機械式時計をもっと楽しむための書籍まとめ

取材日: 2018年4月9日

文/ミューゼオ・スクエア編集部

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気になる時計を「インターネットで検索」というのも手軽だが、良質な情報が凝縮された書籍や雑誌も見逃せない。時計デビューの良きナビゲートとして、また困った時のアドバイス役として頼れる存在になってくれるだろうオススメの書籍をご紹介。

決して手は抜かない。JAPAN MADEにこだわる技術者が1本の時計を生み出すまで

時計がどのように作られているのかを深く掘っていくなら、手にとってみてほしい一冊。パーツ1個1個の写真から、各技術者がこだわりをどのように時計に反映させてきたのかが詳細な説明と共に書かれている。

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ジャパン・メイド トゥールビヨン-超高級機械式腕時計に挑んだ日本のモノづくり

最高の腕時計作りを目的とした共同開発企画「プロジェクト トゥール・ビヨン」の活動の記録をまとめた一冊。1つの部品に2ページや3ページも割いている書籍は他では見かけない。裏を返せば、部品1点1点にこだわりが反映されていることの証明に他ならない。独立時計師の浅岡肇氏、精密機械加工を手がける由紀精密、工具メーカーのOSGが一丸となって作られたトゥールビヨンは、省力化やコストパフォーマンスが重視されている日本のモノづくりに一石を投じるくらい、徹底的にクオリティにこだわっている。著者たちのモノづくりに対する愛が伝わってくる内容になっている。

Book

この1冊で時計史がマルッとわかる

時計の歴史について学ぶなら、「時計の科学」がおすすめだ。機械式時計に限らず、人間が「時間」とどう付き合ってきたのか古代までさかのぼって解説している。機械式時計について内容が薄いのかと言われればそういうことではなく、細かい機構の解説もしっかりと掲載されている。

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時計の科学 人と時間の5000年の歴史

時間という概念が発見されて約5000年。時間をどういうように活用していったのかという話から、機械式時計やクオーツ時計の誕生、さらには時間の概念を変えた原子時計についてと、時計の歴史を余すところなく解説している一冊。

広範な歴史を取り扱って新書サイズでページ数は224p。内容が薄いのかと言われると全くそんなことはない。

例えば、機械式時計の自動巻きの機構一つ取っても、ロレックス方式、シェフィールド方式、マジックレバー方式など8種類紹介文付きで取り上げられている。著者は服部時計店(現セイコー)で勤務したのち、独立した織田一朗氏。時計が動く仕組みや、「なぜその時計が開発されたのか」という時代背景まで丁寧に解説されているので、時計に詳しくない人でも読み進めていける。

Book

クオーツ時計により大打撃を受けたスイス時計産業。その復活劇の裏側

時計愛好家はもちろん、マーケティング担当者や地域産品に携わっている人にも手に取ってみてほしい一冊。

機械式時計は嗜好品であり、高級なモノであると認識されている。ただ、実用の面ではクオーツ時計や電波時計には叶わないのも事実だ。

クオーツ時計が出たことにより、大打撃を受けたスイスの機械式時計産業がどのように復活を遂げたのか。詳細なデータと共に解説されている。

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「機械式時計」という名のラグジュアリー戦略

クオーツショックによって一時は大打撃を受けたスイス業界が、どのような歩みを経て復活を遂げたのかに迫った一冊。日本製のクオーツ時計が世の中に出てきた時に、スイス勢はどのように考えていたのか。なぜスウォッチグループという一大グループが多様なブランドを吸収してきたのか。スイスだけでなく時計史のことがよくわかる内容になっている。

スイスの時計をどうラグジュアリー分野に押し上げたのかという「ブランディング」の話に加え、それに向かうための生産体制の再編について触れていることもこの本のポイントになるだろう。もともと、時計は家内製手工業で作られるものだった。ただ、急速にグローバル化していく(=クオーツ時計が世界中に普及していく)時代に産業として保っていくためには、それなりの生産体制と流通網を構築しなければならなかった。表面的なブランディングに終わらない、泥臭い話が盛り込まれている。

一度衰退仕掛けた地場産業を復活に導いたという点で、時計愛好家はもちろん、マーケティング担当者や地域産品に携わっている人にも手に取ってみてほしい。

Book

ーおわりー

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