Lochmanolenellus trapezoidalis (2)

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ロクマノオレネルス・トラペゾイダリス (Lochmanolenellus trapezoidalis) の完全体化石です。7枚目でNo. 2の同種の化石と、8枚目で同程度のサイズのオレネルス・フレモンティと比較しています。

ずっと完全体に憧れていた種でありますが、ようやく入手する事ができました。

本種は分類上は、レドリキア目 (Redlichida) -オレネルス亜目 (Olenellina) -オレネルス超科 (Olenelloidea) の中の、ビケラトプス科 (Biceratopsidae) に含まれております。ブリストリア、フレモンテラ、ペアチュラなど、オレネルス類の中でも異色の形態を持つ種を含むグループであり、本種も負けず劣らずの奇妙な形態を持つ種であります。

特に頭部が特徴的で、前方に寄り気味の頬棘 (genal spine) に加え、後方のintergenal spineが非常に発達しており、まるで頬棘が2つあるように見える実に不思議な種です。

5億1800-1900万年前のほぼ最古級の種でありながら、その巨大さや奇妙な見た目から、一度みたら忘れられない魅惑的な三葉虫です。

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  • 1. hdo 2021年04月10日 21:04
    念願の標本の入手おめでとうございます。完全体は圧巻ですね。外殻の状態が良くフォルムも整っていて眼福です。

    頭部の形状で種の判別がされているのは面白いですね。このような「超」の付く希少種は比較出来る標本がないのでよく分からないですけど、胸節のトゲの力強さ(幅×長さの印象)は以前入手されたものと同じに見えます。
    2. orm 2021年04月11日 11:01
    >>hdoさん
    ありがとうございます。巣穴さんには、ただただ感謝です。
    本文中に書いたように、図形に当てはめるには、種によっては外径が合わず、やや無理やり感がある種もいるのですが、それでも面白い趣向だなとも思います。

    記事を書くにあたり、ウェブ上に標本が非常に少なく、種間で比較するにも、資料がなく困りました。論文の写真は白黒なので、今ひとつピンとこない部分もありますし。ただおっしゃるように、限られた胸尾部も残る標本を見る限り、トラペゾイダリスは他の二種に比べて、棘などが幅広く長く、比較する限り、以前の標本と差し当たり同じ種で良いのかなとは思っています。
    3. 魅惑の三葉虫 2021年04月13日 23:20
    Lochmanolenellusだけで、これだけ語れる人はコレクターでは他にいないでしょうね。それにしても巣穴氏のコレクションは凄すぎて、放出されてしまうのが、惜しい気がしています。その点、ormさんのように公開頂けるコレクターに渡るのは嬉しいです。初代も部分であっても大変貴重である事は違いなく、eBayで何度か置いて行かれた身としては、飽きたら譲って頂きたいくらいです。
    4. orm 2021年04月14日 00:32
    >魅惑の三葉虫さん
    天邪鬼なのか、Scabrellaといい、私はどうも王道でない妙な種に惹かれてしまうようです‥。勿論王道な種も大好きではありますが、気がつくと脇道に入ってしまっています。次は何に取り憑かれるやらです。

    巣穴氏のコレクションのカバーの広さには驚愕してしまいますね。モロッコのハミー品から、北米カンブリア紀種、クラシックな欧州産まで、何でもござれと言う感じで。巣穴氏の収集品の全貌を知っている訳ではないですが、これまでの放出品だけみても、こと三葉虫に関して、質・量ともに、世界の大多数の博物館では敵わないレベルなんだろうなと感じます。それだけに確かに、コレクションがばらけるのはちょっと惜しいですね。
     巣穴氏の放出品をはじめとして、主にヤフオク経由の標本で、今はどこに行ったのだろうなと気になる標本がかなり多いですね。私は人様のコレクションをみるのも好きなので、簡単にでも公開してくれる人が増えると良いのですが。。
    5. 巣穴 2021年04月18日 18:39
    ここまで詳細な調査と報告をいただけるなんて、やはりオーナーが変わってよかったな、と彼女に言いたいです^^
    でも私なんて名古屋のT先生の圧巻のコレクションに比べると数十分の1ですよ。私は単に「!」と思う品を買ってるだけですんで。。。多分私は売ってこうやってつながるのが好きなのかもしれないですね。私が買って、みなさんが所有して楽しんでいただくということで。
    6. orm 2021年04月18日 21:19
    >>巣穴さん
    この標本、本当に末長く大切にさせていただきます!
    私は古生物学や地質学を体系的に学んだ訳ではないので、ところどころ多分不正確な記述含む、素人報告になってしまいますが‥。アマチュアなりの熱意でやっております^ ^

    巣穴さんのコレクションで数十分の一と言うのは、流石にご謙遜だと思いますが、T先生の半世紀以上に渡るコレクションは、もう圧巻ですよね。何年か前の、氏のコレクション展見に行きましたが、本当に言葉がありませんでしたね。またやらないかなぁ、と。
    ハイクオリティな標本を、限りなくリーズナブルな値で譲って頂ける巣穴さんの存在は、私含め多くのコレクターにとって、もはやメシアのような存在かと 笑。
    今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

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