまずふつうには見られない。
次に、頭部が立体的に保存されていること。
たいていは頭部がぺしゃんこになっていて、この標本のように突兀として盛り上ってるのはあまり見かけない。
それから最後に、額環の突起(トゲ)の痕跡が残っていること。
この本来的な特徴が、大半の標本では失われて影も形もない。
というわけで、これでもし胸部と尾部とに欠損がなければ、すばらしい見物になったと思われる。
ちょうとケネディ氏の本の表紙を飾っている Whittardolithus のように。
この標本は、石を割っただけで、とくにクリーニングはなされていない。
なので、左側の縁の部分は、母岩の下に埋まったままになっている。
ここをうまくクリーニングできれば、右側と対をなすような構造が露わになると思われるが、私にはそういう技術はないので、これはもうこのままにしておくほかない。
全長:20㎜(トゲ含まず)
trilobite.person (orm)
2024/06/09 - 編集済み全然産地は違いますが、今ちょうどebayにも出ているペンシルベニアのクリプトリサスと形や色合い、ついでに母岩の質感までそっくりですね。
それから左側の縁の母岩に関してですが、もう一歩削ってみたい衝動に駆られますね。私ももう少し剖出したいなとか、リペアをしたいなと思う標本がいくつかあるんですが、自分では技術がなく、日本にもそういう事をやってくれる業者があればなと思っています。海外業者に依頼するしかないでしょうかね。
1人がいいね!と言っています。
ktr
2024/06/09たしかに酷似してますね。
これの仲間は、よっぽど状態のいいのでないと、区別はむつかしいように思います。
遊泳性もしくは浮遊性とのことなので、同じ種類があちこちに散らばったのかもしれません。
この標本は、右側の縁の孔も、砂が詰まったようになっていて、できればなんとかしたいんですが、手段がなくお手上げです。
化石のリペア業者さん、あればわたしも知りたいですね。
1人がいいね!と言っています。