オメガ「フライトマスター(前期型)」&「シーマスターダイバー・クロノグラフ120m(ビッグブルー)」。とにかくデカくて厚くて重い!それでも装着したくなる時計とは。

取材日: 2016年7月31日

取材/廣瀬 文

オメガ「フライトマスター(前期型)」&「シーマスターダイバー・クロノグラフ120m(ビッグブルー)」。とにかくデカくて厚くて重い!それでも装着したくなる時計とは。_image

数多くあるオメガシリーズの中でも抜きん出てインパクトのある、フライトマスター(前期型)とシーマスターダイバー・クロノグラフ120m(ビッグブルー)。時計好きの間では「デカ厚時計」とカテゴライズされるこの2本の魅力を、愛用しているミューゼオスクエア編集長が今改めて語ります。とにかくこのサイズと重さ、並じゃない!

元祖デカ厚のオメガ「フライトマスター(前期型)」と「シーマスターダイバー・クロノグラフ120m」

左がシーマスターダイバー・クロノグラフ120m。右がフライトマスター(前期型)

左がシーマスターダイバー・クロノグラフ120m。右がフライトマスター(前期型)

90年代後半頃から、イタリア生まれのパネライという時計が火付け役となりデカ厚時計ブームが到来した。ただその「デカ厚ブーム」の時計以前に、「元祖デカ厚」の時計が存在していたのは時計好きなら知るところである。

当時一般的に人気だったのはパネライをはじめとした90年代のデカ厚時計だったのに対して、私が羨望の眼差しを注いでいたのは60〜70年代の元祖デカ厚時計たち。それが、オメガ「フライトマスター(前期型)」と「シーマスターダイバー・クロノグラフ120m」。

この2本もまさに「元祖デカ厚」の時計の一つだと言えるだろう。(ちなみに、入手した時期は、デカ厚時計ブームが去って落ち着いた頃であることを記しておきたい)

◆オメガとは◆
オメガ(Ω OMEGA)はスイスの高級腕時計メーカー。1848年、創業者であるルイ・ブランの懐中時計作りからスタートした。「アポロ計画」で月面着陸した宇宙飛行士の腕にはめられていたことでも有名。

◆シーマスターとは◆
初代モデルが1948年に発表された、オメガを代表する自動巻きの防水ウォッチシリーズ。
フランス人ダイバー、ジャック・マイヨールが「シーマスター120m」を愛用していたことでも有名で、様々な記録をこの時計と共に打ち立てている。

◆フライトマスターとは◆
クロノグラフ・24時間表示(前期モデル)・GMT機能・インナーベゼルなどが搭載された、パイロット仕様のシリーズ。フライトマスター前期型と後期型とがある。前期モデルは24時間計、後期モデルには秒針が装備されている。

まず早速どれだけデカ厚なのかというところなのだが、

MuuseoSquareイメージ
MuuseoSquareイメージ
MuuseoSquareイメージ

「フライトマスター(前期型)」
ケース直径: 43.0mm (リューズを除く)
厚み:15.0mm
重量:140g

MuuseoSquareイメージ
MuuseoSquareイメージ
MuuseoSquareイメージ

「シーマスターダイバー・クロノグラフ120m」通称:ビッグブルー
ケース直径:42.0mm(リューズ除く)
厚み:17.0mm
重量:170g

これだけだとわかりにくいので、一般的なサイズと比較してみよう。

MuuseoSquareイメージ
MuuseoSquareイメージ

Rolex「オイスタースピードキング」
ケース直径: 30.0mm(リューズ除く)
厚み:11.0mm
重量:50g

例えば直径。数字だけでみれば一見わずかな違いも、腕の上に乗ると、この10.0mmの違いが果てしなく大きく感じる。さらに厚み。ステンレス素材なので厚みが増せば、もちろんの事ずっしりと重さも増す。

正直な着用感を伝えるならば、時計を装着しているという感じより、金属の塊が手首の上に乗っている感覚。

時計に目を留めた知人たちが、目を輝かせて「試してみたい」というので渡して着用してもらうこともあった。しかし、誰もが皆口を揃えて「重すぎる」という率直なコメント。そしてなぜか苦笑いしてしまう時計たちなのである。

何かの装置のようにインパクトのあるボディがこのデカ厚時計の格好良さでもあるが、実生活では使いづらいことこの上ない(笑)。それは所有して使ってみた自分がよくわかっているのである。


それでも惹かれるのは、この時計のディテールにもある。

デザイン面では文字盤と針、そしてリューズの配色。シーマスターダイバークロノはマリンブルーに補色のオレンジの組み合わせ。フライトマスター(前期)は、オレンジ、ブルー、イエロー、グリーンのビビットな色使いが絶妙。お気に入りのポイントだ。

MuuseoSquareイメージ

機能面ではシーマスターはその名からイメージするように、ダイビング用の時計で水深120mでも機能する機構。フライトマスターは、フライトをするパイロットが使用することを想定して作られた時計で、GMT機能(2カ国の時間を同時測定できる機能)などの特別機構になっている。事実、1975年のアポロ・ソユーズ ドッキングプロジェクトで船長が腕にはめていたことでも有名だ。

その道のプロが仕事の相棒として使っていた時計、実際に使う機会がなくともその優れた機能がこの腕に装着されていると想像するだけでもワクワクするのだ。

フライトマスター(前期型)の背面。薄っすらとだが、ジェット機が刻まれている。

フライトマスター(前期型)の背面。薄っすらとだが、ジェット機が刻まれている。

左がシーマスターダイバークロノの背面。右がシーマスター120の背面。シーホースの絵が刻まれている。

左がシーマスターダイバークロノの背面。右がシーマスター120の背面。シーホースの絵が刻まれている。

最近はどちらかといえばスリムで洗練されたデザインの時計が多いと感じる。IWCのマーク11やマーク12など、使えるシーンや合わせる装いを選ばないバランスを重視した時計は世の中にたくさんあるが、そればかりではつまらない。

個人的には、アクが強くともどこか尖っている、攻めていると感じさせる時計が好きなのだ。そんな中、昔から欲しかったが使用シーンが少なく購入に踏み切れなかったこの2本に改めて出合うことができた。

この好みは時計だけではなく、実は人に対しても同じような感覚がある。全方位型の卒なくこなすタイプより、アンバランスでもどこかに秀でた部分がある人に惹かれる。可能ならば自分もそうでありたいという気持ちがある。そんな私自身の気質あってか、扱いづらいがほっておけない、そんな魅力と存在感あるこの二つの時計を私は手放せないのである。

Read 0%