2021/9/13 雨垂れ石を穿つ

初版 2021/09/13 05:32

改訂 2022/09/07 12:42

公開日:2021/09/13

「一滴ずつの水でも途切れることなく落ち続ければ岩に穴を開けてしまう、わずかな力でも絶えず努力を続ければいつかは大きなことを成し遂げられる」の意味です。実際には、水に溶け込んだ化学物質と岩の構成粒子や粒子を結合する物質との反応による溶解や膨張による剥離、水と接することによる岩の可溶性物質の溶脱などの化学的要因や、藻類・菌類などによる生物学的な影響により穴が開くのであって、単に水の滴下により物理的に穴が開くことは至難と思われます。水滴に砂粒を包有している場合はどうでしょうか?砂(石英)の比重は約2.7です。位置エネルギーも水の2.7倍、インパクト時に自ら変形しエネルギーロスを生じる水に対し、硬度7の砂粒の打撃が優るのは明らかです。ハンマで岩を打ち叩く道理です。

観察している飛水峡の甌穴にはまり込み蓋をした流紋岩の礫です。回転して甌穴を成長させるモノではなく、年に数度の濁流に殴打され表面が削られてゆきます。昨年に比べて薄く小さくなりました。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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