オイルドレザーはどんな革?
オイルドレザーは、耐久性などを高めるために通常よりもオイルをたくさん含ませた革です。フォーマルな靴よりは、タフなブーツに用いられます。
オイルドレザーのひとつに、アメリカHorween社(ホーウィン社)のクロムエクセルレザーがあります。クロムエクセルレザーは選別によって選び抜かれた牛の原皮をコンビネーション鞣し(植物タンニン鞣しとクロム鞣し)でなめし、たっぷりと油分を含ませています。耐久性、堅牢性に優れた一方、スムースレザーと比べると柔らかく傷が入りやすくなっています。その傷も、プルアップと言われている油分の移動による色味の変化で、揉めば消えていきます。
オイルドレザーのお手入れ方法
靴紐を外し、シューツリーを入れる
根の裏側や舌革など磨きにくい部分も含め、靴全体を隅々まで磨けるように、また、靴ヒモに不要な靴クリームが付着したりしないように靴ヒモを外します。
ホコリを払い落とす
馬毛製のブラシで、まずアッパーの表面についてホコリを払い落とす。この手間ひとつで、後に用いるクリーナーの効果が高められる。ポイントは、シワに沿って払い落とすことと、コバの隙間も払い落とすこと。両方とも、ホコリが溜まりやすい部分なので要チェックだ。
クリーナーで拭き取る
油分を多く含むオイルドレザーは汚れがこびりつきやすくなっています。そのため、クリーナーは通常のスムースレザーの時よりも多めに用いても大丈夫。ただ、他の靴同様強く拭くのは厳禁です。
ミンクオイルを塗る
汚れを落としたら油分を補給していきます。ミンクオイルはミンクの皮下脂肪の油分を原料としたもの。多く入れすぎると革が柔らかくなり、コシがなくなるので注意が必要です。また、塗った直後は、オイルが多めに入った箇所と、そうでない箇所の色に差が出てくることがあります。数日そのまま置いて頂くと、だんだん革に吸収され、平均化して、ムラは目立たなくなることがほとんどです。
油分は、ミンクオイルではなくても、撥水性や風合いを維持することはできます。
ブラッシング・乾拭き
豚毛ブラシで余計なオイルを落としつつ、靴になじませます。クリームの成分が異なるため、ブラシはスムースレザーのものと使いわけるのがおすすめです。
革ヒモにも油分を入れる
もし靴ヒモが革でできているのなら、こちらにも油分を補給してあげましょう。そうすることで、見た目が整うだけでなくヒモが切れにくくなります。
鈍い光沢がでればOK
Before
After
革にしっとりとした潤いがもどり、カサカサした質感がなくなりました。また、革のしなやかさが戻ったことでシワが伸び、色味も鮮やかに戻っています。
ーおわりー
終わりに
オイルドレザーのお手入れで重要なことは、足元を守る機能性を維持すること。そのために、油分を適度に補充することが何より大切です。