2021/4/1 おてがる断面標本

初版 2021/04/01 06:16

改訂 2022/09/07 12:42

公開日:2021/04/01

石の組織や構造を観察するために、新鮮な破断面を割り出したり、切断して研磨したり、薄片を作成したりします。特に断面標本は岩体のマクロの変化が読み取れることから、薄片の顕鏡観察にない情報を得ることができます。

手先は器用じゃありません。専用の岩石カッターや研磨機は高価です。ホームセンターや百均で揃える節約断面標本です。

①風化面から想定して何処をカットするかを決定します。構造の判読が第一ですが、標本の見栄えも大切です。

②乾式のダイヤモンドカッターでカット。粉塵対策には十分注意、珪肺になったら洒落になりません。

③ダイヤモンド砥石でひたすら平らに。プロは3000番の研磨剤とか使用してテカテカにするのでしょうが、80番で平らにして800番で仕上げで上等です。セッカチは辛い作業は避けて通ります。

④洗浄乾燥後、すりガラスのような表面をアクリルラッカーで塗装します。宝石磨きのような光沢です。ラベルを張って完成です。

断面を見ながら石の履歴を推理する…至福の時間です。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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