2021/10/5 菊川のセプタリアン

初版 2021/10/07 06:27

改訂 2022/09/07 12:42

公開日:2021/10/07

"掛川誌稿"という文書には「宝盛寺にあるは車輪の如し是又菊川より出つ、渓流奔激の間にして破裂して、菊及亀甲の文をなすもの也、或は菊川の名此石あるより起るとも云へり」とあります。扁平な球状で菊やカメの甲羅紋様の岩が菊川から産し、菊川の名前の由縁であると記されています。

"夜泣き石"然り、菊川・島田のお寺さんの境内には奉納された丸い石が目立ちます。旧東海道の散策路脇や茶畑の石積みにも見出すことができます。"菊石""亀甲石""亀石""玉ねぎ石"などと呼ばれているようですが、ノジュール(コンクリーション)です。亀甲状の模様は方解石の脈でできていて「石灰質泥が脱水・収縮するときに生じた亀裂に方解石などが沈殿してできるもの」と説明されていますが定かでありません。

菊川市富田の火剣山キャンプ場からはサメの脊椎骨をたくさん閉じ込めたノジュールもみつかっています。夜泣き石の内部にも"お石"さんの怨念だけでなく化石が隠れているやもしれません。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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