2020/9/29 五色塚古墳の葺石

初版 2020/09/30 17:59

改訂 2022/09/07 12:42

公開日:2020/09/30

兵庫県最大規模の前方後円墳です。千壺古墳とも呼ばれ、4世紀末〜5世紀初頭に築造された海上交通と関わりの深い有力者の墓とされています。明石海峡を見下ろし、淡路島を一望する絶好のロケーションです。敷き詰められた丸玉石は「葺石」と呼び、斜面の補強と装飾を備えています。日本書紀には淡路島から船で運ばれたと記され、葺石の採取地とされた"五色浜"から"五色塚"と呼ばれているようです。(葺石が夕陽に五色に輝く、円筒埴輪が"こしき=米の蒸し器"に似ている、という由来もあります)

五色浜は小石の海岸です。色とりどりの小石は新第三紀鮮新世~第四紀更新世に堆積した大阪層群五色浜累層の礫層が侵食され、含まれていた礫と考えられています。三波川変成帯の結晶片岩を含むことが特徴です。古墳までの距離もあります。使われた葺石の量は狭い浜では賄えません。検証の結果、葺石に使用された上中段の礫は対岸の東浦で採取された礫、下段は付近の海岸や河川で採取された礫が有力です。総数223万個・総重量2,784トンと推定、当時の一大土木プロジェクトだったことでしょう。古代の海運や土木技術が明石海峡大橋建造の礎、近代との対比が楽しいスポットです。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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