2022/2/17 球の中の巻貝

初版 2022/02/17 04:54

改訂 2022/09/07 12:42

公開日:2022/02/17

浜松市天竜区の魚卵状石灰岩の薄片を観察します。可愛い貝殻がありました。

魚卵状石灰岩を構成する"ooid"の成長は現在進行形でペルシャ湾やメキシコ湾などで観ることができます。生物の殻や岩石の破片を核として同心球状にCaCO₃が年輪状に成長した様子は「暖かく浅い海底で、あっちへこっちへ揺られてできた結果、ひとつひとつの粒子が魚卵の粒々の様に丸い」と説明されています。

球状岩にも核を中心とした同心球状の構造が観られるモノがあります。球体どうしが結合しない様子から、一見同じに見えますが、粘性のあるマグマの中でコロコロ転がるゼノリスをいまいちイメージできません。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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