2019/8/26 神社の奉納石

初版 2019/08/26 20:18

改訂 2022/09/07 12:42

公開日:2019/08/26

神社の奉納石というと”玉垣”ですが、奉納された”さざれ石”もよく見ます。

岐阜県揖斐川町春日の石灰質角礫岩は岐阜県の天然記念物に指定され、産地はさざれ石公園として整備されています。揖斐川町のHPによると、文徳天皇の皇子、惟喬親王に仕える藤原朝臣石左衛門がめでたい珍しい石として詠んで奉った歌が「わが君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」と伝承されてます。通説では古今和歌集の詠み人知らずです。

ここ、椿大社の”さざれ石”は、見慣れた炭酸石灰で固められた岐阜県産のものとは少し違い、鮮やかな色の円礫でできた礫岩です。京都府宮津市の採石業者が”大和さざれ石”として採掘している石です。どちらが正当かは知らないですが、小さな石が大きな石になる歳月の長さを比べれば、化学的続成作用よりも物理的続成作用の勝ちでしょう。

球状岩は、東京赤坂の乃木神社に白石産と思われる菊面石が奉納されているそうです。オリンピックでは、ナンダモンダを見に行きたいものです。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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