2021/7/28 流紋岩質岩石の縞模様

初版 2021/07/28 05:43

改訂 2022/09/07 12:42

公開日:2021/07/28

標本を整理していると年輪のような模様の流紋岩が出てきました。富山県の鍋増谷の石です。よく似た模様の石は糸魚川では『姫川薬石』と呼ばれ、怪我や病気の治癒に使われてきました。放射線ホルミシス効果です。否、プラシーボ効果でしょうか?流域に流紋岩や流紋岩質凝灰岩が分布している河川の河原には珍しくない"石ころ"です。

1年ほど前の名古屋市科学館の『学芸員NOW』に、当時の西本主任学芸員さんが「長良川の礫に見られた年輪状の縞模様が、鉄分が溶けた水が礫の内部に向かって浸透し、鉄さびを沈殿させることによって、ほんの数年程度ででき得ることを示すことができました」と、名古屋大学博物館の吉田英一先生らのグループが流紋岩質岩石にできた酸化鉄の年輪状縞模様は1〜数年で1本の鉄バンドが形成され、形成条件を数式で表現できるという論文を紹介して居られました。岩石の風化・劣化速度の研究です。

石の縞模様は奥が深いです!

※名古屋大学プレスリリースより転用


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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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