シアヌークとは?

1922年カンボジア生まれの王族政治家。王在位(1941~55,1993~2004)。

カンボジアの首相、国家元首、大統領を務め、ベトナム戦争、カンボジア内戦で中立主義を推進した。ノロドム王家の出身で1941年王位につき 1953年のカンボジア完全独立を実現した。1955年父に譲位し、人民社会主義共同体サンクムを結成,首相兼外務大臣としてカンボジアの中立主義を推進したが、1970年親米派のロン・ノル国防大臣のクーデターによって国家元首の地位を追われた。

同1970年亡命先の中国北京で王国民族連合政府を樹立、赤いクメール(ポル・ポト派)、インドシナの解放勢力と連携し反米救国闘争に加わった。1975年赤いクメールによる全土制圧に伴い帰国したが、1976年同派が共産国家「民主カンプチア」を宣言するに及んでこれと離反。1978年末ベトナム軍がカンボジアに侵攻、傀儡のヘン・サムリン政権が樹立されると 1981年フンシンペック党を結成して対抗、翌1982年に赤いクメール、ソン・サン派とともに反ベトナム=反ヘン・サムリン派の「民主カンプチア連合政府」(3派連合)を結成、大統領に就任した。1987年末ヘン・サムリン政権のフン・セン首相との直接対話を実現、内戦の政治的解決への端緒を開いた。1990年フンシンペック党の指導権を息子ラナリットに譲り、無派閥の議長に就任。1993年6月の制憲議会で国家元首に選出され、7月カンボジア暫定国民政府が発足、9月24日には新憲法に基づき新生カンボジアの初代国王に即位した。

2004年10月7日に退位を表明、10月29日に息子のシハモニが後を継いで即位した。

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羊文学・塩塚モエカと観る近代日本の前衛写真(後編)

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今回はオルタナティブ・ロックバンド「羊文学」のボーカル・ギターの塩塚モエカさんをお招きし、東京都写真美術館学芸員の藤村里美さんと展示を観ながら言葉を交わしました。

日本の前衛写真は関西から広がったと言っても過言ではないのですが、その中心はアマチュア写真家が活動していたグループでした。アマチュアと言っても、単なる趣味を超えて海外の情報をいち早く取り入れて、新しく自由な表現を追求していた写真家たちの熱量が感じられたのではないでしょうか。

後編では名古屋、福岡、東京の前衛写真を見て回ります。

※こちらはTOPMuseum Podcast「#02ゲスト・トーク|塩塚モエカ(ミュージシャン)×藤村里美(学芸員)【アヴァンガルド勃興】(後編)」のトークを編集した記事です。

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箔アーティスト・裕人礫翔の軌跡から「箔」の世界を見る

箔工芸の技術を昇華して「箔のアート」というジャンルを切り拓き、世界から注目される箔アーティスト・裕人礫翔さん。日本の伝統工芸でもある「箔」の奥深い世界を知るべく、京都・西陣のアトリエへ伺った。

金箔、伝統工芸に加えてアート。これだけで、ピリッと張り詰めた緊張感の中での取材をすぐに想像できるだろう。
でもお会いして10分後には笑っていたし、取材開始30分後には、用意していた半分以上の質問は見当違いだったことに気づいた。

裕人礫翔さんは、とてもよく笑うし、笑わせてもくれる。そして想像していた箔工芸とは別の角度から箔を見ている。「伝統工芸」のイメージとはかけ離れた、無限大に広がる箔の世界に彼はいる。

もちろんそうなるまでには、ひたむきに箔工芸と向き合ってきた歴史があった。400年以上紡がれてきた京都の箔工芸から、アーティスト・裕人礫翔という異物が誕生したその軌跡を辿りながら、箔の世界を見てみよう。

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羊文学・塩塚モエカと観る近代日本の前衛写真(前編)

東京都写真美術館では、8月21日(日)まで「アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真」が開催されています。

近代日本写真史における前衛写真は、海外から伝わってきたシュルレアリスムや抽象美術の影響を受け、1930年代から1940年代までの間に全国各地のアマチュア団体を中心に勃興した写真の潮流です。活動期間が短く、またピクトリアリズム写真やリアリズム写真といった潮流の間に位置することでこれまではあまり顧みられていませんでした。しかし、ここ数年福岡や名古屋をはじめとする各地の美術館により研究が進み、海外の展覧会でも展示される機会も増えています。

今回はオルタナティブ・ロックバンド「羊文学」ボーカル・ギターの塩塚モエカさんをお招きし、東京都写真美術館学芸員の藤村里美さんと展示を観ながら言葉を交わしました。新しい表現を模索した作家の足跡を、前衛写真を塩塚さんはどのように観たのでしょうか。

※こちらはTOPMuseum Podcast「#01ゲスト・トーク|塩塚モエカ(ミュージシャン)×藤村里美(学芸員)【アヴァンガルド勃興】(前編)」のトークを編集した記事です。

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千葉正也の絵画探求「オブジェが何だかを知るために、絵を描いています」

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音楽と現代美術のフェスティバル「アッセンブリッジ・ナゴヤ 2019」では、港まちの旧・名古屋税関港寮を会場に「この匂いも作品に含まれます」と描かれた絵画や、窓から飛び出すハートのオブジェ、雑草にスプレーで塗装したインスタレーションなど、周辺の環境を活かした滞在型の作品を制作・展開した。ペインターと名乗り続け、絵画と実在の境界を揺さぶり続ける千葉さんの近年の思考とは?

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