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Angelina sedgwickii
本種の名前を正式に書けば、Angelina sedgwickii Salter in Murchison, 1859 となる。古生物学界の大立者4名(註)にがんじがらめにされたような名前で、そのことからもわかるように、古くから愛好され、研究されてきた古典的な種である。
本種の産出するウェールズは地層の形成が安定していなかったようで、一定方向に引き延ばされた標本をよく見かける。本標本も縦方向に延びているが、それがかえってアンゲリナらしい趣を添えている。原形は、最後にあげた図版(1859年のマーチソンの大著『シルリア』から抜いたもの)を参照してください(2番の図がそれ)。
本種はオレヌス科に属していて、いまのところこれが私の手持の唯一のオレヌス科だが、この科に属するものとしては、ほかにオレヌス・トルンカタ、パラボリナ・スピヌロサ、ペルトゥラ・スカラベオイデスなどがあって、私の関心の的になっている。いずれも英国で産するもので、大きさは1インチ程度、見た目もひどく地味で、こんなものに特別の関心を寄せているのは私くらいではないかと思う。
サイズ:55㎜
(註)スウェーデンのAngelin, 英国の Sedgwick, Salter, Murchison