パーソンズスクールオブデザインとは?

1896年にニューヨークに創立した、世界を牽引するアートとデザインの私立大学の一つ。ニュースクール大学の傘下。アメリカで最初にファッションデザインやインテリアデザインの教育を始めて以来、常に最先端のデザイン教育を目指した実践力重視の指導を行っている。700名以上いる講師陣の多くは、ニューヨークを始めとした世界中で成功を収めた現役のアーティストやデザイナーが務めている。
マーク・ジェイコブス、アレキサンダー・ワン、ダナ・キャラン、トム・フォード、スティーヴン・マイゼル、アナスイ、ポール・ランド、ナルシソ・ロドリゲス、ジョエル・シュマッカー、ジャスパー・ジョーンズなど数多くの著名アーティストやデザイナーを輩出してきた。

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Brand in-depth 第4回(前編)ファクトリエ・山田敏夫の「放っておけない」性格が工場と顧客をつなぐ

取材当日、山田敏夫さんはトレードマークの白シャツ姿で現れた。身に纏っているのは、もちろん自身のファッションブランド『ファクトリエ』の製品だ。

ファクトリエの立ち上げは2012年。きっかけは20歳の頃、グッチのパリ店で勤務していたときにフランス人の同僚から言われた一言だった。「なぜ、日本には本物のブランドがないんだ?」。とっさにブランド名を挙げて反論したが、こう返された。「それって日本製なの?」

その問いに答えるかのように、山田さんは挑戦を続けている。世界に通用するメイド・イン・ジャパンのファッションブランドを作る。そう決意し、29歳で起業してからこれまでに訪ねた工場は700を超えた。現在は優れた技術とこだわりを持つ55の工場と一緒に“語りたくなる服”を作っている。商品のタグには生産する工場の名前を入れ、販売価格は工場が決めるというユニークな仕組みも取り入れた。丈夫で長く着られるうえに、職人のこだわりを随所に感じる服は、多くの顧客に支持されている。

創業から10年が経ち、ファクトリエの未来をどう描いているのか、というのが今回の対談の趣旨なのだが、山田さんってどんな人物なの? という話からスタートする。単なる思い出話のように見えて、実はそこにはファクトリエの根幹があると気づくはずだ。

Brand in-depth 第3回 MISAKO & ROSENが理想とする「利益=成功に囚われないギャラリー」_image

Brand in-depth 第3回 MISAKO & ROSENが理想とする「利益=成功に囚われないギャラリー」

近年、誰それの作品がいくらで落札されたというニュースを耳にする機会が増えた。「予想落札価格を大幅に更新」、「史上最高の売上を達成」といった派手な見出しが躍り、今年5月にもアンディ・ウォーホルの代表作『ショット・セージブルー・マリリン』が約253億円で落札され、20世紀に制作されたアート作品では史上最高額となる落札価格だと話題を集めた。

アート市場が活況を呈しているのは事実だ。2021年の世界美術品市場の規模は約7兆9800億円とも言われ、新型コロナウイルス感染が拡大する以前の規模を上回っている。

そんななか、理想とするのは「利益=成功」という概念に囚われないギャラリーだ、と言うギャラリストがいる。夫婦で現代美術のギャラリー「MISAKO & ROSEN」を営むローゼン美沙子さんとジェフリー・ローゼンさんである。これまで「NADA Miami」や「Frieze Art Fair」、「Art Basel香港」などの海外アートフェアへ積極的に参加しながら国内外のアーティストを発信してきた。アーティストとマーケットの間に立つ彼らはどんな思いで活動しているのか? リチャード・オードリッチの作品に囲まれた空間で、ミューゼオ・スクエア編集長の成松が話を聞いた。

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デニムに宿したストーリーとともに、アナクロノームの歴史を振り返る

次世代へ向けてのニュー・ヴィンテージをコンセプトに、10年、20年、さらにその先に残るモノづくりをしているファッションブランド「ANACHRONORM(アナクロノーム)」。このコンセプトを実現させるための手法の一つとして、2014年までアイテムに架空の物語を持たせていた。

「このジーンズはいつ、どこで、誰が履いていたのだろう」

舞台は1950〜1960年代のアメリカ。1人のバイク乗りが旅で出会う4人の登場人物、ウィリアム、ジャック、ニール、アレン。それぞれが織りなすストーリーに沿って、デニムにリアリティを宿していく。

当時の粗野感を忠実に再現した生地や糸。職人仕事を思わせる膝の擦れ、誰かが愛情をもって繕ってくれたようなパッチワーク……、ダメージ加工1つとっても、まるで履いていた人の人生(ライフスタイル)が浮かび上がってくるようだ。

今回は、そんなアナクロノームがこれまでに生み出してきたデニム製品を軸に、同社の過去から現在までのヒストリーを振り返る。

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幕開けを迎える中国靴 ー靴職人の成長と消費者の洗練、そして靴業界の成熟ー

無類の革製品好きであるライターのOyaが、千葉県印西市に店舗を構えるレザーショップ「LEATHER PORT」代表の井熊氏を訪ねた当企画。

前編では当ショップの代表ブランド「名も無きビジネスシューズ」のディテールについてご紹介した。

後編となる本稿では「LEATHER PORT」で取り扱う美しきマスターピースを制作する中国南部の靴職人について、日本、いや世界の靴マニアにとって未知の領域である中国の靴業界事情についてお届けする。

中国という名の近くて巨大な「パンドラの箱」を開けてしまった井熊氏。どんな話が飛び出してくるだろうか。