オーダージャケットに最適な秋冬シーズンの生地素材を知る。_image
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オーダージャケットに最適な秋冬シーズンの生地素材を知る。

数ある生地の中から何を選ぶべきか。季節ごとに適した生地を知ることがメンズジャケットやスーツを選ぶ際の一つの手助けとなるだろう。今回は秋冬シーズンに活躍する生地をメインにLoud Garden クリエイティブディレクター 岡田亮二氏のコメントを交えつつ紹介する。このガイドを参考に是非実物の手触りも確認していただきたい。

取材日: 2016年11月10日

文/ミューゼオ・スクエア編集部
写真/佐々木 孝憲

ウール

羊毛を原料として織られたもの。羊の種類や飼育地、織り方によっても大きな変化が生まれる。ツイード、フランネル、サキソニーなど、素材感の違う織物を紹介しよう。

ツイード

羊毛生地の中でもざっくりとした肌触りと素朴な風合いが特徴的。もともとはスコットランドの家庭で手織りをして作られていた毛織物が始まり。羊の品種名や、織られた産地名、柄名などがそれぞれのツイードの名前の由来になっている。「ジャケットの超定番素材ですね。
素材化を生かしてカントリーっぽいテイストにするのも良いですがピークトラペルと合わせてモダンに仕上げるのもオススメですね」(岡田さん)

シェットランド・ツイード

(W.Bill CLASSIC SHETLAND COLLECTION WB12106、390gms、12/13 ozs、100% Pure New Wool)

スコットランド北端のシェットランド諸島の羊毛を使用していることが由来。強靭な上毛と、柔らかく絹のような光沢のある下毛が密集した二重構造。セーターに使用されることが多い羊毛として柔らかくしやかな手触りが特徴的。

ハリスツイード

(HOLLAND&SHERRY 13 892012、470/500gm 、15/16oz、100% Wool、Made in Scotland)

スコットランドで飼育されている羊毛を使用し、ハリス&ルイス島の島民が伝統的な手法で織っていることが由来。登録商標が厳しく、島内でほぼ手作りされている。ケンプ(羊毛の死毛)をあえて混入させ、ごわごわした手触りと暖かくて丈夫なのが特徴。

スコティッシュツイード

(PORTER&HARDING THORNPROOF 62267、18ozs、560gms、Pure Wool、Made in Scotland)

スコットランド産のツイードの総称であるが、本来は白と黒の紡毛糸で2/2の綾織にした、地厚な紡毛織物をさしていた。シェットランド、ハリス、チェビオットなどのツイードの種類がある。

フランネル

別名「フラノ」または「ネル」。ウールを基本素材に織り込んだ後起毛させた、薄手の毛織物。18世紀頃、英国ウェールズで婦人用の肌着素材として作られたことが初まり。現在は紳士服、特にスーツ素材として使われることが多い。「フランネルといえばスーツ素材という印象が強いですがセットアップで仕立てて、ジャケット単体としても使うのもアリですね。最近では軽くて細番手のフランネルも豊富に出てきました」(岡田さん)

(Harrisons of Edinburgh WOOLLEN SPUN 39245、400gms)

(DOMINX 、Gently Cloth 、Wool100%)

(Fox Brothers & CoLtd、CBT5/A1285/77、370/400g、13/14oz、Lambswool)

サキソニー

(P&B UNIVERSAL 74181、18/190z、570gms、ALL WOOL)

ドイツのサキソニー(ザクセン)地方の羊毛を用い作られたことが名前の由来。冬の定番素材のひとつ。薄手で柔らかく弾力性がある点がフランネルにも類似しているが、より織物的でフォーマル寄りの素材とされている。「ジャケットでは柄物、もしくは厚手て太番手のものを選ぶとより雰囲気が出ますね」(岡田さん)

キャバルリーツイル

(HOLLAND&SHERRY 41、420gm、13 1/2oz、100% Wool Wordted)

