2021/1/1 "雲根"という言葉
初版 2021/01/01 01:18
改訂 2022/09/07 12:42
公開日:2021/01/01
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
室町時代に京都五山の如月寿印という僧侶が、唐や宋の詩人や日本の禅僧の漢詩二百数十編の作品に注釈し解説した書物を編纂しました。中華若木詩抄には「雲は石より生ずるによりて、石を―と云ふぞ」とあり、水蒸気を含んだ湿った空気が山岳地の岩に衝突し斜面に沿って上昇し雲が湧く姿から"雲根"とは高山または岩石の意味だそうです。
江戸時代の石のコレクター木内石亭は全国から収集した鉱物・化石、珍石奇石・石器・勾玉などを分類し雲根志を記します。この書物はシーボルトにも影響を与えました。日本地学研究会の創設者、益富壽之助先生の著書「石 : 昭和雲根志 第1編」は鉱物の専門的見地を取り入れたエッセイ、石の楽しさを教えてくれます。滋賀県職員で在られた福井龍幸氏は「近江の平成雲根志: 鉱山・鉱物・奇石」に滋賀県の鉱山・鉱物を紹介しておられます。
青木正博先生監修の「鉱物コレクション-コレクターが語る鉱物の魅力-」に登場する谷口徹氏の「雲根誌21」の校了も間近と聞きました。どのような谷口ワールドを見せてくれるのか興味津津です。
引用:国立国会図書館デジタルコレクション
paperminehunter
2021/01/04この 雲根志の実物 55年ほど前に 岐阜の歯科医 高橋さん(当時岐阜石友会 顧問?水鳥五色発見者)宅で見せてもらったことあります
高橋さんは 水石採集家で 金生山の上で出会いました
自ら 山を順番に探索しておられました・・・菊花石に限らず いろんな水石 例えば 春日のマンガンはわらで磨くときれいだと見せてもらいました
懐かしい思い出です
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prin
2021/01/04paperminehunterさんコメントありがとうございます。
雲根誌の口語訳本は中古でも高くて手が出せません。原文のKindle本を利用していますが、難解で、加藤 碵一著「石の俗称事典第2版」を参考に空想、挿絵を見ているだけでも楽しいです。
国立国会図書館の公開資料には「本邦金石略誌」等もあるので、鉱物の古典産地の再開拓(産地詣)も面白そうですね。
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