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東京スパイス番長に聞いた、美味しいインド料理を作るのに欠かせない道具たち

 美味しい料理をつくる人はきっと、とっておきの調理道具があるに違いない。そんな期待を胸にお話を伺ったのは”スパイス”をテーマに調理研究を深める4人組ユニット・東京スパイス番長。今回はメンバーのお二人、メタ・バラッツさんとシャンカール・ノグチさんにインタビュー。スパイス研究で訪れたインドで出会ったスパイスボックスや、幼少時代から家庭で使いつづけている栓抜きなど。エギゾチックかつレトロな雰囲気ただよう道具たちをご紹介します。

取材日: 2015年7月9日

取材・文/廣瀬 文
写真/松本 理加

スパイスのメッカ・インドのおいし〜いを届けるのに欠かせない、番長こだわりのツールとは?

 某日、鎌倉。ポツポツと雨の滴る中、バラッツさんとシャンカールさんの合同カレーイベントが開催されていた。緑に囲まれた風情ある日本家屋(バラッツさんのご実家)には、調理教室の生徒さんや地元の顔なじみ、お仕事仲間など総勢30人を超えるであろうお客様が賑やかに集っている。当日は10種類以上ものカレーやサイドディッシュを提供することもあり、お二人は「やあ、いらっしゃい!」「久しぶり〜」など来客とにこやかに挨拶を交わしながらも、調理サポートの方に指示を出したり、手を動かしたり。台所は出入りする人の活気と熱気、そして次々と調理される芳しいスパイスの香りであふれていた。
改めて紹介すると、「東京スパイス番長」はメンバーの4人中3人がインドの血を受け継ぐという、日印混合の料理研究家ユニットだ。2008年から毎年、スパイスの本場インドへ研究に出かけては、現地調達した地元食材を使って調理し、新たなレシピ作りに挑むという大胆な活動(修行?)を続けている。さて、イベント当日の忙しい合間を縫って見せてくれたのは、インドのローカルを知りつくす彼らならではの専用調理道具。そして「昔から人を呼んで料理を振る舞うのが好きだった」というバラッツさんの言葉にも表れる、”みんなでおいしく食べる”を考慮したアイテム。見終わった後にはカレーが食べたくなるかも⁉︎

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メタ・バラッツさんのこだわり調理道具。

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ぷっくりふわ~。カレーの相棒作るチャパティパン。

 チャパティという食べ物をご存知だろうか。小麦が原料の生地を薄く伸ばして焼いたパンで、北インドエリアの主食でもある。パンチの効いた辛いカレーを食べるときははずせない、カレーの相棒的存在。「カレーにはチャパティ」この組み合わせを覚えたあなたはもうインド通! バラッツさん愛用のチャパティフライパンは伸ばし台&伸ばし棒と同様、野外の炊き出しでも活躍。通常、家庭で使用するより無骨に変化した容姿が活動のタフさを物語っているよう。

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作り手の温もり感じるチャパティの伸ばし台&伸ばし棒。

 震災支援活動の一環としてカレーとチャパティの炊き出しを行っていたバラッツさん。桜の木を使って作られた伸ばし台と伸ばし棒は、地元の木工職人さんがバラッツさんのために作ってくれたオリジナル。
「ある日、地元の方からもらったもの」とあまり多くを語らないバラッツさんだが、きっと美味しいカレーをつくる彼への「ありがとう」という気持ちが込められているのだろう。角のないつるんと滑らかなカタチと木肌の優しい色合いが、木の温もり、作り手の温もりを感じさせるセットだ。柄つきの伸ばし棒はインド製。結婚式などのハレの日に使う特別な一本だとか。

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抜群に使いやすい! 昭和レトロな栓抜き。 

 「他の栓抜きなんか目じゃないよ〜」と紹介してくれたのは、昭和のご家庭でなら目にしたことがあるだろう昔懐かしい雰囲気の一品。赤の塗装が剥がれた今も、替えが効かない現役選手としてバラッツさんのお宅では活躍しているのだとか。この一品で缶切りと栓抜きの2役をこなす優れもの。

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シャンカール・ノグチさんのこだわり調理道具。

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蓋を開けたら、たちまちそこはインド。2種のスパイスボックス。

 スパイス番長たるものイベントや旅行先には愛用のスパイスを常に持ち歩きたいもの。インドの金物屋で購入したボックス2点、大きい器の中にカトリと呼ばれる小さな壺が並び、それぞれ7種のスパイスを携帯できるようになっている。シャンカールさんはスタータースパイス(調理開始時に油と炒めて使うもの)とパウダースパイス(調理途中に入れるもの)をボックスに分けて使用。軽量かつシンプルな作りのため、中身がこぼれてしまいそうと心配になるが、蓋を閉めるとあら不思議、ちょっと力を入れたくらいでは開かない密閉状態に。ケースのおまけに小さなスパイススプーンが付いてくる。

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インド屋台調査からヒントを得たチャイ鍋。

 インドの旅の道中チャイ屋台に立ち寄っては味や作り方、商いのスタイルを見て回るうちあることに気づいたという。それはチャイをつくる鍋の取っ手。通常の横に取っ手が付いているところを多くの店舗が持ちやすいように少し上へ曲げるなど自作アレンジを加えていること発見。鍋になみなみと入ったチャイを片手でも注げる、オタマのような握り手スタイルで作って欲しいと現地の金物工房にオーダー。なんでもパンジャブ地方(インドの北西部からパキスタンにまたがっている地域)に多いスタイルだそうだ。オーダー時に自分の名前や活動名を入れてもらったがなぜかTOKYOがTOKXOに。。。深めの鍋は約20人前のチャイがつくれる。

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母も愛用のベテラン選手、すりおろし金。

 「40年以上使っているかも?」とずいぶん年季の入った出で立ちのすりおろし金は、母親の代からずっと使っているもの。ニンニクやショウガを手早く少量加えたいときに重宝している。経年変化した色が家族の台所の歴史を物語っているよう。ちなみに刻まれた「エリバー調理器」でネット検索をかけてみるも追加情報は得られず、文字デザインがレトロな印象を醸し出す一品だ。

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メインテーブルには出来上がった色とりどりのカレーが並べられ、参加者が食事会の開始を今か今かと待ちわびていた。お庭ではスパイスにつけこんだタンドリーチキンや、バラッツさんによるチャパティの調理実演も。

全12種! 東京スパイス番長の多彩なカレーバリエーションに脱帽!

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 綺麗なレモン色のカレー(写真左下)はスパイス・ターメリックとココナッツを使った「冬瓜カレー」、時計周りに写真左上から時計周りに、レモンの絞り汁と生姜が香るレモンライス、鳥ひき肉とスパイスにキーマを使った「キーマカレー」。グリーンのバジルが盛り付けられスパイス・カルダモンが効いた「バジルチキンカレー」。ごろっとした鰯の切り身とスパイスのブラウンマスタードが入った「鰯のベンガルカレー」。生姜の香りが食欲そそる「ポークジンジャーカレー」。食材×スパイスの何通りもの組み合わせで、香りも味も全く違う個性豊かなカレーが並んだ。その他にも、当日お二人がつくったスパイス料理は計12種!さすがスパイスマスターです。

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