目が詰まり緻密に織られ丈夫な素材。Cavalry(騎兵隊)とTwill(綾織物)が意味する通り、英国騎兵隊の乗馬用パンツ素材として使われたことが名前の由来。織がはっきりしていて、ハリ、コシもある。「コート生地としてよく使われますね。最近では本物のキャバルリー生地は貴重になってきてます」(岡田さん)

カバートツイル

(HOLLAND&SHERRY 17 953101、310/340gm、10/11oz、100% Worsted)

元々、狩猟用のコート地として使用されたもので、カバートとは狩りの獲物が隠れる場所の意味で由来となっている。たて糸の密度がよこ糸よりも高く綾は45度以上の急角度であるため、水滴が入りにくく防水効果があるのが特徴。「もともとは野外作業のためのコート生地として使われていました。アイルランドを訪れた際は着ている地元の人をよくみかけましたね」(岡田さん)

その他の獣毛

山羊毛のカシミア、兎毛のアンゴラ、ラクダ毛のキャメル、リャマ毛のヴィキューナなど羊毛以外の動物素材で織られた生地を紹介しよう。

カシミア

(Harrisons of Edinburgh Overcoating 83909、330gms、100% Pure Cashmere)

インド北部高山地帯のカシミール地方原産のカシミア山洋が名前の由来。手間がかかり、少量しか取れないため高価な値段がつけられることが多い。滑らかで少し光沢のある綾織が特徴の毛織物。「ラグジュアリー素材の代名詞ですね。良いカシミアほど、独特の模様(鱗)がわかります」(岡田さん)

キャメル

(Harrisons of Edinburgh Overcoatings 83927、620gms、100% Pure Cameihair)

キャメル(駱駝)は衣料としての主な産地はトルコ、中国、イラクなど中央アジアから北アフリカまでの広大な地域に及んで生息しているフタコブラクダが有名である。シルクのような光沢と保温性の高さ、細く長く、軽くてふわふわとした手触りが特徴的。「一般的にはコート用素材ですね。強靭さも感じさせるのでジャケットを作るのもかっこいいかもしれません」(岡田さん)

アンゴラ

アンゴラ兎の毛を原料とした生地。繊維が極めて細くて軽いため、他の素材と混ぜて糸がよられることが多い。保温性、吸湿性に富み、柔らかい手触りが特徴。生産数が少ない為、高級衣類に使われることが多い。

ヴィキューナ

ラクダ科ラマ属の小さく優雅な稀少動物であるヴィキューナは、アンデス山脈高地に生息している。世界で最も稀少で細い繊維とされ、肌に吸い付くようなしっとりとした感触や細く柔らかい毛が特徴的。「ここ最近お目にかかることがない素材ですね。とても貴重です」(岡田さん)

コットン

綿を原料とし、織り方の違いで手触りや風合いにもバリエーションが広がる。秋冬の生地として親しまれるモールスキン、コーデュロイ、ベルベッドを紹介する。

モールスキン

(HOLLAND&SHERRY 62 182502、14oz、440g、100% Cotton、Made in England)

手触りや外見が似ていることから、モグラの毛皮を意味する”モール”が由来とされている。しっかりとした厚手の生地で、起毛によって生まれた空気層によって保温性に優れており、やさしい肌触りが特徴的。

コーデュロイ

(HOLLAND&SHERRY 55 182403、22 1/2oz、700g、100% Cotton、Made in England)

仏語の“corde du roi” 王様の畝(うね)の意味や、”cord(コード)+duroy(英国発祥の新井紡毛織物)”が名前の由来と考えられている。たて畝のある起毛した綿織り物で、丈夫で保温性や吸湿性が優れていることが特徴。「ジャケット素材というよりは、ジャケットに合わせるパンツの素材として人気がありますね」(岡田さん)

ベルベット

(HOLLAND&SHERRY 38 976541、435/465gm、14/15oz、71% Cotton 29% Modal、150cm、Wide)

滑らかな手触りと光沢感が特徴。織の表面にループを残したパイル織で作られている。日本ではビロード(天鵞絨)とも呼ばれる。元はヨーロッパの王侯貴族たちがシルクを素材としたベルベット生地を愛用していた。「ここ最近また人気が復活して、着用する人が増えてきました」(岡田さん)

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