ポルシェデザイン by IWC。海の向こうに思いを馳せるワールドウォッチ

取材日: 2017年10月2日

文・写真/佐々木 健人

ポルシェデザイン by IWC。海の向こうに思いを馳せるワールドウォッチ_image

スタイリッシュなファッションアイテムを生み出してきた「ポルシェデザイン」。今回はIWCとコラボして作られた腕時計を紹介します。ミューゼオ・スクエア編集長の成松が惚れ込む「ワールドタイム by IWC」は約30年前に作られたアンティーク時計。しかし、いまの腕時計と比べてもひけを取らない機能とデザインなのだそう。

腕時計から服装を組み立てる楽しさ

MuuseoSquareイメージ

「今日はこの一本にしよう!」

スマホで時間を確認できるようになった今でも、僕は毎日欠かさず腕時計を身につけている。ジャケットの色に合わせて時計を選ぶのか、はたまた時計を主役にしてジャケットを選ぶのか。そう悩んでいる時間が楽しい。家を出る時には左腕に重みがあることを無意識に確認するくらい、日々の生活の中で繰り返されている。

腕時計は男の着けられる数少ない装飾品。時間を確認するという実用的な一面もありながら、コーディネートの要にもなる一品。

いくつか所有する時計のうち、IWC×ポルシェデザインの時計は洋服に合わせて時計を選びたいと考えはじめた時に購入したもの。初めて購入したヴィンテージウォッチであり、細かい部分にまで気を配ることの楽しみを教えてくれた思い出深い1本だ。

IWC マーク11とマーク12

IWC マーク11とマーク12

腕時計に興味をもち、最初に購入したのはIWCのマーク12

マーク12はパイロットウォッチをルーツにデザインされているが、ゴツゴツした雰囲気はない。むしろ無駄な装飾のないシンプルなデザインがビジネスシーンにきれいにハマる。

もちろん、シーン問わず使用できる時計なのは間違いないが、毎回同じ時計をつけるのではなく、服の色と時計の色を合わせてコーディネートを楽しみたかった。要は、ちょっと変わった時計をつけてみたかったということ。

IWCのマーク12のダイヤルの色は黒。当時もう一本持っていたロレックスのエアキングはピンク。ダイヤルが銀白のモデルならカジュアルな洋服にも合うと考え、購入したのはポルシェデザインの「ワールドタイム BY IWC」というモデル。

鍵はIWCの質実剛健さ

MuuseoSquareイメージ
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昔からポルシェデザインの時計が好きだ。ポルシェデザインが作る時計には遊び心がきいている。

いや、遊び心ではなく冒険していると言った方が正しいだろうか。チタンという素材を最初にケースに採用したのはポルシェデザインだった。当時、チタンは加工が難しく、ケースに使えるような流線型のカットは技術的に困難だったのだ。にも関わらず、実現させてしまった。前例が無くとも新しいもの作りに挑戦する心意気に憧れてしまう。

ポルシェデザインの代表作は「オーシャン2000」。当時としては驚異的な2000m防水を誇り、ドイツ海軍にも採用されている1本だ。こういった時代に残るエポックメイキングな時計が生まれるのも、先進的なデザインを生み出すポルシェデザインに、IWCの質実剛健さが加わったからだと頷ける。

ポルシェデザインとは

ポルシェの創設者の孫、フェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェによって1972年に設立。フェルディナンドは、かつてポルシェの名車911や904のデザインを手がけたことでも知られる人物。

時計づくりに関してはポルシェデザインがデザインを担当し、ムーブメントの製作は他社に依頼する形を取る。「オルフィナ」が担当した時代(1972-80年)には世界で初めて外装パーツにチタン素材を採用したクロノグラフを発表している。

次にタッグを組んだのは「IWC」(1983-94年)。時計とコンパスを組み合わせた「チタニウム・コンパス」や、アラーム機能やワールドタイマーを搭載しながら、高い防水性能も獲得した「ワールド・タイム」を発表している。

1998年にはポルシェ デザイン・グループがスイスの時計メーカー「エテルナ」を子会社化。2004年には800を越えるパーツから構成される時計「インディケーター」を発表。常に革新的な時計を作り続けている。

回転ベゼルで世界各地に思いを馳せる

「ワールドタイム BY IWC」も他のポルシェデザインの時計と同じく、機能とデザインに特徴がある。

ポルシェデザイン「ワールドタイム by IWC」

ポルシェデザイン「ワールドタイム by IWC」

まず、時計に都市名が付いている意匠が面白い。

ワールドタイムという名前の通り、世界主要都市の時間が回転ベゼルと24時間表記のインナーリングにより一目でわかるようになっている。今でこそ海外旅行が身近になり、インターネットを繋げば海外にいる人とも会議ができるが、製造された時代は今ほど海外との繋がりが密接ではなかったはず。

デザインも一風変わっているが、先の時代を見据えた機能性が兼ね備わっているところが魅力的だ。私は海外出張にはあまり縁がなかったが、そういった実用的な機能が備わっていると考えるだけでもワクワクしてくる。

今でこそ当たり前に付いているアラーム機能も、当時としては珍しかった。そのためか、この時計は機械式ではなくクオーツによって動いている。決して、クオーツ製なので残念という話ではない。「クオーツを使用してでも良い時計を作ろう」という割り切りが感じられてむしろ愛着がわく。

いつまでも色褪せないタイムピースが「ポルシェデザイン by IWC」の腕時計

ワールドタイマーを購入した数年後、友人から引き取ったのが2本。1本は「スーパーライト」、もう1本は「チタニウムクロノグラフ」。

スーパーライトはバンドにジェラルミンという、航空機で使われるような軽量な材質を使用している。チタニウムクロノグラフはプッシュボタンがケースと一体化した隙の無いデザインが特徴的。

スーパーライト

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チタニウムクロノグラフ

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並べてみると、ポルシェデザインとIWCの業務提携が解消されて20年近くたった今でも近未来的な印象を抱かせる。色褪せないタイムピースとして、今後も愛用していきたい。

ーおわりー

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