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Lochmanolenellus trapezoidalis (2)
ロクマノオレネルス・トラペゾイダリス (Lochmanolenellus trapezoidalis) の完全体化石です。7枚目でNo. 2の同種の化石と、8枚目で同程度のサイズのオレネルス・フレモンティと比較しています。 ずっと完全体に憧れていた種でありますが、ようやく入手する事ができました。 本種は分類上は、レドリキア目 (Redlichida) -オレネルス亜目 (Olenellina) -オレネルス超科 (Olenelloidea) の中の、ビケラトプス科 (Biceratopsidae) に含まれております。ブリストリア、フレモンテラ、ペアチュラなど、オレネルス類の中でも異色の形態を持つ種を含むグループであり、本種も負けず劣らずの奇妙な形態を持つ種であります。 特に頭部が特徴的で、前方に寄り気味の頬棘 (genal spine) に加え、後方のintergenal spineが非常に発達しており、まるで頬棘が2つあるように見える実に不思議な種です。 5億1800-1900万年前のほぼ最古級の種でありながら、その巨大さや奇妙な見た目から、一度みたら忘れられない魅惑的な三葉虫です。
Lower Cambrian (Series2, Stage3) Poleta Esmeralda county, Nevada, USA Lochmanolenellus trapezoidalistrilobite.person (orm)
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Lochmanolenellus trapezoidalis
ネヴァダ州のポレタ累層 (Poleta fm) で産出するこの怪物は、ロクマノレネルス・トラペゾイダリス (Lochmanolenellus trapezoidalis) と呼ばれています。胸部の一部と尾部を欠いた部分化石ですが、70%程が残っていて、全体像がよく分かります。8枚目写真に見るように、この種の幼体、及び別種のオレネルス類 (Teresellus goldfieldensis?) のventralも共産しております。 最も最初期に誕生した三葉虫のオレネルスの仲間ですが、実際、累層の時代はカンブリア紀前期 (Lower Cambrian, Series2, Stage3) と非常に古い時代の種です。 なんと言っても、この種の特徴は、頭部から巨大な頬棘が2対出ている事 (Double genal spinesなどと呼ばれます) であります。このような特徴を持つ三葉虫は、私の知る限り、ロクマノレネルスの一派だけです。 類似種に、ロクマノレネルス・ペンタゴナリス (Lochmanolenellus pentagonalis) やロクマノレネルス・サブクアドラタ (Lochmanolenellus subquadrata) という種がいて、これらもDouble genal spinesを持ちます。 写真7枚目では、私の手持ちの中でもトップ5のサイズを誇る154mmのオレネルス・フレモンティ (Olenellus fremonti) と並べてみました。もし完全体なら、更に一回り上回りそうで、170mmぐらいの巨大な標本であったと思われます。
Lower Cambrian (Series2, Stage3) Poleta Esmeralda county, Nevada, USA Lochmanolenellus trapezoidalistrilobite.person (orm)